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ミュージカル作品紹介(第339回)
ミュージカル 風と共に去りぬ
■劇  団 東宝ミュージカル
■鑑 賞 日 平成15年5月18日(日) マチネ
■劇 場 名 帝国劇場(二重橋前)
■料  金 全席指定 S席13,000円(前売価格)

■原  案 小説「GONE WITH THE WIND」(MARGARET MITCHELL)
■脚  本 菊田 一夫 ■潤  色 堀越 真
■演  出 山田 和也 ■音  楽 佐橋 俊彦
■作  詞 秋元 康 ■装  置 堀尾 幸男
■照  明 服部 基 ■振  付 上島 雪夫
■音  響 大坪 正仁 ■声楽指導 林 アキラ,楊 淑美
■音楽監修 北川 潤 ■製  作 坂本 義和
キ ャ ス ト
スカーレット (大地 真央) レット    (今井 清隆)
メラニー   (杜 けあき) アシュレー  (岡 幸二郎)
フランク   (藤堂 新二) チャールズ  (安崎  求)
ワトリング  (寿 ひずる) マミー    (花山 佳子)
ミード博士  (福沢 良一)
ほか多数
ス ト ー リ ー
 タラの大農園主の娘スカーレット。何不自由なく我が儘に育った彼女は、他人の感情を考えない傲慢さを備えていた。時代は、南北戦争前夜。彼女が一方的に想いを抱く幼な馴染みアシュレーは、物静かなメラニーとの婚約を決めてしまう。嫉妬のあまりチャールズの求婚を受けたが、開戦早々に未亡人になってしまう。貿易船の船長レットが、何かとスカーレットに絡んでくる。激戦地アトランタから、馬車でスカーレットを助け出したレットは、気が変わって南軍に身を投じた。
 南北戦争は南軍の敗北に終わり、タラも焼け野原になった。父母を亡くし、農場を相続したスカーレットは、北軍が課した税金の支払いにも汲々としていた。雑貨屋の主人フランクに押し掛け女房して税金を払い、経営を積極的に拡大した。しかし、再び寡婦に逆戻り。
 北軍に捕らわれていたレットが釈放され、似たもの同士の二人は結婚した。レットの隠し資産で豪華な邸宅を建て、娘が生まれ、束の間の平和な家庭を築いた。しかし、スカーレットとアシュレーの関係をレットが嫉妬し・・。
コ メ ン ト
シナリオ 菊田氏のオリジナル版だそうです。原案小説が大作だけに苦労しているようですが、シーン転換が粗く、プログラムでフォローしないと経過が分からないほどです。主役次第では、シナリオの課題も目立たないと思いますが・・。
キャスト 良いキャストを揃えています。
ナンバー 純和製ナンバーにしては、冴えないものが多く、印象に残りません。「女は降伏しない」など字余り気味なナンバーもありました。今風にリメークする必要があるように思います。
ステージ 東宝作品にしてはシンプルなセットです。レット邸や馬車はともかく、シンプルに過ぎる感じもします。大地の衣裳を除くと、衣裳が地味で冴えません。砲撃シーンで、弾着を派手に演出してあったものの、違和感を得ました。黒人メイクは、巧いと思います。
演 技 力 大地の上滑りな芝居が不味く、バランスを悪くしていました。従来は、大地向きの佳い作品を選んでいたと思いますが、スカーレット役に無理を感じます。空々しい台詞や、立ち回りが多くありました。
今井は、とても好演していましたが、大地との噛み合わせに課題がありました。悪役ぶりも、父親ぶりも、夫ぶりも見事だっただけに、惜しまれます。脇を固められるのが、ぐらいであり、大地の力不足を十分カバーできなかった印象もあります。
歌 唱 力 ソロナンバーの多い大地は、十分に歌い上げず、演技同様に冴えません。ナンバー自身の問題と、キャラクターのミスマッチが原因だと思います。には、ソロパートで良い声がありました。
ダ ン ス 時代背景が南北戦争ということもあり、派手なダンスシーンもなく、冴えません。群衆が多く登場するシーンもあるだけに、ダンスに工夫があるべきだと思います。
総合評価 東宝作品の中でも高価格帯に属する作品です(しかも、国産作品です)。それだけに、出来映えの悪さに不満を感じます。劇場ホールでは、珍しく不満の声が多く聞かれました。キャラクターがマッチすれば、絶妙の冴えで魅せる大地だけに、ミスチョイスだと思います。
大地作品では、遠方から貸切バスで乗り付けるファンが多く、今回も大勢見掛けました。しかし多分に、その期待を裏切ったのでは無いでしょうか。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
東宝ミュージカル
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