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ミュージカル作品紹介(第198回)
夢から醒めた夢2000
■劇  団 劇団四季
■鑑 賞 日 平成12年11月12日(日) ソワレ
■劇 場 名 四季劇場[秋](浜松町)
■料  金 全席指定�,400円(会員前売料金)

■原  案 小説「夢から醒めた夢」(赤川次郎作)
■演出・台本・作詞 浅利 慶太
■台本・作詞 奈良 和江    ■作  曲 三木たかし,宮川 彬良
■振  付 加藤 敬二,謝 珠栄
■照  明 吉井 澄雄     ■装  置 中川 香純,土屋 茂昭
■衣  裳 大栗 未来     ■編  曲 佐橋 俊彦,三宅 一徳
■音  響 高須 賀泰     ■音楽進行 鎮守 めぐみ,土橋 望
■舞台監督 宮沢 勝大     ■舞台進行 木村 聡,田代 嘉弘
キ ャ ス ト
ピコ    (保坂 知寿)    マコ    (木村 花代)
マコの母  (末次美沙緒)    メソ    (道口 瑞之)
デビル   (光枝 明彦)    エンジェル (鈴木 涼太)
ヤクザ   (野中満寿夫)    暴走族   (坂本  剛)
部長    (広瀬 明雄)    老人    (立岡  晃)
老婦人   (齊藤 昭子)    夢の配達人 (下村 尊則)
                            ほか
ス ト ー リ ー
第9回を参照。
コ メ ン ト
シナリオ 2000年に大胆に手を入れたと聞いて、観に行った甲斐がありました。オープニングが大きく変わったほか、会話も練り直された部分があったようで、全体にすっきりしました。同じ会話でもキャストの語り口で大きく印象の違うことが分かりました。
キャスト 2年前とあまりキャストは変わっていませんが、マコ親子が代わり印象がかなり違っていました。
ナンバー ナンバー構成も見直しがあったそうです。「愛をありがとう」は良いナンバーです。歌い手の技量アップで、「行かないで」「二人の世界」も印象づけられました。
ステージ
遊園地の演出が派手で多芸なシーンに変えられたのが印象的です。イルミネーションで誤魔化していた旧作に比べて、曲芸なども盛り込んで迫力がありました。全体にシーンを長くして、マコとの出会いに直結させたことも評価できます。エアポートは、天使と悪魔の彫像がリアリティを増して存在感があり、投影スクリーンもすっきり変えられた印象です。衣裳もサーカスを中心に高いグレードです。
演 技 力 保坂は、少しパワーダウンしているようで、残念です。科白口調に若々しさが伝わってきません。道口のレベルアップとは対照的な印象です。光枝は、毒々しさを少し落としてあり、その代わりに言い回しに工夫が入ったようです。役柄毎にカラーを変えられる名優です。末次の「行かないで」のシーンは迫力がありました。
歌 唱 力 保坂が全体的にパワーダウンした印象で、セーブされた声が非常に惜しいです。木村と声質が合わないのは旧作以上に感じますが、高音は非常に美しいものでした。末次の感情がずっしり籠もる歌声に感動しました。下村は美しさよりも量感を重視した歌い方をして欲しいです。
コーラスが調和良く、子供役たちの声も美しく通りの良いものでした。
ダ ン ス 保坂は派手なダンスが大幅にカットされており、地味な立ち回りに変わっていたのが残念です。跳ね回る軽妙な動きが、旧作では印象的だったのですが・・。ヤクザ・部長・暴走族のダンスは、もう少し改善されても良いと思います。このシーンだけ取り残されている印象です。
総合評価 福岡公演を機会に大幅な改変が行われたそうで、完成度が格段にアップしていました。四季の定点向けミュージカルでは、李香蘭と並ぶ貴重なオリジナルだけに、今回のレベルアップは嬉しいです。観客の評価も高く、年末までの延長が決まっています。
また今年からの試みということで、開演前にサーカスメンバーによるロビーパフォーマンスを導入し、女性客に人気がありました。客席通路や開演前のステージでのパフォーマンスも楽しませてくれます。今後の発展にも期待します。

蛇足>四季では、2000年を機会に、「雪ん子」「ふたりのロッテ」「夢から醒めた夢」などオリジナル作品に大胆な変革を加えたそうです。旧作とは違うという意味で、「2000」を勝手に付加しました。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
劇団四季
 事務所/横浜市青葉区あざみ野1−24−7  Tel:
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