ミュージカル作品紹介(第185回) |
マリア様が泣いた夜 |
■劇 団 劇団Nom’b ■鑑 賞 日 平成12年9月14日(木) ソワレ ■劇 場 名 SPACE107(新宿) ■料 金 全席自由�,800円(当日料金) ■脚本・作曲・演出 岩崎 廉 ■制 作 鎹 健太郎 ■美 術 田代 利之,矢本 さち子 ■照 明 佐々木 睦雄 ■音 響 桜井 健太 ■音楽監督 佐野 勝彦 ■衣 裳 鎌倉 泰子 |
キ ャ ス ト |
よし子 (成清 絵美) 萩野 (中川 治) 相原 (織田佳奈子) 英昭 (辻 親八) 神父 (内藤 しん) 元・神父 (宝亀 克寿) 上野 (佐久間朋江) 左右衛門 (北田 真規) 浮浪者 (大樹 克行) スチュワーデス(松久菜穂美) 高桑 (安原美華子) ほか |
ス ト ー リ ー |
半年前に最愛の夫を航空機事故で亡くした、よし子。訪れたボロ教会で、多くの人々に励まされた彼女は、それから教会の常連に。しかし、人々のうち三人は幽霊。常人には見えないはずだが、死んだ夫に会いたいという一念からか、コミュニケーションを取ってしまう。 怪しげな銀行マン荻野がやってきた。彼は、元・神父の作った借金のために教会を競売するという。金策に走ろうとする呑気な神父、多額の保険金を受けることになったよし子を疑う保険屋高桑、そして新入りの幽霊たち・・。よし子は、幽霊でも夫と再会できるのか? |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ○ | だめ押しのギャグ、あまりに寒いギャグ、などコミカルな演出が目立ちます。伏線もいろいろ張ってあり、会話のテンポも面白いですが、ダラダラしたシーン展開が残念です。 |
キャスト | ◎ | 真摯に取り組んでいる姿勢が、はっきりしています。シナリオの纏まりの悪さもありますが、個性がバラバラで、美しくありません。 |
ナンバー | ◎ | 「会いたい」は感情が籠められていて美しいソロ・ナンバーでした。「マリア様が泣いた夜」も綺麗なコーラスでした。歌詞はともかく、「ブルース・イン・マイ・ティアー」も良かったです。 |
ステージ | ☆ | 教会の祭壇と、祭壇までの通路が、斜め方向にセッティングされた面白いセットでした。通常は真正面に祭壇を持ってきますが、奥行きのないステージを巧く工夫していました。ボロ教会を演出する木製の椅子や教壇は、とても味がありました。客席の右脇をバンド、左脇を登退場通路に使うのも小劇場ならでは、です。 |
演 技 力 | ◎ | それぞれ個性的ですが、はっきり自己主張しているキャストはわずかでした。成清は、直情的で自己中心的な行動性が良く表現されていました。中川と谷合の濃い演技も愉しめました。中川は、ウケを取るワザが多く、とても演技派です。 |
歌 唱 力 | ◎ | 成清のソロ「会いたい」は、低音ながらハリと伸びのある美しい声でした。ほかのソロも良かったですが、惚れ惚れしたのは一曲だけです。相原のソウルソングも響きよく上手いです。しかし、成清以外はマイクの入りが悪く(使っていないかもしれない)、聞き苦しい場面が目立ちました。 |
ダ ン ス | ○ | オリジナルな振付がありました。フラメンコが崩れたようなダンスは、やや単調でした。 |
総合評価 | ◎ | 公式サイトを開設し、2年ぶりの活動再開です。メンバーもある程度入れ替わったようで、コーラス主体の良さも崩れがちに見えました。ナンバーは多彩で愉しめますが、作品全体としての纏まりを欠いていたのが、残念です。前作を来年早々に再演するとのことで、楽しみにしています。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
劇団Nom’b 事務所/東京都新宿区高田馬場4−22−36 Tel: |
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