ミュージカル作品紹介（第２５５回）

森の唄が聴こえる2001

■劇　　団　コーラス・シティ ■鑑 賞 日　平成１３年１１月１７日（土）　マチネ 　　　　　　　　　　　１１月１７日（土）　ソワレ ■劇 場 名　労働スクエア東京ホール（八丁堀） ■料　　金　全席自由�,000円（前売料金） ■脚　　本　田中　広喜　　　　　■演　　出　星野　利春 ■作　　曲　徳永　洋明　　　　　■振　　付　原　津加沙 ■補作曲・編曲　松崎　順司　　　■歌唱指導　藤本　洋 ■装　　置　前野　秀雄　　　　　■照　　明　高野　勝征 ■音　　響　長澤　康夫　　　　　■舞台監督　土居　三郎

キ　ャ　ス　ト

響　卓　　　　（門澤　武伸）　　　稲田征二　　　（羽尾　　稔） 稲田美枝　　　（征矢　朋子）　　　山本隆男　　　（梅北　康史） 宇堂麻美　　　（佐藤友歌子）　　　青山太一　　　（谷本　愛智） 杉下春香　　　（周田　昌恵）　　　若竹洋三　　　（畠山　利巳） 北野亮　　　　（嘉納　　聡）　　　韮崎陽子　　　（安達　真理） 矢沢博子　　　（大江　愛子）　　　栃本香織　　　（城間　優子） 河合敏男　　　（米倉　誠二）　　　森の女王　　　（矢部　晶代） 精霊ミラ　　　（加藤　由夏）　　　精霊カッセ　　（日暮　彩実） 高見久雄　　　（安西　朋遠）　　　　　　　　　　　　　　　ほか

ス ト ー リ ー

第127回のリメーク再演

コ　メ　ン　ト
シナリオ	◎	脚本のベースは、初演とほぼ同じでした。演出家が交代していますので、演出面での変更が目立ちました。
キャスト	◎	ここ数年の入団生を中心に編成しており、技量面では中堅メンバーより見劣りします。若返ったなりに元気さが感じられますが、不器用さが気になりました。
ナンバー	◎	Ｂ５用紙１枚の両面に、全ナンバーの歌詞が掲載されてありました。こうした劇団が増えてくれるのは、良いことです。フィナーレの「森の唄が聴こえる(４)」は迫力がありました。「この想いいつまでも」「Can I hold You In my arms」「自分を信じて」など良いナンバーがあります。
ステージ	☆ ☆	セットは前作の流用もあったようですが、しっかりした造りになっています。大楠や花畑のペイントは壮観です。質感が巧く表現されています。前作ではゴテゴテ感のあった森のステージも改良され、目の前で崩して見せるなど見事です。衣裳も全体に落ち着きが増し、良くなってきています。
演 技 力	☆	門澤の演技力に磨きが掛かり、朴訥な好青年の雰囲気が良く出ています。と申しますか、よく主人公に成り切れています。羽尾は、老け役を見事にこなし、応用力のある良い俳優です。梅北も一皮むけたようで、衒いのないスッキリした演技をしていました。客演の畠山は、確かに巧いのですが、他のキャストとの融和性が悪く、一人浮いていました。ワンシーンでしたが、安西の毒々しいマネージャー役も面白かったです。 佐藤の堂々としたアイドルぶりが良く、かなりの演技派です。歌唱の巧さもあって、今後に期待できます。加藤は、台詞の滑舌が少し気になりますが、テンポ良く演じていました。客席に向き合うと上方へ目が泳ぐのが、気になります。少し意識して欲しいです。 劇団員歴の浅いキャストが多いためか、台詞を噛んだり忘れたりしたシーンがありました。やや聞き取れない台詞もあり、間のおき方にも不満が残りました。
歌 唱 力	◎	コーラスはまずまずですが、本作のナンバーは唱いにくそうなものが多く、大変そうな印象です。せめてフィナーレは、観客の拍手を貰いやすいリズムのものを加えて欲しいです。 門澤は、２年前と比べて歌唱での成長が見られませんでした。朴訥なキャラクターではありますが、抑揚のないブツブツ切れる歌い方は、問題があると思います。演技力並みの成長をして欲しかったです。 ソロでは佐藤が抜群でした。張りのある良い歌声で、堂々とした押し出しと合わせ良かったです。城間は綺麗な唄いでしたが、声が細くマイク越しでも苦しい印象でした。加藤は、もう少し良い声をしていたと思いますが・・う〜む。とくにマチネは作りすぎた声が耳に障りました。
ダ ン ス	◎	「ミラクル！奇跡を起こそう！」を除くと、動きの大きいダンスが少なく、シティメドレーを欠く本作では、物足りなさが増します。精霊達のダンスもパッとせず、初演と比べて見劣りがします。 加藤のダンスはまずまずですが、登場シーンが多いためか踊るので精一杯という印象を受けました。以前のステージでは、ちょっとしたワンショットが良いという場面もあったのですが、淡々と踊り終えたという感じでした。
総合評価	◎	総合的に見れば☆評価ではあるのですが、ソワレに比べてマチネに問題を多く感じました。２回限りの公演でしたので、できれば両公演ともに同じレベルで演じて欲しかったのです。ムラがあった分だけ評価ダウン。 若手が多く参加する作品というのも良いですが、もっと中堅のベテランを混ぜた方が良かったのではないでしょうか。12月の公演も控えていますが、こちらは若手の活力が不足してしまうのでしょうね。バランス良いキャスティングへの配慮をお願いします。
上記コメントはポン太の主観＆独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア　ク　セ　ス
コーラス・シティ 　事務局／東京都渋谷区幡ヶ谷２−４５−１　　Ｔel：