ミュージカル作品紹介(第313回) | ||||||||||||||||||||||
猫 の 遺 言 状 | ||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||
キ ャ ス ト | ||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||
ス ト ー リ ー | ||||||||||||||||||||||
幼いシマタロウとクロコを連れて流れてきたゴールド。孤高を保とうとするが、子連れでは難しい。昔馴染みの寅次郎とミケを頼るものの、結局は人間から餌を貰うことになる。長男のシマオが帰ってきたが、半人前のシマタロウを連れて出てしまう。さらに反抗期のクロコが、悪者ホワイトソックスに誑かされた挙げ句に、死んでしまう。孤独に苛まれるゴールドは生きる気力を失ったかに見えたが・・。 人間くさく描かれた、野良猫の物語第2弾。 |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ |
旧作「ゴールド物語」の中盤以降を膨らませて再構成した作品でした。最後まで「遺言状」は登場せず、タイトルの意図が分かりませんでした。 シナリオ的には一層難解になった印象で、青少年教育のためを唱うには、いささか説教臭くケレンが多いです。客層には小学生低学年近い子供も多く、幕間に質問を連発していたりしました。 |
キャスト | ○ | 看板女優稲垣が体調不良で出演中止とのことでした。旧作に続く、春日がゴールドを演じました。アマチュア色の強いキャストが多くなり、若干のレベルダウンを感じました。 |
ナンバー | ◎ | 繰り返し唱われる「時は流れて」は良いナンバーでした。しかし、ソロナンバーはレトロなものが多く、印象に残りませんでした。ダンスナンバーはバリエーションが増え、魅力が増していました。 |
ステージ | ○ | 旧作の立体的なセットを踏襲しているようでしたが、ステージ手前に広い空間を作るよう変更されていました。猫の衣裳は、人間臭さを残した着ぐるみ系でした。 |
演 技 力 | ◎ | 春日の立ち回りが旧作同様に良かったです。宮本や石丸も味のある悪役を演じていました。若手キャストの芝居は半端なものが多く、流れが悪くなったシーンが何度かありました。ファミリー向けであっても、一定のレベルが欲しいです。 |
歌 唱 力 | ○ | コーラス曲の「時は流れて」は良かったですが、とくに印象に残るシンガーもありませんでした。 |
ダ ン ス | ○ | 着ぐるみに制約を受けるのかも知れませんが、印象に残るダンスがありませんでした。猫同士の格闘シーンも、緩慢な動きばかりで冴えません。石丸は、かなり殺陣をこなすはずですが。 |
総合評価 | ○ | シナリオに最大の課題があると思いますが、客層とのミスマッチが気になります。少年層には難解でとっつきにくく、青年層には単調で詰まらない出来映えだと思います。上演時間が長い割に、同じ構図が使い回されたり、冗長な会話で引っ張るなど、子供が退屈しそうなシーンが多々見られました。 伝統のある劇団だけに、新作に拘らず旧作をリメークして完成度を上げる努力をした方が良いかも知れません。青少年教育を前面に打ち出す以上は、若者に感動を与える作品として欲しいです。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
||
ア ク セ ス | ||
劇団目覚時計 | ||