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ミュージカル作品紹介(第203回)
瓶ケ森 の 河童(しばてん)
■劇  団 劇団ふるさときゃらばん
■鑑 賞 日 平成12年12月16日(土) マチネ
■劇 場 名 西新井文化ホール(西新井)
■料  金 全席指定 S席2,700円(前売料金)

■脚本・演出・作詞・装置 石塚 克彦,天城 美枝
■振  付 小澤 薫世      ■作  曲 寺本 建雄
■音  響 石川 司,中村 美香 ■照  明 田中 暢,林 大輔
■舞台監督・装置 ユージン 原  ■監  修 ひらつか 順子
■衣  裳 毛利 美穂,石田 里花■制  作 大内 義信,劇団制作部
■バ ン ド 上條 千尋,粂井 麻里
キ ャ ス ト
小六    (三橋 寛子)    名無し   (真壁 宗英)
ゲンゴロウ(五城目大五郎)    ルミコ   (坪川 晃子)
婆っぱ   (石田 里花)    おヨネ   (川上 智子)
シバ天   (税田 幸子)    ガ太郎   (山下 牧子)
チバ    (向井 正俊)    チエ    (CHACO)
アナヤマ  (大野 一夫)                 
ス ト ー リ ー
 原生林が残る瓶ケ森。深い森の奥には、河童が住むというケエラズ沼があると伝わっている。漁師のゲンゴロウは、ある夜に高熱に魘されて床についた。息子の小六は、河童に秘薬を貰おうと森に入ったのだった。森に住む名無しの助けを借り、河童のガ太郎との相撲に勝った小六は、無事に薬を貰って帰ることができた。
 瓶ケ森に父親を捜しに来たチエと、その夫となるTV局員チバ。河童が実在することを聞きつけて、ガ太郎を捉えることに成功。TV局を呼んで大出世と喜ぶが、気象は乱れ山道は塞がれてしまう。そして・・。
コ メ ン ト
シナリオ 会話がよく練られてあり、それなりにヤマ場もあり、子供にも分かりやすい、良いストーリーでした。森の神との会話だけは、いささか諄い印象を受けましたが、一番主張したいポイントでもあるので、仕方がないかも知れませんね。ルミコが川辺で歌うシーンと、名無しとチエの対面シーンは冗長かも知れません。
キャスト カントリーもので定番になったメンバーが多く、安定した良い演技力を発揮しています。歌唱面の苦しさは相変わらずですが・・。
ナンバー 河童のうた」はバカバカしい歌詞に味がありますが、子供受けするかどうかは微妙な印象です。コーラスはまずまずですが、ソロが物足りません。
ステージ
安手なセットにも関わらず、田舎の雰囲気がよく出ています。場面転換が素早くできる工夫が見て取れます。河童の装束は拘りを感じます。能面師に作らせたというテカテカ光る河童面は、口がカクカク動き不気味さと滑稽さを見事に表しています。名無しや梟(ナレーター)の衣裳もよく追究されています。また、終盤の影絵も動きがあり、楽しめました。
演 技 力 三橋は、元気な男の子を演じていましたが、終演後の送り出しまで女性と気づかなかったほど、自然な少年役を演じていました。真壁の山人は、成りきりの演技で素晴らしいと思います。向井やCHACOの俗物ぶりが堂に入って、オーバーアクションながら良い雰囲気です。
山下税田の河童は、動作もよく研究された印象で、熱演でありました。狂言回しの梟(キャストは不明)が、面白い語り口調で楽しめました。
歌 唱 力 粂井がバンドと平行してコーラスを入れていて、まずまずでした。キャストでは、坪川がそれなりに歌いますが、魅せるほどにはありません。歌唱面での強化を望みたいところです。
ダ ン ス 山下税田の「河童のうた」は、滑稽な振りが面白いです。面を着けてのダンスなので難しいと思いますが、もう少し二人で揃うと、魅力がアップするでしょう。フィナーレのダンスは、動作がバラバラで、やや見苦しい印象でした。
総合評価 子供向けとして、非常にバランスの良い作品だと思います。河童を通して自然の大切さを訴えるというスタンスも、共感を覚えます。時間も長すぎず短すぎずですが、もう少しエピソードは整理して1幕物になった方が、纏まりも増すかな、と感じます。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
劇団ふるさときゃらばん
 事務所/東京都小金井市本町6−5−3    Tel:0423-81-6721
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