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ミュージカル作品紹介(第280回)
ミュージカル 半神
■劇  団 りゅーとぴあ
■鑑 賞 日 平成14年4月6日(土) マチネ
■劇 場 名 サンシャイン劇場(池袋)
■料  金 全席指定    円(前売料金)

■原  作 ストレートプレイ「半神
 原案・脚本:萩尾 望都
 脚本・演出:野田 秀樹
■プロデュース 笹部 博司    ■演  出 山崎 清介
■構成・作詞 岡本 おさみ    ■作曲・音楽監督 笠松 泰洋
■振  付 内堀 照子,館形 比呂一
■美術・衣裳 岡本 謙治     ■照  明 山口 暁
■音  響 豊口 謙次      ■衣  裳 友好 まり子
■歌唱指導 西潟 明美      ■舞台監督 堀 吉行
キ ャ ス ト
先生/老数学者(安寿 ミラ)   老ドクター  (谷垣 茂彦)
シュラ    (坂井 涼子)   マリア    (藤井 美菜)
父      (坂上 光紀)   母      (真木美智代)
スフィンクス (佐々木 拓)   ハーピー   (福島 美穂)
ユニコーン  (高橋 紅緒)   マーメイド  (河内 大和)
ガブリエル  (真保しのぶ)             ほか多数
ス ト ー リ ー
 家庭教師に雇われた先生は、体の一部が繋がった双子シュラマリアに出会った。先生の祖父は、有名な老数学者であった。五次元の世界を探求し、渦に手がかりを見つけた日から・・ボケ老人に変わってしまったのだが。三人の出会った日から、ユニコーンマーメイドなど面妖な怪物たちが蠢き始めるのだった。
 双子が共有するシュラの心臓は、負担の限界が来ている。老数学者の弟老ドクターが現れ、双子を切り離す手術を行う。医術では一人が死ぬ。しかし、数学では二人とも生かせるというが・・。螺旋と霧笛をキーワードにした、パラドックス。
コ メ ン ト
シナリオ 老数学者による意味不明な会話、怪物達と繰り広げる謎掛け、意図的に絡ませた伏線ばかりで頭が痛くなります。しかし作品の本質は、最後まで明かされない、暗さ不気味さにあるようです。
キャスト アンサンブルをその他大勢に位置づけることで、キャストの重みを明確にしてありました。サブの妖怪たちも、個性を持たせつつ集団性を与えてあり、バランスが良いです。
ナンバー シナリオ同様に、難解で怪しげなナンバーが並んでいます。
ステージ おが屑らしい砂場があり、椅子を組み上げた灯台オブジェがありました。必要最小限の小道具によるシンプルなセットでした。衣裳は、アンサンブルの文様を刻んだシンプルなもの、妖怪たちの分かりやすいワンポイントが良いです。
演 技 力 安寿の演じる凛々しい先生と、剽げた老数学者の演じ分けが面白く、早変わりも見所です。前作では主役を演じた坂井の振る舞いがよく、強い気迫が伝わってきます。藤井が終盤に見せる怪しげな表情も見事です。
妖怪たちの中では、お茶目な高橋と、お釜な河内が面白く、見せ場を作ります。坂上真木の夫婦は、無表情の凄みがあります。
歌 唱 力 コーラスに力がありましたが、歌詞の問題もあり、冴えないものが多いです。歌唱とは言えませんが、複数人で同じ台詞を重ねるシーンが何度かあり、ハモらずに揃うのが面白いです。
ダ ン ス 妖怪達やアンサンブルによる怪しげなダンスが見物です。大きなモーションを伴うものの、美しさよりも怪しさが漂います。
総合評価 りゅーとぴあの意欲作第二弾です。怪しさを主題にしており、娯楽性の少ない路線を選んでいます。群舞の用い方が巧く、シンメトリックな集団運用が映える印象です。次回新作にも期待します。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)
 事務局/新潟県新潟市一番堀通町3−2   Tel:
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