ミュージカル作品紹介(第325回) | ||||||||||||||||||||||||
天 狗 の か く れ 里 | ||||||||||||||||||||||||
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キ ャ ス ト | ||||||||||||||||||||||||
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ス ト ー リ ー | ||||||||||||||||||||||||
勉強ダメ運動ダメの現代っ子マコトは、山村に住む婆ちゃんを一人で訪ねることになった。従姉ミカに出迎えられたが、その夜、彼女の父が猪の長介に襲われ運び込まれた。一矢報いようとするミカに、助太刀させられるマコト。二人は、婆ちゃんに禁止された「天狗の結界」へ侵入し、天狗に拐かされてしまう。大天狗が言うには、天狗の術を修得するまで村へ帰れないらしい。。。 村では警察・消防隊の捜索が続けられるが、手がかりなし。着倒したマコトの両親たちを、嘲笑う天狗たち。天狗が相手なら、むしろ安心だと語る村人たち。大天狗の弟子モルチンやツバテンの助けを借りながら、天狗岳を登らされる二人。自然との接し方を学び、自分の足で歩き、自分の手で登る訓練を積んでいく。元気と勇気の出る「天狗のうた」を唱いながら。 |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ☆ ☆ |
人気作「瓶が森の河童」の続編作品だそうです。同じ架空の森を舞台にした、全く別のファミリー向けストーリーですが。外国人を弟子に取る大天狗、天狗囃子などの天狗伝承、ひ弱な現代っ子、地球温暖化問題、猪の哀願・・変わった題材を組み合わせて、独特の世界観を作っています。唯一の難点は、終盤に入っての大天狗のお説教。子供達たちには、最後の最後で、メッセージが伝わらなかったのでは・・? |
キャスト | ☆ | 田舎を題材にすると、俄然巧くなる劇団です。今回は、マコトとマコト父を客演で迎えていました。並列上演作品が増えてきて、プロパーだけでは手が回らないようです。 |
ナンバー | ◎ | 別売りプログラムがなく、ナンバータイトルは不明です。 「天狗のうた」は、意味不明な天狗語バージョンと、日本語バージョンが唱われました。呪文のような天狗語は、日本語の文字順を入れ替えただけの不揃いなアナグラムでした。 リズミカルなダンスナンバーが多く、下座バンドの唱うソングナンバーも数本ありました。今回は、ホラ貝に和太鼓まで添える多様ぶりでした。 |
ステージ | ☆ | カクテルライトに煌めく紗幕が綺麗でした。背景に天狗岳と東京ビル街をあしらった、秀逸なペイントがありました。フリークライミング用の岩棚もよく出来ています。 天狗の面は、人間風なものが加わり、趣を増しています。人間が化けるという設定のため、衣裳や道具も人間臭く変わっています。猪の頭は佳いものの、キツネは物足りません。プロジェクターによるアニメーションや、ブラックライトによる輝く昆虫・野鳥など、子供受けする効果が多用されていました。 |
演 技 力 | ☆ | お侠でキビキビ行動する北澤は、方言を使うものの都会的です。理屈の多い小学生の五味は、ダメぶりが上手いです。脚本の冴えもありますが、面白いコンビです。 厳しく意地悪な真壁、優しく大らかな五城目、親しげで夢を教える内山、最後には英語で話すフレイザーなど、天狗達のキャラが立っています。むしろ天城の変声がキンキンし過ぎて、勘に障ります。子供向けには、厳しいでしょうか。 ついには子供に化ける母の税田、ちょっとずれてる父の大野、老婆役が板につく石田などベテランが揃っていました。 |
歌 唱 力 | ◎ | 「天狗のうた」をコーラスで唱うと壮観です。カーテンコールでも熱唱していました。五味は、あまり歌えないようです。 お馴染みになった下座バンドは、狂言回し・合いの手を入れながら、ソングナンバーまで唱っていました。 |
ダ ン ス | ◎ | 天狗のダンスが中心でした。オープニングと、天狗登場の舞と、猪解体の舞が印象的です。「天狗のうた」の振付は、前作に較べると味気ない感じです。 |
総合評価 | ☆ | 前作に続き、面白い天狗モノです。自然を愛するというメッセージを織り込んでいますが、アクの強さが気になります。旧来の棚田保存を訴えた作品より、随分と良くなっています。 蛇足>近頃の「ふるきゃら」は、垢抜けてきた印象が強いです。作・演出家が変わらず、ここまで変貌するのは、立派だと思います。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
劇団ふるさときゃらばん 事務所/東京都小金井市本町6−5−3 Tel:0423-81-6721 |
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