前回へ  ホームへ  次回へ
ミュージカル作品紹介(第259回)
ゴ ッ ド ス ペ ル
■鑑 賞 日 平成13年12月9日(日) マチネ
■劇 場 名 ル・テアトル銀座(銀座)
■料  金 全席指定�,800円(前売料金)

■原  作 オフ・ブロードウェイ「GODSPELL
 音楽・作詞:Stephen Schwarlz(スティーヴン・シュワーツ)
 原案・演出:John Michael Teblak(ジョン・マイケル・テベラック)
■翻訳・訳詞・演出 青井 陽治 ■音楽監督・編曲 深沢 桂子
■編  曲 前嶋 康明     ■振  付 川崎 悦子
■美  術 朝倉 摂      ■照  明 沢井 祐二
■音  響 山本 浩一     ■衣  裳 宇野 善子
■歌唱指導 呉 富美      ■ヘアメイク 馮 啓孝
■舞台監督 栗飯原 和弘    ■制  作 佐々木 満城,齋藤 實
キ ャ ス ト
イエス    (山本 耕史)   ユダ     (大沢 樹生)
使徒(堀内 敬子,真矢 武,真織 由季,藤本 隆宏,K−CO,
MaMi,渡辺 健,渡辺 大,林田 和久,宮川 浩,西野 誠)
ス ト ー リ ー
 ユダヤ教から見れば異端である、一つの教団があった。預言者は人々に洗礼を授け、神の子が到来することを告げる。そこへイエスが訪れ、人々に神の教えを伝え始める。身近な例を取り上げつつ、ユダヤの指導者たちを批判するイエス。やがて批判は過激さを増し、指導者たちの反発を買うようになる。それを危惧する使徒ユダは、ついにイエスを売る決心をした。。。
コ メ ン ト
シナリオ イエスの説話は、よくかみ砕いてあり、それなりに面白い構成になっています。原作の問題か、翻訳の問題か、不自然なストーリー展開もあり、新約聖書とは矛盾もありました。
またユダの存在が不自然でした。ヨハネの役割を占めたかと思うと、イエスと親しげであったり、リーダー的に振る舞ったり、定まっていません。使徒に女性が加わっていることが、すでに変ですけれど。
キャスト 唱えることを第一条件に、キャストを集めたようです。現役歌手も含まれますが、演技力は二の次という印象がありました。また、青井氏の他作品でも見掛けたキャストも多く、レベル的には力不足なキャスティングに感じました。
ナンバー Day by Day」リプライズ、「Baws」がまずまずです。センテンスの短いナンバーが多く、せっかくシンガーを集めてあるのに迫力を欠く、レパートリーでした。
ステージ ステージ中央に巨大なジャングルジムがありました。派手なセットの割に十分に活かされず、空間を埋めただけという印象でした。手前に浅い溝があって水を蓄えてあったものの、敢えて真水を使う意味があったのか不明です。
衣裳はカラフルですが、舞台をローマ時代に設定するにはミスマッチに感じました。
演 技 力 山本は、イエスに成りきった巧い芝居をしていました。大沢は、意外に演技力があり、アイドル歌手から大きく脱皮した印象を受けました。
ミュージカルの舞台経験者が多くありますが、芝居的に素人演技が目立ち、さらにアドリブが絡むために、いい加減さが前面に押し出される感じが鼻につきました。
歌 唱 力 唱えるキャストであるので、まずまずです。しかし、ナンバーに冴えやキレが不足しているため、全般にふわふわした印象を受けてしまいます。
ダ ン ス アクションはそれなりにありますが、特筆するほどにありません。
総合評価 シナリオの問題も多分にあり、オフ作品らしさという味もあるのでしょう。しかし、もう少し真面目さが欲しいところです。キリスト教義を理解している米国人にはパロディとしての楽しみもあるでしょうが、日本人の観客にはチンプンカンプンだったことでしょう。
オープニングで勿体ぶった演出をしたものの、中盤でバラエティ番組のようなダレがあり、終盤でも纏まりきれませんでした。それなりに面白い演出もあるものの、チケット代と劇場ランクを考えると、かなり物足りない出来映えでした。青井氏が輸入する作品には、ちょっと変わった作品も多いようです。

関連コラム>えとせとら第186回シンガーがいっぱい!
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス

前回へ  ホームへ  次回へ