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ミュージカル作品紹介(第327回)
レ デ ィ ・ ゾ ロ
■鑑 賞 日 平成15年2月19日(水) ソワレ
■劇 場 名 赤坂ACTシアター(赤坂)
■料  金 全席指定 S席9,450円(会員割引価格)

■原  案 映画シリーズ「怪傑ゾロ」(ゾロプロダクション)
■脚  本 中島 かずき ■演  出 西川 信廣
■音  楽 岡崎 司,松尾 雄一 ■音楽監督 上田 亨
■振  付 麻咲 梨乃 ■アクション 渥美 博
■歌唱指導 北川 潤 ■作  詞 及川 眠子
■美  術 横田 あつみ ■照  明 山口 暁
■衣  裳 朝月 真次郎 ■ヘアメイク 馮 啓孝
■音  響 和田 徹二 ■舞台監督 赤塚 幸信
■企  画 赤坂 雅之 ■制  作 森下 敬,小田 昌子
キ ャ ス ト
タニア/レディ・ゾロ
       (匠 ひびき)
ゾロ/ルドルフ/トーラス総督
       (草刈 正雄)
ジュリアン  (杉浦 太陽) ジェシカ   (土居 裕子)
ベルナルド  (治田  敦) ブレンダ   (中谷さとみ)
ビーラ軍曹  (六角 精児) カタリーナ  (山本カナコ)
バステス少佐 (藤本 隆宏)
ほか多数
ス ト ー リ ー
 スペイン領カリフォルニアの街、ロス・エンジェルス。過酷なスペイン支配に対抗する英雄、怪傑ゾロが活躍していた。街の治安を守るビーラ軍曹は、ゾロに手玉に取られっぱなしだった。街には新総督が来るというのに、ゾロを偽者と決めつけるレディ・ゾロまで登場する始末。ゾロの正体は、街の有力者であるルドルフであり、彼の執事ベルナルドほかが手下を務めていた。レディ・ゾロの扮装を解いたタニアは、ルドルフを父の敵と信じて、果たし合いを挑んでくる。
 新総督トーラスは、ルドルフの双子の兄であり、タニアの父を殺した真犯人。部下のバステス少佐らを指揮して弟を捕らえた兄は、家名を継いだ弟への報復を含む陰謀を巡らせていた。舞台裏を知ったタニアは、ルドルフの救出を考えたが・・。
コ メ ン ト
シナリオ 筋書きはよく出来ていますが、休憩含めて190分の上演時間は長すぎます。ビーラ軍曹やバステス少佐、ジュリアンなど脇役に見せ場を与えすぎだと思います。冗長なエピソードを削った方がインパクトが増すと思います。
キャスト ミュージカル俳優も揃えていますが、芝居中心に偏ってしまったのが惜しまれます。殺陣をよく鍛えてあるようですが、歌と踊りが付け合わせでした。
ナンバー シンガーの技量の問題もあると思いますが、インパクトの弱いソングナンバーが並びました。メロディやリズムは佳く、殺陣シーンが映えました。
ステージ 基本セットになる街のセットが巧く作られていました。橋を渡した二階ステージや階段を上手に使って、活劇に十分なスペースを確保してもありました。僅かなセットの変更で酒場や屋敷を演出するなど、時代性の表現も良いです。総督邸が焼け落ちるシーンは凝りすぎですが、面白いです。シャッターを絞るように開閉する三枚幕の連携がユニークでした。民衆や貴族の衣裳もいい味が出ていました。
演 技 力 草刈は、一人二役で随分と苦労していたようです。忙しく駆け回る慌ただしい役回りですが、貫禄のある落ち着いた芝居も見せました。ただ、捻りすぎの口調は、相変わらず冴えません。は、宝塚の男役だったそうで、凛々しい女傑ぶりを発揮していました。立ち姿が綺麗で、動きに無駄がありません。
土居は落ち着いた芝居で、控え目の役回りでした(最近は弾けた芝居が多かったですが)。様々な小技も駆使し、アドリブも利かせる治田六角も楽しませてくれます。藤本も面白いですが、見せ場を貰いすぎという感じで、かなり諄いです。若い杉浦も頑張っていましたが、アシストが弱く可哀想です。
歌 唱 力 印象に残るソングナンバーはなく、義務的に唱われた感じがしました。にもっと心情吐露のナンバーがあれば、良かったと思います。杉浦は、歌唱のインパクトが弱く、冴えませんでした。
ダ ン ス 本物のサーベルを使ったという殺陣は、見応えがありました。背筋を張って唯一軍人らしかった、藤本が印象的です。の剣裁きも様になり、草刈が右手と左手を使い分けたのも見事です。ただし、ゾロとしての派手なアクションは、スタントマンを使っているのが分かりすぎて残念でした。
ダンスシーンは少なく、総督邸での舞踏会は雰囲気が出し切れず、物足りませんでした。杉浦らの乱入シーンは、構図だけ良かったですが。
総合評価 「音楽活劇」と名付けられた作品が斬新で、見せ場も多く、楽しめました。上演時間が長かったことと、ソングとダンスの力不足が惜しまれますが、色々なチャレンジもあって良い作品だと思います。リメーク再演されることを期待します。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
松竹演劇部
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