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風景印の楽しみ方
2.最初の使用局は冨士山局

 最初に、風景印の歴史について、少しお話ししてみましょう。

 風景印は、今から約60年前の1931年(昭和6)7月10日から、冨士山局と冨士山北局で使用が開始されました(下図)。その後、使用局は年々増え、1935〜36年にかけピークを迎えましたが、日中戦争の激化に伴う資源の節約や不急業務の整理などで、1940年(昭和15)後半、ごく一部を除いて、風景印の使用が中止されました(戦前の風景印は日本郵趣発行の戦前の風景スタンプ集に収録されています)。

図1 最初に使用開始された冨士山局(静岡県)の風景印(左)と、現在の藤山頂局(局名変更)の風景印(右)

 戦後の風景印は、敗戦の混乱が少し落ち着き始めた1948年(昭和23)1月1日から東京中央局ほか24局で使用が開始されました。しかし、再開から約40年間は、戦前に多くあった変形風景印(円形図案以外の風景印)はほとんど使用されていません(わずかに戦前からの印影を受け継いだ石山局や、提灯型の雷門局などの例があります)。


#N(昭和63)に入り、使用基準が改正され、ようやく変形印の使用が可能となったので、その年の8月28日から、千葉県の佐倉市内16局でサクラの花びら型の変形風景印が使用開始され、現在180局近い局で変形印が使われています。
 それらの変形印の中でも、ひときわユニークなのは、徳島県の金長だぬき局の図案(下図)でしょう。局名からしてユニークですが、図案もご覧の通りたぬきの姿をしています。

図2 極端な形の変形風景印
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