ミュージカル作品紹介(第258回) |
Chance! 〜 AD2001物語 〜 |
■劇 団 コーラス・シティ ■鑑 賞 日 平成13年12月15日(土) ソワレ ■劇 場 名 労働スクエア東京ホール(八丁堀) ■料 金 全席自由�,000円(前売料金) ■脚本・演出 田中 広喜 ■作 曲 徳永 洋明 ■振 付 原 津加沙 ■台詞指導 矢野 宣 ■歌唱指導 AKEMI ■装 置 前野 秀雄 ■照 明 高野 勝征 ■音 響 長澤 康夫 ■舞台監督 福島 勤 |
キ ャ ス ト |
明日香 (小穴 晃子) 恭子 (鈴木 千夏) 美紀 (釘宮ひづる) 敬 (本多謙太郎) 亮子 (佐藤菜穂美) 雄二 (早川 博康) ヤンボー (櫻井 千恵) マーボー (山本 育代) 鷲見 (菊地 貢) 鈴木 (奥井 正浩) 女神 (石村 麻子) 吉岡 (石村 淳二) 井出 (田村美由紀) ほか |
ス ト ー リ ー |
TV報道アナの途を閉ざされた明日香は、番組制作会社の敏腕プロデューサー恭子にスカウトされる。ADとしてTV局で働くうち、コメディアンのヤンボー&マーボーに出会い、そのドキュメンタリー番組でヒットを出した。しかし、チャンスの女神の悪戯で、恭子が長年暖めてきた企画書が盗まれて、恭子は外れされ明日香がプロデューサーに昇格した。 盗んだ企画書で大ヒットを狙う、チーフプロデューサー吉岡。番組の人気は一年も続き有頂天だったが、あまりの悪辣さに明日香も辟易して・・真実を告げる決心をした。健気な明日香を、先輩ADの敬ら制作会社の仲間達が支える。 |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ☆ | 切り口が新しく、面白い作品でした。劇団の脚本家が若返ったこともあり、今風の明快なストーリーに変わっているようです。 ストーリーがやや断片的で、展開がスムーズでないのが、前作と同様に問題を感じました。とくに「告白」以降の展開に無理があったようです。 |
キャスト | ☆ | 若手をメインに据え、ベテランで脇を固めるキャスティングで、全体に安定した構成でした。劇団員が急増し、人材に幅を得てきたことも大きいのでしょうか。 |
ナンバー | ◎ | 恭子に「ホープ」を、明日香に「Dream in My Heart」を、女神に「チャンス」を、それぞれテーマソングとしてありました。本来は煩くなるリプライズですが、歌詞に変化を付けて競わせることで、上手に調和が取ってありました。ソングナンバーは、全体的に弱含みです。 |
ステージ | ◎ | カーテンや衝立、柱などを組み合わせたシンプルなセットでした。こうした道具を活かして場面転換を図る技術は、毎回関心をさせられます。細かい話ですが、宙づりワイヤーは、光らないモノが良いでしょう。 衣裳の選択もよく、ちょっとしたアクセントへの配慮も行き届いています。若手劇団員の比重が増えたことと関係があるのでしょうか。 |
演 技 力 | ☆ | 小穴は、表情が良く、初々しい新人という雰囲気を最後まで通して保っていました。全身で初々しさを表現するのは難しい技術であると思いますが、いい芝居をします。鈴木は、旧作での印象が薄めでしたが、本作では溌剌とした良いオーラを発していました。 山本は、関西弁までマスターし熱演していましたが、肝心のネタが10年以上前の芸だったのには閉口。脚本家の責任ですけれど、アドリブを交えてでも新味を出して欲しいです。釘宮は、なんとなく空々しい芝居が、全体から浮いてしまっています。 本多は、回を重ねる毎に大幅なスキルアップをしているようで、観ていて楽しい俳優です。石村は、気負いが減り演技に違和感がなくなっていましたが、台詞を噛むのは相変わらず・・。 |
歌 唱 力 | ◎ | コーラスは良いですが、ソロでは弱さが目立ちます。小穴は、伸びがありますが柔軟さに欠け、声に雑味を感じます。鈴木は、透明感を伴うよい声をしています。旧作よりもソロパートが増え、聴かせる幅がありました。 |
ダ ン ス | ☆ | 客演の大川、山崎のダンスにインパクトがありました。プロパーの菊地、橋本らもダンサーに徹し、フォーメーションが崩れませんでした。斉藤も技は良いと思うのですが、ダンサーとしてグラマー過ぎるのが問題ではないでしょうか。フォーメーションを組んでいても、収まりが悪くなります。 |
総合評価 | ☆ | 本作で3本目となる若手脚本家の新作でした。キャストも若手が増えているため、感性が合って良いのではないでしょうか。ただし、もう少し脚本をキャスト全員で叩いた方が良くなると思います。シーン間の展開の繋がりは、大勢で意見を出し合った方が、無理のない良い脚本になると思います。 蛇足>2日連続の徹夜明けだったので、居眠りが心配でしたが・・面白い作品でしたので、最後まで楽しめました。早く普通のペースで観劇できる体に戻したいものです。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
コーラス・シティ 事務局/東京都渋谷区幡ヶ谷3−70−5−106 Tel: |
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