ミュージカル作品紹介(第199回) |
メトロに乗って |
■劇 団 音楽座ミュージカル ■鑑 賞 日 平成12年10月28日(土) ソワレ ■劇 場 名 テアトル銀座(銀座一丁目) ■料 金 全席指定S席�,400円(ネット会員料金) ■原 案 小説「地下鉄に乗って」(浅田次郎作) ■脚本・演出 ワームホールプロジェクト ■演出協力 遠藤 吉博 ■作 曲 井上 ヨシマサ ■作曲・編曲・音楽監督 高田 浩 ■編 曲 田中 詞崇,金子 浩介 ■歌唱指導 桑原 英明 ■振 付 野坂 公夫 ■美 術 朝倉 摂 ■照 明 笠原 俊幸 ■音 響 実吉 英一 ■衣 裳 原 まさみ ■ヘアメイク 林 裕子 ■舞台監督 北条 孝,上田 光成 ■企画・制作 ヒューマンデザイン |
キ ャ ス ト |
真次 (石川 禅) みち子 (毬谷 友子) アムール (沢木 順) お時 (福麻むつ美) 野平 (すま けい) 貞子 (今津 朋子) 村松 (佐藤 伸行) 岡村 (三谷 六九) 昭一 (照井 悠也) ほか |
ス ト ー リ ー |
政財界にフィクサーとして権力を振るった小沼財閥の総帥が倒れた。その次男真次は、母貞子とともに家を飛び出して久しく、今では岡村の会社で働いている。20数年ぶりに同窓会に出席した真次は、その帰り道でオリンピック開催に沸く昔の東京へタイムスリップした。その日は、兄昭一がメトロの事故で轢死した日だった。兄を救おうと足掻いたが、徒労に終わった。 一度は現代に戻った真次だが、同僚のみち子と再びタイムスリップ。闇市で活躍するアムールという男は、癖があるが屈託なく、互いに親近感を持つ。そして時を遡るたびに、若くなっていくアムールと出会う。彼こそ、真次の憎み続けた父。そして、愛しさの募るみち子とは、実は・・。 |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ☆ ☆ |
暗く重たい原作を、落とすところを落とし、付けるところを肉付けした、良いシナリオでした。時間軸を分かりやすく整理したことや、エピソードの取捨選択も良く、強い印象を与えてくれました。戦後の風景など、楽しく明るいダンスを挿入することで、アクセントが巧く入っていました。 |
キャスト | ☆ | 音楽座プロパーは脇を固め、メインは全て客演というのが惜しまれます。演技力は申し分なく、ダンスも良質ですが、ソングは今ひとつ・・。 |
ナンバー | ◎ | 「道標」「みち子」「ゲット・ユア・ドリーム」が気に入りました。モノローグ調のナンバーは、物足りなさが目立ちましたが、シンガーの問題もあったようです。 |
ステージ | ☆ | 回転ステージを使い、二つの円弧状のスロープが回転する大仕掛けでした。スロープの配置にあまり意味の無いシーンも目立ちましたが、場面転換していることが良く分かり、しかも素早いチェンジの工夫がされていたので、☆。衣裳は、軍人も闇市に生きる人々も、いい雰囲気が出ていました。ライトもスモークも効果的な演出になっていました。 |
演 技 力 | ☆ ☆ |
沢木は発表キャストから入れ替わりだったようですが、虚勢を張って生きてきた人物らしさが出ています。石川は汗を振り乱しての熱演でしたが、もう少し力を抜いても良いシーンが多かったと感じました。ずっと気張りっぱなしなので、やや単調でした。佐藤の丁寧で手堅い演技が光ります。 毬谷は、前半で頼りなく感じましたが、終盤へ向けての強さの表現が見事でした。演技に感情が籠められており、よく成りきっている印象でした。福麻は、もう少し崩れた方が役柄にマッチしたと思います。やや迫力不足でした。 |
歌 唱 力 | ◎ | 毬谷の歌唱力に限定すると、あまり巧いと感じませんでした。「道標」「みち子」は、イントロから感情が上手く籠められていて、涙を誘いました。石川はガラガラ声で熱唱などもあって、あまり美しくない歌声でした。演技同様に、力が入りすぎていたのが残念です。コーラスは全体によく揃っており、綺麗でした。 |
ダ ン ス | ◎ | ダンスシーンが少な目だったのが残念です。「ウェルカム・トゥデイ」での集団ダンスは、フォーメーションが綺麗で纏まりも良く、大きな動作で揃って気持ちの良いものでした。この1シーンだけなら、劇団四季をも上回るでしょう。「アールヌーボー」はせっかく取り込んだシーンですが、パッとせずに勿体ない感じでした。 |
総合評価 | ☆ |
さすがに老舗の貫禄が出ていますが、メインを客演に譲った上に、その客演がダンスと歌唱で弱さを見せたのが残念です。音楽座ミュージカルは、自作からプロデュースへ移行すると宣言していますが、看板も「音楽座」に掛け戻すようです。 作品とは無関係ですが、劇団サイトを開設し、電脳会員には大幅に割引したチケットを先行予約で提供しました。初回ということで手際の悪さが目立ちましたが、劇場でも上手にタイアップをし、結構会員数を増やしたでしょうね。しかし、毎日のように送られる近況メールには閉口しました。 関連コラム>第128回「メトロに乗って!」 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
音楽座ミュージカル 事務局/東京都町田市原町田6−15−2ヒューマンデザイン内 Tel: |
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