ミュージカル作品紹介(第165回) |
ヴィヨンの妻 |
■劇 団 ライトリンク・ミュージック ■鑑 賞 日 平成12年6月28日(水) ソワレ ■劇 場 名 ブディストホール(築地) ■料 金 全席自由�,000円(前売料金) ■原 作 小説「ヴィヨンの妻」(太宰治作) ■脚 色 スミダガワミドリ ■音楽・演出・監修 神尾 憲一 ■照 明 小川 修 ■振 付 渡辺 聡美 ■衣 裳 斎藤 美輪子,樋口 浩子 ■音 響 長島 賢史 ■音楽指導 飯村 育代,杉江 真 ■舞台監督 林田 勇吾 ■制 作 福永 朋子 |
キ ャ ス ト |
さち (史 桜) 大谷 (篠原 功) 椿屋 (永友 勇次) 椿屋の女将 (森 未向) あき (佐々木亜紀子) 小林 (永井 大介) 佳子 (北条 えん) ミツ (朝田 純子) 鬼頭 (中川 涼) ほか |
ス ト ー リ ー |
学校教師の大谷は、だらしのない飲み助。女性を引きつける怪しさを持ち、知人からも不思議と好かれるのだが、その好意は全て踏みにじっている。凶状持ちで情緒不安定な大谷に、一途に尽くすさち。生まれた子供は発育不良で虚弱体質。薄幸な生活を送っている。 しかし大谷は夜な夜な椿屋に出入りしては、客にも店にも迷惑を掛け放題だ。ツケを払わず店の金を持ち出した大谷に業を煮やした椿屋夫婦は、さちに大谷の有様を説明し支払いを求めたのだったが・・・。 |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | △ | 何だか暗いだけのストーリーで、くるくる切り替わる展開で中身が薄く、どうにも詰まらない作品です。太宰の原作を読んでいないのですが、これほど詰まらない作品であるのかどうか・・。 |
キャスト | ◎ | シナリオの不味さはあるものの、活躍の場を与えられれば十分に芝居のできるキャストが揃えてありました。ダンスは巧いキャストも混じっていましたが、歌はサッパリでした。 |
ナンバー | △ | ナンバーリストがありませんでしたが、いずれにせよ特筆すべきものはありません。これまでとは路線を変えたモノローグ調ですが、薄っぺらで、ロックベースとしても今ひとつの出来映えです。 |
ステージ | ○ | 椿屋のセットは場末の一杯飲み屋で、まずまずです。後はシンプルというよりも何も無いといった状態で、スモークやライトは多用されましたが、美しくありません。 |
演 技 力 | ◎ | 大谷の狂人ぶりは迫真の演技です。憎めないキャラクターの味も出ています。永友や永井もいい味が出ていました。北条は細かい仕草を見せていましたが、本作ではいささか作りすぎで、浮いて見えました。史桜は立ちんぼのシーンが多く、のっぺりした演技でした。 |
歌 唱 力 | △ | モノローグ調ならもう少し歌えるキャストを揃えて欲しいところです。コーラスは半端で、ソロも冴えません。史桜は本作CDまで出しているそうですが、公演中の歌いはサッパリでした。 |
ダ ン ス | ○ | 北条が見せたダンスは、綺麗でした。他に特筆すべき点がありません。 |
総合評価 | ○ |
これまで以上に音楽の質が悪く、歌唱力もサッパリです。いろいろとチャレンジをしているようですが、キャストやスタッフの入れ替わりも激しく、劇団としてのカラーも全く見えない状況です。場当たり的に作品を作っているとしか思えません。この劇団の観劇レポートは、今回限りで打ち切ります。 蛇足>史桜を「葉っぱのフレディ」という作品でも観ました。芝居は相変わらず立ちんぼが目立ちましたが、声はまずまず綺麗で、ダンスもこなしていました。演出家の腕によっては、まだ伸びる女優かも知れません。一応、四季出身ながら小劇場系を渡り歩いているようです。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
ライトリンク・ミュージック | ||