ホームページも開設した劇団四季は、2000年を大きな区切りとして、何か変わろうとしているようです。オリジナルミュージカルへの梃子入れを始め、若手への権限委譲も進んでいると聞いています。どうなるのでしょうか?
変わるオリジナル作品
外目には1999年の四季と、2000年の四季はそう変わらないと感じていました。しかし、フレンチミュージカル「壁抜け男」の輸入は大きな方向転換であると思います。また、オリジナルミュージカルに大幅な変化が見えています。
3年前に観た「夢から醒めた夢」が大きく成長して、「夢から醒めた夢2000」にチェンジしました(註:2000は勝手に付けました)。ロビーでパフォーマンスを見せたり、イントロで派手なサーカスを見せたり、配達人が客席通路で正体を明かして語り始めたり、全体にすっきりしたストーリーに仕立て直しています。
また「二人のロッテ2000」でも、双子の女優を主演に据えており、この二人の技量が非常に優れていることもあって、すっきりした味わいに仕上がっていました。「雪ん子」などもパワーアップしているそうで、来年早々が楽しみです。年末には「ソング・アンド・ダンス」の新バージョンもアップされます。
変わるプログラム
プログラムの充実度も上がっています。3年ほど前にあった、入場時に配られる薄いパンフレット(プレイビル擬き)の配布は無くなり、販売プログラムの内容が充実しています。たしかに、愚にも付かない評論家のコメントもありますが、作品や四季の動向を説明した有益な情報もあり、ファンの目を楽しませる写真なども増えています。
数曲に限られるものの、ナンバーの歌詞や楽譜が掲載されるようになりました。キャストの説明が写真入りで詳細になりました。これまで不明だった当日キャストは、別途HPなどで確認できるようになりましたし・・。事前にプログラムを購入できるので、これを参照すれば、予習がしっかりできますね(笑)。
とくにスタッフ紹介は詳細に成りました。昔なら、台本・演出・・・などが全て慶太さんだとしか分からない情報でしたが、最近の充実度は目を見張ります。また初期メンバーからも入れ替わりがあり、常に手を入れていることが分かるように成っています。また慶太さん以外のスタッフにスポットを当てた記事が目立ちます。
大胆な権限委譲?
HPの立ち上げでも、若手の活躍が伝えられていました。最近の作品でも、若手の台頭が紹介されています。劇団も大きくなったことですし、何でも慶太さん一本でなく、広く権限委譲が進められているのかも知れません。事実であれば、良い方向でしょう。
また2000年の作品は、福岡劇場発というのが多かったようです。東京でヒットした作品を地方で巡業するスタイルを止めて、福岡で試行してダメ出しもし、こなれたら東京へ持ってくるパターンを作りつつあるのかも知れません。ブロードウェイ作品にしては珍しく、「クレイジー・フォー・ユー」にも手を入れたそうですが、これは東京に上がってきませんでした。
四季の占有劇場が増えたにも関わらず、後に続くブロードウェイ作品を輸入できない状況が、やや手詰まり感です。有名な作品は、ジャパンツアーで続々上陸しますが、一過性の話題で終わっているため、息を長く続けられる良作が減っているようです。ここは思い切って、オリジナル作品の開拓へと頑張って欲しいと思います。
変わる劇団四季。もっともっと変わるといいなぁ、と思います。チケットはもう少し安くして欲しい。でも取得しやすい工夫が欲しいです。定点公演の期間をもう少し長めにして、できれば「夏」か「冬」劇場を作って、定点公演をもう一劇場でやって欲しいです。「エビータ」なども再演しましょう。
- 最近は会員サービスとして、来場記念品やスタンプノートを配布していたりします。
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