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ミュージカル作品紹介(第328回)
ライオンキング 2003
■劇  団 劇団四季
■鑑 賞 日 平成15年2月23日(日) マチネ
■劇 場 名 四季劇場[春](浜松町)
■料  金 全席指定 S席10,500円(会員割引価格)

■原  作 オン・ミュージカル「THE LION KING
 作  曲:ELTON JOHN(エルトン・ジョン)
 作  詞:TIM RICE(チム・ライス)
 作詞・作曲補:LEBO M(レボ・エム)  他
 脚  本:ROGER ALLERS(ロジャー・アラーズ)
     :IRENE MECCHI(アイリーン・メッキ)
 演出・衣裳・マスク他:JULIE TAYMOR(ジュリー・ティモア)
 振  付:GARTH FAGAN(ガース・フェイガン)
 装  置:RICHARD HUDSON(リチャード・ハドソン)
 照  明:DONALD HOLDER(ドナルド・ホルダー)
 マスク・パペット:MICHAEL CURRY(マイケル・カリー)
■企画・製作・翻訳・訳詞・演出 浅利 慶太
■技術総監督 沢田 祐二 ■脚本協力 藤田 みどり
■振  付 古澤 勇 ■パペット 田中 眞喜
■照  明 赤崎 浩二 ■音楽監督 鎮守 めぐみ
■音  響 原 英夫 ■舞台監督 獄本 由郎
■フライング ピーター・フォイ
キ ャ ス ト
ラフィキ   (金  志賢) ムファサ   (田村 雄一)
ザズ     (吉谷 昭雄) スカー    (宮川 政洋)
シンバJr.  (吉武 怜朗) ナラJr.   (梅澤菜奈子)
ティモン   (安福  毅) プンバァ   (川辺 将大)
シンバ    (吉原 光夫) ナラ     (木下真美子)
サラビ    (石村 友見)
ほか多数
ス ト ー リ ー
第100回を参照
コ メ ン ト
シナリオ セリフ回しを含め、若干の手直しが入っているようですが、シナリオの唐突な展開は相変わらずです。冒頭の動物群、ヌーの大群の大仕掛け、床から迫り上がるステージ、ラフィキの占いの木、フライングなど派手な演出は、一人のアイデアから出ているようですが、統一感が感じられません。また、哲学も伝わってきません。
キャスト ブロードウェイの模倣でなく、四季オリジナルという意識が伝わってくるキャストです。ロングラン化して久しく、アドリブを加える余裕さえ感じられます。また、黙々と演じるのでなく、観客を楽しませるという雰囲気も伝わってきました。
ナンバー 歌唱力がアップし、「愛を感じて」「彼はお前の中に生きている」「覚悟しろ」などソングナンバーの冴えが出てきています。「ハクナ・マタタ」は聞き取りにくい部分もあり、かなり物足りません。
ステージ 大がかりなセットは、個々には見事です。子供騙しな印象ですが、徹底していて小気味よいです。パペット(人形)やマスクもよく出来ていて、キャストも雰囲気を巧く出しています。ムファサやスカーは、マスクで遊ぶ余裕まで示します。
演 技 力 メインはいずれも巧く、四季なりに自家薬籠中のものとした感が強いです。一幕の強い人物像が二幕で薄くなるのは、脚本の弱点でしょうか、演技力でのカバーが難しいのかも知れません。
田村宮川は言うまでもありませんが、吉谷の味のある演技が印象的です。吉原は主役で頭が一杯なのか、演技に余裕が感じられません。吉武の方が堂々として余裕が感じられました。
歌 唱 力 吉谷は、歌唱でも渋味があります。聴かせるほどではないものの、響きのある情感の籠もった声です。吉原は、上滑り気味で物足りません。シンバの感情を重ねて欲しいです。
ダ ン ス ダンサー達が体をよく作っています。二幕冒頭で元気なダンスを見せ、群舞でもパワーが伝わってきます。ただし、フォーメーションは不統一で、苦しい感じもあります。
吉原は汗を振り乱して、弾むようなダンスを見せます。木下もまずまず。「愛を感じて」のフライングは必然性が薄く、ゴチャゴチャとして主役を霞ませます。
総合評価 シナリオの問題と、主役吉原の余裕不足がマイナス要素です。四季の準オリジナル作品としつつありますが、思い切ってシナリオに手を入れてもよいのではないでしょうか。それにしても、ロングラン化しているだけに、キャストのパワーアップに感心しました。

関連コラム>えとせとら第232回 自家薬籠中と為す
蛇足>ディズニーは動物や愛をテーマにしていますが、人間的な嫌味が強く、無機的な動物表現にも厭きを感じます。アニメはさほどでもありませんが、舞台化するとさらに際立ちます。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
劇団四季
 事務所/横浜市青葉区あざみ野1−24−7  Tel:
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