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ミュージカル作品紹介(第217回)
フ ァ デ ッ ト
■劇  団 りゅーとぴあ
■鑑 賞 日 平成13年3月24日(土) ソワレ
■劇 場 名 世田谷パブリックシアター(三軒茶屋)
■料  金 全席指定�,000円(前売料金)

■原  案 小説「愛の妖精」ジョルジュ・サンド作
■翻  訳 宮崎 嶺雄      ■演  出 栗田 芳宏
■音  楽 宮川 彬良      ■作  詞 岡本 おさみ
■脚  本 菊池 准       ■振  付 内堀 照子
■美  術 朝倉 摂       ■照  明 塚本 悟
■音  響 松本 哲志      ■歌唱指導 北川 潤,西潟 明美
■舞台監督 やまだ てるお    ■監  修 笹部 博司
キ ャ ス ト
シルビネ   (岸田 敏志)   妻      (久野綾希子)
ランドリー  (谷垣 茂彦)   ファデット  (坂井 涼子)
マドレーヌ  (坂上美奈子)   ジャネー   (石村 恵美)
父      (荒井 和真)   母      (長谷川芳子)
息子     (住田  彩)               ほか
ス ト ー リ ー
 軍隊を退役し、息子に囲まれて過ごすシルビネ。過去の世界を彷徨い狂気の振る舞いをする夫を憂え、彼が焼こうとした日記を読み進む妻。そこには、双子の弟ランドリーとの睦まじい生活が綴られていた。ある日、弟を試そうと森に迷いこんだ彼は、ファデットの教えに従った弟に発見された。しかし、それを機会に弟が遠い存在へと変わっていく。
 ファデットは、娼婦の娘。体の不自由な弟と暮らし、村の人々からは薄気味悪がられている。しかし、ランドリーの愛情に応えようと頑張った彼女は、ついに結婚へ。いつしか自分もファデットを愛していたことを知ったシルビネは、軍隊を志願した。双子は幸せになれないという迷信を信じていた彼は、自ら死を望んだのだが、村が戦争で全滅してしまった。村に過去を残してきた、退役後の彼は抜け殻で・・・。
コ メ ン ト
シナリオ 現在と過去が絡まり過ぎなのが気になりますが、終盤に近づくに従って全容が分かってくる、見事な筋立てでした。宗教色があり、スケールの大きい、良いシナリオだと思います。オフブロードウェイ級です。
キャスト メインは演技派でした。アンサンブルは70名近い大人数でしたが、集団としての美しさを追求してあり、違和感がありませんでした。コーラス・ダンスに良さがありました。
ナンバー 声楽的に美しいナンバーが、多くありました。「明日の朝、神様がいらっしゃるよ」「ジャンボーの森で眠る」がとてもお奨めです。
ステージ 湾曲した階段ステージで、板材を張り合わせて廃墟らしい雰囲気が出ています。中央下段に登退場口、中段に楽団、上段は2階ステージです。全体に暗く、スモークとライトの組み合わせでやや単調な演出です。グリーンのトーチを振り回して踊るダンスには良く映えます。衣裳は、地味な村人風でした。
演 技 力 岸田の狂気の籠もった演技は、凄みがありました。久野のナレーションは良かったですが、やや単調でした。坂上の毒々しい演技も気に入りました。坂井はやや作りすぎた印象で、惜しいです。子役も良い演技で、全体にレベルが高いです。
歌 唱 力 コーラスがとても迫力を持っていて、素晴らしかったです。声楽的過ぎるのが、やや不満なところですが、完成度を高めています。ソロも良かったです。坂井にも久野にも、もう少し長いソロが欲しいです。
ダ ン ス トーチを掲げ、リズム良く振り回す「鬼火」が、壮観でした。立ち位置に不揃いがあったものの、動きはよく揃っています。「」の群舞もそれなりに綺麗でしたが、位置づけがやや不明でした。
総合評価 地方劇場が企画した作品で、完成度の高い佳作です。原作の選択が良く、脚本の纏まりも良いです。集団の力が伝わってきますが、やはり多すぎる感は否めません。ナンバーのリプライズを少し減らし、数シーンを膨らませて二幕構成とすれば、さらにグレードが上がりそうな印象を受けました。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)
 事務局/新潟県新潟市一番堀通町3−2   Tel:
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