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ミュージカル作品紹介(第323回)
えりちゃんが乗った汽車
■劇 団 名 スタジオK
■鑑 賞 日 平成15年2月8日(土) マチネ
■劇 場 名 亀有リリオホール(亀有)
■料  金 全席自由�,500円(前売価格)

■脚本・演出 甲田 健右 ■作  曲 村上 浩司
■振  付 脇村 郷子 ■歌唱指導 黒木 純
■美  術 島田 郁代 ■照  明 斉藤 優慈
■音  響 新井 登
キ ャ ス ト
えり     (風間 伸子) 車掌     (田畑 道代)
ご主人    (山尾 利一) 奥さん    (黛 亜希子)
奥さんの母  (五十嵐千尋) 人相悪い男  (森本 健介)
花嫁     (宮田亜希子) 新郎     (下田 明正)
夢の王子様  (小菅 博之) えりの母   (佐々木静江)
OL4人組  (藤森えいり、廣川 薫、砂川 英里、斉藤 恵子)
妖精(高見澤佐知子、大家 裕妃、金山 阿希、永山 文子、青山 裕子)
ス ト ー リ ー
 小学三年生のえりは、生まれて初めての一人旅で、電車に乗ってお祖母ちゃんの家を訪ねることになった。しかし、祖母の最寄り駅も判らず、変わった車掌に案内されるまま、不思議な汽車に乗り込んだ。同乗するのは、お腹の大きい奥さんと、そのご主人母親。賑やかなOL4人組。感情的な花嫁新郎。そして、人相の悪い男。
 汽車の中では、不思議な現象が次々に起きる。夢の王子様や妖精たち、あるいはお化けたち・・。星まで行けるという汽車に乗せられ、無事にお祖母ちゃんに会えるのか。
コ メ ン ト
シナリオ 銀河鉄道の夜」にプロットが似ていますが、意味不明なシナリオです。メルヘンチックという感じでもなく、子供向けという感じでもなく、古典的な手法を多用した脚本でした。
キャスト シナリオは不味いですが、キャストはよく頑張っていました。ダンスも演技も良く、纏まりが感じられます。
ナンバー ナンバーリストがありませんでした。
綺麗なメロディ、ノリの良いテンポが使われ、とくにダンスナンバーが秀逸でした。ソングナンバーはコーラスが主体でした。
ステージ セパレート式の客車一両のセットを出し入れして、長い暗転が何度もありました。転換として無駄が多いように思いますが、ダンスのために空間を確保する意味もあるため、やむを得ないかと。
妖精のライトブルーの衣裳が綺麗でした。えりの幼児体形のオーバーオールと白タイツが、小学生の雰囲気を出していました。
演 技 力 風間の元気な子供役は、素晴らしいです。仕草も表情も口調も、よく追求されています。宮田下田のカップルは、面白い味が出ていました。田畑森本は、巧い役者だと思うのですが、シナリオの不味さからか、拙い芝居が目立ちます。
OL4人組は、バランスの悪さが際立ちました。藤森廣川の二人に絞った方が良いと思います。五十嵐は、半端な老け役でした。。
歌 唱 力 ソロが多少入りますが、コーラスがほとんどでした。パート分けも十分でなく、好き勝手に唱っている感じで、雑味の多いコーラスでした。人数で声量不足を補う方針かも知れません。控えめに唱うシンガーも目立ち、声が掠れたり裏返ったり、バラバラでした。
ダ ン ス ステージを大きく広く使う工夫がされていました。妖精やお化けのダンスは、ユニークで佳い出来でした。
難しいステップやモーションがあり、不揃い感が惜しまれます。指示されたダンスを踊るだけで精一杯という印象を受けましたので、ダンサーに定着させて欲しいです。広いステージで目立たないモーションも多いため、難しいだけの振付を減らすことも必要でしょう。
総合評価 演技とダンスが良いだけに、シナリオの問題が際立ちます。同じく演出にも問題があり、アナクロな作品がキャストに合わないことが原因かと思います。可能な限り、事前に「脚本を叩く」作業をして頂きたいです。まだ二作品目ですので、今後を楽しみにしています。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
スタジオK
 事務局/Tel:0
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