変形印も復活して、デザイン面でも楽しくなった。この風景印を、さっそく集めてみることにしましょう。
まず、近くの郵便局を回ってみませんか。郵便局を回って、足で風景印を集めるわけです。この“郵便局めぐり”を“局メグ”といって、みなさん集印を楽しんでいます。用意するものは、50円の普通はがきと、はがき半分くらいの大きさの白台紙に50円切手を貼ったものです(「記念押印は、はがき料金以上の切手類に押印する」と定められています)。切手を貼る台紙は、後日アルバムに整理するときに重宝しますので、いつも作っておくとよいでしょう。準備ができたら、近くの郵便局に出かけます。このとき、事前にその郵便局が風景印がある局かどうかを確認しておきましょう。現在、全国に約24,000局の郵便局があり、そのうちの約7,000局が風景印を使用しています。大都市の無集配特定局での使用は少ないですが、地方の局では集配特定局、無集配特定局とも使用している局は多く、普通局にいたっては全国の90%以上の局で使用しています。ですから、あなたも近くの局を探せば、風景印はきっとあると思います。
郵便局の窓口で、持ってきたはがきと台紙に風景印の押印を依頼します。押印は、切手の下に風景印の端が少しかかる程度が一番見やすいです。私自身の例でいうと、一番近い局で風景印のある局は須磨局(神戸市須磨区)です。さっそく須磨局へ行き、押印を依頼します。通常業務の合間にお願いすることになるので、依頼の内容は簡潔にまとめておきます。次に、もう少し足を延ばして、須磨北局にも行って、同様に押印を依頼します。これで2種類の風景印が手に入ったので、家に帰り、その風景印の図案について調べてみます。
須磨局の図案には、松と波、鎧と笛、それに千鳥が描かれているので、それぞれを調べてみると、次のようなことが分かりました。須磨は昔から青松白砂の美しい浜辺があるので松と波は須磨海岸を表しています。また鎧と笛は、源平合戦の古戦場をイメージした鎧で、笛は平敦盛が愛した青葉の笛(その笛は須磨寺の宝物館に今も眠っている)です。千鳥は、百人一首の”淡路島 通ふ千鳥の 鳴く声に 幾夜ねざめぬ 須磨の関守”と謳われた「千鳥」でした。このように、須磨局の風景印は、歴史に基づいた図案が取り入れられているのです。
一方、須磨北局の風景印は、1988年に神戸市を中心に開かれた、ユニバーシアードの主会場となったユニバー記念陸上競技場とニュータウンが描かれ、近代建築の図案となっています。
集めた風景印の図案を調べると、いろいろな発見があり、収集がよりいっそう面白くなるでしょう。
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