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ミュージカル作品紹介(第332回)
新 ・ 闇 の 貴 公 子
■劇  団 OSK日本歌劇団
■鑑 賞 日 平成15年3月2日(日) マチネ
■劇 場 名 日本青年館ホール(外苑前)
■料  金 全席指定 S席6,200円(前売価格)

■原  案 小説「陰陽師シリーズ」(夢枕獏・作)
■脚本・演出 北林 佐和子 ■演出・振付 伊瑳谷門取
■振  付 大谷 盛雄,はやみ 甲 ■音楽・声楽指導 松岳 一輝
■美  術 高橋 秀雄 ■ヘアメイク 八木 優明
■音  響 堀江 正 ■照  明 藤本 昌久
■衣  裳 三浦 将起 ■舞台監督 石橋 尚一
キ ャ ス ト
安倍晴明   (那月  峻) 俤姫     (沙月 梨乃)
賀茂憲行   (高世 麻央) 美宇     (朝香 櫻子)
袴垂保輔   (桜花  昇) 滝夜叉姫   (若木 志帆)
小野篁    (希望なつ紀) 小野小町   (千爽 貴世)
嵯峨帝    (珠希 星佳) 平将門    (有希  晃)
唯摩     (吉津たかし) 明神丸    (大貴  誠)
蕾      (北原 沙織)
ほか多数
ス ト ー リ ー
 京の町を脅かす盗賊・袴垂保輔の一党。平将門の怨霊を利用して朝廷に反逆するのは、その娘・滝夜叉姫の命令にあった。これらの事件を憂えた稀代の陰陽師・安倍晴明は、式神の唯摩明神丸らを連れて、彼らを追った。そして、滝夜叉姫の妹・俤姫に出会い、事件の顛末と自身の使命を知るのだった。
 京を荒らすのは将門の本意でなく、禁断の兄妹愛から死を選んだ、小野篁小町の仕業と知れた。彼らも晴明との対決を望み、俤姫を拐かして、冥界の迷宮へと誘う。人間の心の闇を、巧みに利用する篁の陰謀は・・。父からも疎まれて、陰陽師の名門・賀茂家に預けられた晴明の活躍は・・。
コ メ ン ト
シナリオ 安倍晴明の時代を、絢爛に描いた良いストーリーです。式神の位置づけが半端であり、世界背景を十分に説明してくれないことが難点です。
キャスト プロのレビュー集団ですので、アンサンブルに至るまで良質のキャストが揃っています。歌唱や踊りでの統一感も高く、非常に満足できます。
ナンバー 一幕と二幕の計17場の中で、多数のナンバーが使われます。ダンスナンバーが多くを占めています。
ステージ 後方に二階ステージを設け、中央手前に階段、背後にセリがありました。桜や衝立などを組み合わせて場面転換を図るシンプルなものでした。対する衣裳は、派手で立派なものばかりで、舞台がよく映えます。
演 技 力 メインもサブも巧いので、コメントが難しいです。天の邪鬼な狐を演じた大貫は、さりげない可愛さが人気のようでした。北原大咲のベタな娘役、若木の凛々しい娘役、など役柄の広さも良いです。
歌 唱 力 ソングナンバーは、女声のコーラスが見事であるものの、男声のソロはマイク依存の弱々しいものでした。
ダ ン ス 本編の集団ダンスは、見事なフォーメーションで、シンメトリックな美しさもありました。雅な雰囲気がよく出ています。5つのフィナーレも、それぞれに味わいのあるレビューショーでした。
総合評価 三井住友カードの誘致による公演で、昨年に続く二本目の観劇でした。ともに日本史物という共通点もあるでしょうが、落ち着きのある雅なステージが、好印象を与えます。
スポンサー次第では、今年中に活動停止になるそうですが、ぜひ続けて活動して欲しい劇団です。ファン向けに記念冊子やブロマイド、ビデオなどの販売がされていました。いずれも高い価格設定が気になりますが、それだけに飛ぶようには売れていません。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
OSK日本歌劇団
 事務所/大阪府東大阪市高井田元町2−1−13   Tel:
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