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ミュージカル作品紹介(第340回)
All You Need Is Love
〜 愛についての十三章 〜
■劇  団 コーラス・シティ
■鑑 賞 日 平成15年5月23日(金) ソワレ
           5月24日(土) マチネ/ソワレ
■劇 場 名 練馬文化センター・小ホール(練馬)
■料  金 全席全日自由�,000円(前売価格)

■作・演出 木島 恭 ■編  曲 進藤 克己
■歌唱指導 山下美音子,AKEMI ■振  付 原 津加沙
■ヒップホップ振付 毛利 恭子 ■装  置 前野 秀雄
■照  明 高野 勝征 ■音  響 長澤 康夫
■舞台監督 土居 三郎
キ ャ ス ト
[女性キャスト]
石黒 礼子,石村 麻子,加藤 由夏,菊地 明美,斉藤 清美,桜井 千恵,
佐藤奈穂美,鈴木 千夏,周田 昌恵,征矢 朋子,谷澤 真帆,田村美由紀,
垂水めぐみ,野澤 美季,蓮見 知子,日暮 彩実,矢部 晶代,吉田真由美
[男性キャスト]
石村 淳二,奥井 正浩,菊地  貢,竹中 達二,田中 広喜,谷本 愛智,
本多謙太郎,壬生 吉秋,前野 秀雄
ス ト ー リ ー
 愛をテーマにしたオムニバス形式のミュージカル。十三個の章に構成されるものの、ダンスあり、歌あり、コントあり、詩の朗読あり、無言劇あり、で纏まりのない雑多なパーツから構成されている。
コ メ ン ト
シナリオ 学芸会を連想させるように、雑多な出し物が並べられています。共通するテーマは「愛」ということですが、複雑で難解なテーマが多く、コントも含蓄深く、考えさせられます。
ステージの空間を余らせないよう、多くのキャストを同時に出しています。しかし、前後左右に動きを絡めることで、混雑感を解消していました。
キャスト キャストの平均年齢が再び上がっていますが、それぞれのレベルアップが著しく、とくに演技力が素晴らしいです。ダンスは、特定のキャストに偏っているようですが・・。
ナンバー ザ・ビートルズ、ビリー・ジョエル、ディーン・マーチン等の名曲から「愛」をテーマに選曲されていました。ブルースなども絡めて、ジャンルは幅広いです。
ステージ ダンス用に広い空間を使っているため、大がかりなセットはありませんでした。紗幕を何度も使い、暗転を必要最小限にしていました。シーンの終わりと始めを重ねるなどもし、巧い転換を見せていました。新しい衣裳を次々に投入し、早変わりを多用するなど、キャストの苦労が窺われます。
派手なタイトルボードの使用や、生バンドの廃止など新しい試みも見られました。
演 技 力
菊地は、第十一章の語り手、第六章の女1、コントなどで幅広い演技力を発揮していました。周田は、第二章で元気な小学生を目一杯演じ、第十二章(無言劇)の失明少女も好演していました。石村は、第六章の女2で見せた気怠げな仕草が絶妙でした。石黒は、他人の台詞にも反応するなど、独自の工夫が見られました。
石村は、初日に長台詞をクリアしたものの、二日目に何度も台詞を噛みました。噛まなければ、味のある良い芝居を見せてくれます。裏声を交えての弁士役は、観客によく受けていました。竹中は、前作に続き、随所で存在感を示します。表情や仕草もよく研究しているようです。壬生は、真面目な雰囲気でコントをこなし、面白いキャラクターです。奥井は、自作らしい鎧甲を着込んでの怪演でした。
掛け合いも絶妙なものが多く、前作までのチグハグさが減少していました。石村加藤の親子の会話、菊地矢部の第八章が笑えました。日暮谷本の初々しいカップルも、ぎごちない感じが笑えます。
プロローグとエピローグでは、台本通りに台詞を吐こうとするためか、妙な緊張感が漂い、流れも不自然でした。さりげない感じが欲しいところです。この劇団の演技力は、随分と伸びた感じがします。
歌 唱 力 菊地は、第一章と第十一章、第十三章で良い唱いをしていました。とくに千秋楽が秀逸でした。第六章で気怠げに唱う感じもよく、詩の朗読なども通りよく、聞き惚れます。石村がこれに次ぎ、総じて女性シンガーの歌唱は良かったです。
男性シンガーは、今一つ冴えませんでした。二日目マチネは、客入りの関係かノリも良かったものの、ソロナンバーは厳しい感じです。
ダ ン ス 鈴木がスラッとした肢体で、綺麗なダンスを披露していました。数年前は印象が薄かったのですが、存在感が出ています。菊地は、ダンスシーンでの出番が多いものの、歌唱に比べてサポート的な役割が目立ちました。もっとソロのダンスシーンを観たいところです。加藤は、プロローグに天使の衣裳でソロ、第一章、第七章、第九章、第十一章など多くのシーンで活躍しました。一頃に比べると、出番も多く、目立つポジションを占めています。今後も頑張って欲しいです。
男性ダンサーは少数であり、竹中菊地が支えていました。キャスト自身が少ないので、全員で踊るぐらいが必要だと思います。若いダンサーを欠くのは、バランスも悪いです。
第七章での黒幕を使った群舞は、幕の使い方が巧く、綺麗に映えました。第八章でのラインダンス(?)は、ブラックライトを利用した幻想的なものでした。いつぞやのスクールメイツ(年齢がバレる)のようで、懐かしさがありました。
総合評価 個別の出し物としては、面白いものが多いです。芝居も歌唱も踊りも、いずれも魅せてくれます。しかし、個性バラバラのシーンが連なっているだけでは、全体としての纏まりを欠きます。また、小難しい芝居が多くあり、一見哲学的ですが、寄せ集めの感があります。ミュージカルは、娯楽性の高いエンターテイメントであるべきです。観客に長考を強いるばかりでは、困りものです。
今秋にも新作上演とのことです。不況で活動休止に追い込まれる劇団が多い中で、結構な客入りを迎えられるのは、幸せだと思います。今後も、一層のグレードアップがされますように。そして、抜けてしまった若手を呼び戻すなどして、人材層を再び厚くしてください。

蛇足1>おそらく本作で観納めになるため、三公演を全部観てしまいました。初日の出来の拙さが際立ち、客のノリの良かった二日目マチネの出来が良いなど、ムラが気になります。
蛇足2>できれば、公演ビデオを販売して欲しいです。昔は売り出していたのだが・・う〜む。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
コーラス・シティ
 事務局/東京都渋谷区幡ヶ谷2−45−1  Tel:
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