ミュージカル作品紹介(第266回) |
BROKEN HEART |
■劇 団 T2 project ■鑑 賞 日 平成14年2月2日(土) ソワレ ■劇 場 名 博品館劇場(新橋) ■料 金 全席自由�,500円(前売料金) ■脚本・演出 友澤 晃一 ■作曲・音楽監督 玉麻 尚一 ■美 術 金井 勇一郎 ■照 明 山田 茂 ■音 響 実吉 英一 ■衣 裳 金井 ひろみ ■舞台監督 久保 年末 ■制 作 村田 晴美 |
キ ャ ス ト |
未来 (坪井美奈子) メイ (渡辺 健) 大輔 (tekkan) ほのか (広橋 佳以) 夏美 (秋野ひとみ) 萌 (前田 海里) 玲奈 (高橋 花衣) 黒見 (笠之坊 晃) 左海 (小林 仁) 橘 (恵須川裕志) |
ス ト ー リ ー |
未来が入院した病院へ見舞いにやってきた、バンド仲間の大輔。看護婦が手遅れの患者の話をしていたと大声で話し、自分のことかと疑う患者たちを心配させてしまう。肺ガン患者の橘、失明失聴の黒見・・他の患者も心当たりがあるらしい。人間不信のメイに興味を持ち、同情心からか平仮名を教え始めた未来。中国で両親に捨てられた彼と、少しだけ心を通わせる。 脊髄損傷で下半身不随であることを、未来はメイから知らされる。軽い神経障害と信じていただけに、ショックが大きい。大輔はバンドの夢を捨てられず、ほのかと去っていく。メイが贈ってくれた詞を読み、その気持ちに気づいた未来だったが・・。 |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ | 一流シナリオライターの作だけに、良くできています。ありふれた病院ネタにやや強引な患者たちの言動を絡めただけで、手慣れた作品という印象です。メイの設定には、かなり苦しいところもありました。 |
キャスト | ○ | 舞台歴のあるキャストが多いですが、子役系とシンガー系でした。演技をそれなりに研究していますが、キャスティングが今一つです。 |
ナンバー | ◎ | 全てがカタカナナンバーでした。メロディは綺麗であるものの、ソングはカタカナ混じりの聞き苦しいものでした。不必要に日本語と英語を絡めると、キャストの感情移入も苦しいようです。 |
ステージ | ◎ | コンクリの廃墟をイメージしたようなバックに、ポールの間にテープを張り巡らした通路、ちょっとしたステップがありました。中央に毒々しい赤色の木のアクセントがありました。全体にはシンプルです。 |
演 技 力 | ◎ | 本格派の俳優が混じらないため、全体に締まりがありません。不必要にシリアスであったり、棒立ちが目立つなど、不自然でした。各キャラクターが自分の個性を明確に打ち出す必要があると思います。 渡辺は、よくなり切っていましたが、坪井がオーバーアクションで噛み合わない印象でした。 |
歌 唱 力 | ○ | ソロでは文句なしに巧いです。カタカナ部分を除いては、上手に自分の歌にして唱い込んでいる様子でした。しかし、デュオやコーラスになると、思い思いの勝手な唱いぶりで調和がなく、リズムも少しずつずれて気持ち悪くなります。ハーモニーを意識して欲しいところです。唱うときに全員が直立不動なのも、問題を感じます。 |
ダ ン ス | − | ミュージカルのはずですが、ダンスと呼べるシーンは、ほとんどありません。 |
総合評価 | ○ |
名の知られた脚本家と音楽家という組み合わせの劇団は、最近多いようです。どうしても歌えるキャストを集めたいというのは分かりますが、俳優を意識した歌作り、本作りをして欲しいと思います。最近はロックシンガー達のミュージカル界進出が目立ちますが、彼らに本格的な芝居を要求するのは酷ではないでしょうか。 関連コラム>えとせとら第186回「シンガーがいっぱい!」 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
T2 project | ||