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ミュージカル作品紹介(第195回)
フ ォ レ ス ト
■劇  団 STEPS
■鑑 賞 日 平成12年11月11日(土) ソワレ
■劇 場 名 STEPS中野スタジオ(落合)
■料  金 全席自由�,500円(前売料金)

■脚本・演出 横山 由和    ■作曲・音楽監修 太田 美香
■歌唱指導 古川 恭子     ■振  付 紀元 由有
■音  響 長澤 康夫,八木 智子
■照  明 小川 修,横井 恵 ■衣  裳 神場 靖江
■舞台監督 小谷 武,山松 由美子
■制  作 千葉 豊,立原 秀一
キ ャ ス ト
男      (笠之坊 晃)   別の男    (木下  育)
オオカミ   (織田 和馬)   ゆうれい   (矢口 容子)
女      (紀元 由有)   女王/母親  (古川 恭子)
執事ほか   (平塚美佐子)   少女     (尾亦 康子)
番人/父親  (足立 龍児)               ほか
ス ト ー リ ー
 は目覚めると森の中にいた。森の番人という男から、王様の前で対決せよと言われる。また別の男から、私は君だなどと言われる。何となしに対決を目指す男は、憎しみを欲しがるゆうれい、華々しい対決を自慢するオオカミ、口の利けない少女に出会うのだった。森林鉄道に乗り、城を訪れたが、そこにはブタネコの女王しか居なかった。王様はどこに・・?
 男の夢の中で現れる、現世での記憶。妊娠を嬉しそうに告げた、作家業が上手くなく突き放した男・・少女の正体は・・?
コ メ ン ト
シナリオ 男が空想で生み出したという森のイメージが良く、しっかり背骨の入ったストーリーでした。やや冗長な会話もありましたが、練られており、分かりやすいです。臭みのない軽妙なギャグや、賑やかなシーンが取り入れられることで、重すぎない纏まり良いものでした。
キャスト
久方ぶりに見たSTEPS公演でしたが、メンバーが随分と入れ替わっていました。初めて観るキャストも、いずれも良く修練を積んでおり、芝居・ダンスに優れていました。まだまだ期待できそうです。
ナンバー ナンバーリストがありません。ソロは、紀元の唱う子守歌(?)、足立の唱うブルース(?)がまずまず。ほかはコーラスに何曲か良いナンバーがありました。
ステージ 稽古場の半分を客席に、残る半分をステージに改造した劇場でした。ビニールチューブをワイヤーのように天井から床へ張り巡らせた超シンプルなもので、正面後方にベンチのような段差付き台がありました。衣裳はよく作り込んであり、革製の鎧、執事や兵隊の服など凝っています。小道具は、王女の杖、剣の握りなど細部に拘ったものもありました。音響は音を拾えていると思えない床マイクでありました。
演 技 力
矢口は、表情豊かで細かい仕草もよく研究しています。ものすごく成長した印象を受けました。尾亦は大きく見開いた目を瞬きもせず、少しお腹を突き出してヨチヨチ歩く様が、よく研究されています。ステージのどこでも休みなく成りきっているのが良いです。平塚(佐)は、多彩な表情で面白おかしく、とくに執事役は優れものでした。
足立は、貧相な役柄も多いですが、衒いなく楽しそうに演じているところが良かったです。織田は、汗振り乱して熱演していましたが、ちょっと粗さが出てしまっていました。笠之坊は、上手いのですが単調なので、もう少しアクセントが欲しいです。
歌 唱 力 音入りがあまり良くなかったこともありますが、ソロではあまり良い声がありませんでした。コーラスは、それなりに唱っていましたが、口パクの人も目立ってしまいました。できれば、古川の美声が聞きたかったです。
ダ ン ス オリジナルな振付であり、動作がキビキビと揃うので、非常に気持ちのいいステージです。新しく見かけるメンバーも揃っているので、指導が行き届いているのでしょう。
森林鉄道、森のうさぎのナンバーが印象的でした。ラインダンスは、もう少し足の上がって欲しい人もありましたけれど。花畑から水に溺れるシーンまでのダンスは、間近でダンスを見たので、頭がクラクラしました(笑)。
総合評価 自前稽古場を改造しての劇場にしては、素晴らしい出来映えでした。それなりのチケット代を取る理由も納得できます。代表の横山氏が「舞台と客席の距離が無いというのは、出演者にとってもかなりやりづらいだろう。嘘の演技はすぐ見抜かれてしまうから。気の抜けるときが少しもない」とコメントしていたとおり、よく実行されていました。
今回で2回目の挑戦だそうですが、来春にも3回目が予定されています。

蛇足1>個人的な好みなので、ここでコメントします。笠之坊木下が延々と回文(タケヤブタヤケタとか)を言い合うシーンがありました。冗長ですが、その順番にもアクセントがあり、日頃耳にしないもの(オリジナル?)もあり、かなりハマリました。単なるベタギャグではない知的な遊びだと思います。執事の使う敬語とかも・・変ですが、好みです。
蛇足2>音楽監修の太田氏の兄君が、ポン太の職場の同じ部署にいらっしゃったことが判明。意外に世界は狭いと感じる今日この頃です。しかし先日に、電脳友の会の担当者とトラブルを起こして除名処分となったポン太は、もう稽古場公演を観に行けないのあります。シクシク。
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上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
STEPS
 事務所/東京都中野区東中野3−16−14   Tel:
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