ミュージカル作品紹介(第194回) |
レディ・ウィズ・ア・ランプ 〜聖女=フロレンス・ナイチンゲール〜 |
■劇 団 ザ・ライフ・カムパニイ ■鑑 賞 日 平成12年11月5日(日) マチネ ■劇 場 名 六行会ホール(新馬場) ■料 金 全席自由 S席�,000円(前売料金) ■脚本・作詞・演出・音楽構成 蕪木 陽青生 ■音 楽 すぎはら 文則 ■振 付 石川 久美子 ■衣 裳 三輪 利江 ■照 明 森下 泰 ■音 響 渋沢 栄三 ■美 術 平田 道則 ■歌唱指導 谷村 玲子 ■舞台監督 加藤 正信 ■後 援 日本赤十字社,ナイチンゲール看護研究会 |
キ ャ ス ト |
フロレンス (たにむら玲子) ハーバート(おおしたよし勝) ブレースブリッジ(みやした陽子) ホール (佐藤 裕一) ブリッジマン (宗田 靖子) ほか多数 |
ス ト ー リ ー |
クリミア戦争の従軍看護婦として派遣されたフロレンスは、下級兵士の付添婦という看護婦のあり方に疑問を提示すると共に、イギリス陸軍兵の健康に関する組織改革に取り組んだ。一方で献身的な看護が、現地看護婦や兵士の共感を呼び、帰国後も大いに活躍を助けられるようになった。しかし彼女の介入を快く思わない、軍医ホールや尼僧長ブリッジマンらの妨害もあるのだった。 国務大臣のハーバートを味方に付け、女王陛下に拝謁することも叶い、ようやく法制度的にもフロレンスの目標実現に近づくかと思われたが・・。 |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ☆ | 赤十字社の創始者として知られるナイチンゲールが、意外にも英国陸軍改革などに熱心だったという側面を描く作品です。従軍時にすでに31歳であった彼女は、政治家を巻き込んで孤軍奮闘し、理論的に統計的に改革を推し進めていったのだそうです。 会話はやや重く冗長気味なので、上演時間も長いのですが、内容的に優れています。 |
キャスト | ◎ | あまり代わり映えのないキャストでした。枚作の構図が似てきています。 |
ナンバー | ○ | モノローグ調のコーラスナンバーが多く、歌い方の問題でもあると思いますが、あまり印象に残りません。 |
ステージ | ◎ | かなりシンプルな構成です。フロレンスの部屋については、英国の中堅階級らしい調度品を揃え、絨毯などにも拘りを感じます。また当時に相応しい看護服を一式揃えていることには驚きました。兵士の服は、いささか安っぽさが目立ちましたが・・。照明はやや暗めで、絵としては映えません。 |
演 技 力 | ◎ | たにむらの気怠げなフロレンスは、いい雰囲気が伝わります。おおしたのハーバートは演技過剰なのか、会話が訥々としすぎて聞き疲れします。楽演ということと関係があるのか、出演者の多くが肩に力の入った堅い演技をしていたようです。全体的に真剣さが伝わってくるステージなので、良かったと思いますが。 |
歌 唱 力 | ◎ | 声楽風に気品高く唱うのが、この劇団のコンセプトであるようです。残念なことに、この歌い方はモノローグ調の歌詞には苦しいです。歌い方を柔らかく変えるのか、ナンバーを変えるのか、いずれかにして頂けると、観客としても聞きやすいのですが・・。 |
ダ ン ス | ○ | 前作や前々作と比べると、派手なダンスナンバーが減ってしまいました。全体的に迫力を欠いてしまいます。 |
総合評価 | ◎ | 中国モノから転じて、ナイチンゲールでした。「平和」「生命」「反戦」が劇団のテーマのようですので、今後もあまりミュージカル界で取り上げられないジャンルの開拓をしてくれることに、期待します。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
ザ・ライフ・カムパニイ 事務所/横浜市港北区日吉1−25−8 Tel:0 |
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