ミュージカル作品紹介(第201回) | ||
センス・オブ・ワンダー | ||
■劇 団 ミュージカル座 ■鑑 賞 日 平成12年11月25日(土) ソワレ ■劇 場 名 東京グローブ座(新大久保) ■料 金 全席指定S席�,500円(前売料金) ■作曲・編曲・音楽監督 山口 e也 ■作詞・脚本・演出 ハマナカトオル ■監 修 上遠 恵子 ■振 付 小川 こういち ■美 術 松野 潤 ■照 明 小川 修 ■音 響 深田 将文,志茂 剛 ■衣 裳 籠原 真子 ■舞台監督 小谷 武 |
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キ ャ ス ト | ||
レイチェル (伊東 恵理) レイチェル小(太田 慶) レイチェル母(片桐 和美) レイチェル父(佐久間義也) ドロシー (狩俣 咲子) 海バレリーナ(佐藤 由紀) ボブ (萬谷 法英) マリー (桑原 麻希) オルガ (木村 美穂) ほか |
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ス ト ー リ ー | ||
森の自然に囲まれて育ったレイチェルは、作家を夢見る少女であったが、父より環境破壊の酷さと海の素晴らしさとを教わった。大学時代に海洋学に興味を持って、科学者に転向して数々の発見をした。大恐慌の中、漁業局で海に関する記事を書くことになり、さらに自著を出版してベストセラー作家ともなった。 晩年。知人から空中散布の農薬により野鳥が悶死していることを知らされ、人体への影響を警告する自著を発表した。農薬会社を中心に非道な抗議キャンペーンを張られもしたが・・。 |
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コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ | 淡々と流れる分かりやすいストーリーでした。展開があまりにステレオタイプしていたため、淡泊すぎたのが残念です。レイチェル=カーソンの生涯を追うよりも、彼女の活躍そのものをもう少し強調した方が良かったのではないでしょうか。とくに少女時代やドロシーの存在、海洋学専攻のエピソードは冗長に感じました。 |
キャスト | ◎ | 劇団員が50人を越えたそうで、いよいよ劇団プロパーのみでの公演と成ったようです。演技にも歌にも幅が出てきているだけに、伊東に依存しすぎるラインナップは見直すべきかも知れません。友人や群衆にも、少し個性付けをした方がメリハリがあると思います。 |
ナンバー | ◎ | 32本のナンバーを歌い継いでいくのは素晴らしいです。しかしインパクトが弱いものも多く、歌い手の技量に随分と依存している印象を受けました。「おさかな物語」は、バカっぽい仕上がりで面白いカラーでした。 |
ステージ | ○ | 天井から垂らされた4本のグレーカーテンは、森か何かを象徴していたのだと思います。しかし中央後方で何度も動きを変える白カーテンの必要性がよく分かりませんでした。波を表すにしては吊り下げの白ロープが目立ちすぎ、その他のシーンでは何を象徴するのか不明でした。随分と安手で手抜きだと感じるのは、私だけでしょうか。 机や椅子なども日曜大工で作ったような安手で、研究所の雰囲気もあまりに味気なかったのです。衣裳はそれなりに豊富に用意されており、船乗りのシャツの汚れなど手が込んでいました。 |
演 技 力 | ☆ | 伊東は、ほとんど出ずっぱりでした。何度か椅子に腰掛けるシーンもありましたが、大変でしょう。老け役もあって演技の幅を感じました。序盤に終盤と重なるシーンがありましたが、半端に若かったのが気になります。萬谷や佐久間の自然体の演技も気に入りました。今回は子役を大勢使っていました。まだ本公演に出せるほどの技術レベルにない子が多かったのですが、スクール生のようです。 |
歌 唱 力 | ☆ | 伊東がソロで唱うシーンが多く、個人的には満足しました。あまりインパクトのない歌詞やメロディでも、透明感のある歌声で魅力を感じてしまいます。しかし、伊東一本というのは問題でしょう。コーラスも何本かありましたが、今回は迫力不足に感じました。 |
ダ ン ス | ◎ | 佐藤のクラシック風のダンスは綺麗でしたが、作品では浮いた存在でした。大人しいダンスが多く、あまり愉しめませんでした。 |
総合評価 | ◎ |
特定の人物を取り上げる作品が増えていますが、おそらく脚本が書きやすいからなのでしょう。シーンの組み合わせや、演出効果にもっと加えていただかないと、単調な印象を受けてしまいます。せっかくプロパーの劇団員を揃えたのですし、リメークして定番作品へ育てていって欲しいです。 関連コラム>第139回「伝記ものミュージカル」 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
ミュージカル座 事務所/埼玉県浦和市常磐9−8−15 Tel: |
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