シンガーがいっぱい!

RENT日本語版の成功に触発されたのか、近頃はロック系シンガーなどが舞台に登る機会が増えています。一人や二人なら問題はないですが、ほとんどがシンガーで構成される作品も出てきています。あんまり良くないゾッ!

歌唱力の不足を補う

小劇場系では、音楽担当者がセミプロ級だったりするので、どうしても歌唱指導者がいないことがあります。セミプロが曲を書いて、ストレートプレイ系の役者が唱うので、当然にソングナンバーはグチャグチャに仕上がるのです。こういう作品は、いっそ音楽を外して欲しいと思います。

仕方なく、本物のミュージシャンを借りてきて、補いを付けます。シンガーソングライターならば、少しは融通が利きますし、売れていないレベルでも巧い人はいますから。出演者としてバンド・ヴォーカルを迎えれば、一応メリハリもついて、ファンがお客についてお買い得・・なんでしょうねぇ。

ミュージシャンは、馴染めない?

ミュージシャンを借りてくると、これが他のキャストと揉めるそうです。まず世界観が違う。日頃から人に使われるのに慣れていない。指示されるのが嫌い、価値観の押しつけが嫌い、下手なヤツが嫌い・・となるのだとか。日頃から一国の旗を掲げているので、一見さんとは仲良く成れないようです。脚本家や演出家の指示も、ほどほど。

一人あるだけでも纏まらないのに、その人数が増えれば、一層纏まりません。せめて音楽監督がミュージシャン仲間の有名人なら、少しは違うそうですけどね。そこで、本題。それなのに、多くのミュージシャンを集める公演があります。こうなると、作品はどうでも良く、それぞれのファンを動員してしまえば興行成功となりますか。

ハーモニー知ってますか?

バンド・ヴォーカルの人などは、東宝でも四季でも見掛けないほどに、声量のある方があります。バラードでも唱ったらば・・作品イメージから外れていても、その見事な唱いに泪を誘うのですから。日頃から音楽に親しみ、感情を込めるのが巧いだけに、一人ぐらいなら欲しいですね。

ところが複数人になると、全く調和がありません。歌い方は、個人個人が毎日唱っている調子のままで、スコア(譜)も無視して勝手にアレンジしてしまうのも、日常茶番事。高音と低音はもちろん、勝手にパートを入れ替える人まで出てしまうとか。その結果・・倍音でハモるはずが、打ち消しあってグチャマラ。え〜ん、聞き苦しい。ハーモニーこそがデュオであり、トリオであり、コーラスなのですが。

というわけで、プロデューサー諸氏の皆様。そして演出家の皆様。少しは歌唱が下手でも、良い先生をつければ俳優も歌えます。歌手に芝居をさせるよりも、役者に唱わせる方がマシです。どうか安直にシンガーを輸入しないでください。シンガー・シンガーで、お腹がもう一杯!!