コ メ ン ト | ||
シナリオ | ○ | ミュージカル映画の影響を強く受けています。翻訳の問題ですが、ジュテームやモナムール、マドモアゼルなど仏語を多く残した結果、間抜けな台詞が多くありました。日本語と仏語の親和性が悪く、残し方に統一感もありませんでした。半端であったため、役者が感情を込められないようでした。 |
キャスト | ○ | 一流の役者が混じっていますが、小劇場系・TV系、ダンサー系の混成チームでした。主役にアイドルを据えているだけに、纏まりの悪いキャスティングです。 |
ナンバー | ○ | 同じメロディが、繰り返し流れるだけの単調な印象です。芝居が巧く絡めばムードも強まるのでしょうが、淡々としたものです。バリエーションを欠くのは、作品として致命的です。 |
ステージ | ○ | シーン転換が無用に多く、各シーンがブチ切れます。暗転が繰り返し長く、可動式の階段を意味もなく移動させるだけの、拙い転換です。作品の知名度だけで観客を動員する凡作という印象を受けました。 セットは、雨傘店がほどほどながら、安手のセットです。衣裳も目立つものがなく、映えません。舞台三方に、真水のシャワーを振らせるセットがありましたが、繰り返し使ってしまうと、単なる虚仮威しです。 |
演 技 力 | ○ | 坂本は、押し出しが強く、まずまずの芝居をします。主演としてのインパクトは弱く、空回りもありますが、さすがジャニーズ系です。藤谷は、実年齢より若すぎる表情や声を繕うため、拙い不自然さが漂いました。ヒロインの努めを、十分に果たせていません。 |
歌 唱 力 | ○ | そもそもソングナンバーが少なく、シンガーの心情吐露も不十分な歌唱でした。音符を追うだけでなく、シチュエーションに合わせ、役柄をイメージして欲しいです。 台詞は、変な抑揚のついた不自然なもので、メロディに乗せるという仕上がりにありません。ミュージカル映画では、仏語の美しい音韻が活かされていましたが、日仏語の混在に無理があるでしょう。 |
ダ ン ス | ○ | 坂本は、巧くこなしていました。しかし、ダンスシーンで、藤谷が踊れないのは致命的です。ダンサー達が踊り終わると同時に、ポーズだけ合わせていました。 ダンサーが舞台の空間を埋め、雰囲気を作ろうとしますが、芝居から乖離するばかりでした。東山ら良いダンサーを使うものの、ピントの呆けたステージでした。 |
総合評価 | ○ | 東京グローブ座が満を持して投入した本作は、脚本もキャスティングも不味く、せっかくの一流スタッフが嘆いていることでしょう。作品のネームバリューだけで導入されたと思われますが、大きく空回りした印象です。ジャニーズのファンクラブで座席が埋まったようです。 蛇足>1部2,000円だった高額のプログラムは、フルカラー写真集でした。絵としてサマになる主役はともかく、アンサンブルにまでB5サイズのカラー枠を与え、Q&Aでスペース埋めしただけの無駄なレイアウトでした。坂本限定の写真集を別途販売した方が良かったのでは・・? |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||