ミュージカル作品紹介（第９回）

夢から醒めた夢1998

■劇　　団　劇団四季 ■鑑 賞 日　平成１０年１月１３日（火）　ソワレ ■劇 場 名　郵便会館メルパルクホール（浜松町） ■料　　金　全席指定　Ｓ席7,000円（会員割引） ■原　　案　小説「夢から醒めた夢」（赤川次郎作） ■演　　出　浅利　慶太 ■台本・作詞　浅利　慶太、奈良　和江 ■作　　曲　三木　たかし

キ　ャ　ス　ト

ピコ　　　　（保坂　知寿）　　　　マコ　　　　（堀内　敬子） マコの母　　（村田千嘉子）　　　　メソ　　　　（道口　瑞之） デビル　　　（光枝　明彦）　　　　エンジェル　（古谷　直通） ヤクザ　　　（野中満寿夫）　　　　暴走族　　（阿久津陽一郎） 部長　　　　（広瀬　明雄）　　　　老人　　　　（立岡　　晃） 老婦人　　　（齊藤　昭子）　　　　夢の配達人　（山口　正義） 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ほか

ス ト ー リ ー

夢多き少女ピコ。夢に現れた夢の配達人は、霊界や死後の世界を覗いてみたいという彼女の希望を叶えてくれた。遊園地でのパレード、ゾンビやスケルトンとのダンスで歓迎を受けた後、幽霊少女マコに出会った。急な自動車事故で死んでしまったマコは、残された母親に一言詫びたいという 　ピコはマコに身代わりを申し出て、１日だけ身代わりを務めることにした。ピコが到着したのは霊界エアポート。デビルとエンジェルという二人の審査官が持つそこでは、軽い悪事を犯した灰色パスポートを持つ人々が働いていた。ふとした油断から、マコの白色パスポートを誰かに灰色にすり替えられてしまう・・・

コ　メ　ン　ト
シナリオ	◎	赤川次郎の原作と言うことで少し不安がありましたが、本作も初演から10年目を迎えて、原作とは異なる次元で完成を見たようです。原作本は読みましたが、サッパリ場面展開が分かりませんでした。
キャスト	◎	保坂と堀内は図抜けた感じがしましたが、残りのキャストはパッとしませんでした。影が薄いというのかどうか・・・
ナンバー	○	「愛をありがとう」は良いナンバーですが、あまり印象に残るものはありませんでした。
ステージ	○	一幕はめくるめくイルミネーションや派手な舞台装置が次々に登場しますが、二幕はエアポートのイメージがまあまあ落ち着いていました。しかしゴテゴテ趣味ですね・・・。照明や幕を生かして創り出す幻想的雰囲気だけは☆です。
演 技 力	◎	初演からずっと持ち役だという保坂は、堂々としたプレイを観せてくれました。独特のセリフ回しも素晴らしいものです。光枝のオカマ悪魔も凄みが入って面白いものでした。山口もなかなかです。
歌 唱 力	◎	保坂の天井を突き抜けるような歌声は実に素晴らしかったです。堀内の歌声も良いのですが、二人のコーラスは何となく調和しなくて、イライラしてしまいました。声質の違いでしょうか？
ダ ン ス	◎	保坂のダンスは、元気いっぱいで目まぐるしいです。とくに一幕では休みなくダンスを観せてくれますとくにタップと人形の首のキャッチボールが楽しいです。
総合評価	○	保坂一人で持っているような作品でした。四季オリジナルミュージカルですが、シナリオの物足りなさとナンバーの迫力不足に加えて、やはり元気のないキャストの存在が問題です。10年目を迎えたそうですが、一層の内容充実に期待をかけたいです。 蛇足１＞周辺に四季の非番の団員達が大勢観劇していたのもその証拠。そして真後ろには芥川英司さん（李香蘭の杉本役、美女と野獣のビースト役）が座っているのに気付いて、思わず握手を求めてしまいました。私は、結構ミーハーだったのだなぁ。 蛇足２＞夢から醒めた夢は2000年に大きく内容が変わりました。「夢から醒めた夢2000」をご覧下さい。
上記コメントはポン太の主観＆独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア　ク　セ　ス
劇団四季 　事務所／横浜市青葉区あざみ野１−２４−７　　Ｔel：