ミュージカル作品紹介(第306回) | ||||||||||||||||||||||
雪 う さ ぎ | ||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||
キ ャ ス ト | ||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||
ス ト ー リ ー | ||||||||||||||||||||||
これから産まれ出る子供たちの暮らす、生前の世界。管理人として世界を司るシエルと、混沌を現出しようとするバルト。二人は双生児として生を受けたが、母親の堕胎により消えることさえできない。人の愛を強く否定するバルトは、新たに誕生した双子世羅と琉紀を不幸にすることで、その証明を試みるのだった。 双子の父紘輝は画家で、著名な水上に師事して売出し中。絵の理解者でもある深里との結婚を決め、幸福な生活に一歩を踏み出した。しかし、懐妊の喜びも束の間、自動車事故で深里が失明する。事故を苦に堕胎と離婚を考える母親と、絵を描く意義を見失って落ち込む父親。双子はそんな両親を影ながら励ますのだが・・。 |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ | 一幕はプロットが珍しく面白いですが、二幕は先が読めてしまう展開でした。間を空けるシーンが多く、間延びした印象を受ける作品です。前作と同様に難解な展開もありますので、脚本をしっかり叩いて欲しいと思います。 |
キャスト | ◎ | ダンサーの性質が良く、シンガーも良い声を持っています。若いキャストにベテランを絡めてあるので、バランスも良いと思います。 |
ナンバー | ◎ | いずれのナンバーもメロディは綺麗ですが、ソングは淡いイメージが多く、シンガーに救われないと厳しい感じがします。 |
ステージ | ◎ | 舞台の左手から右手に下る階段ステージがあり、その手前に楕円形の箱などを積み上げて印象を変えていました。主題「雪うさぎ」の油絵が二枚も用意されており、作品への拘りを感じました。 女性ダンサーの衣裳は、白と水色の淡いカラーで、羽衣のような可愛いものでした。 |
演 技 力 | ☆ | 尾花は影のあるキャラクターをよく演じていました。声にエフェクトを使ってしまうのが惜しいですが、TMM時代とは違う俳優としての奥行きを感じます。菊地は、悩める夫らしい含みを持たせた、抑えめなキャラクターが良いです。 宮下は、泣きや悩みの仕草が巧いです。ラストの強く微笑む表情が印象的でした。三枝は、幼さを強調しすぎた感じもしましたが、子供らしい雰囲気が映えました。 |
歌 唱 力 | ◎ | 松谷と三枝の透明感ある澄んだ謳いが響きよく、印象に残りました。他のシンガーも良い歌い方をしていますが、淡いものばかりで訴求力が弱いと感じます。歌詞には強いメッセージが込めてあるだけに、据わりが悪いようです。 |
ダ ン ス | ◎ | ダンサー衣裳はターンやジャンプで映えるように計算されたのでしょう。群舞が素晴らしく、とくに一幕「プロローグ」シーンが綺麗でした。男性ダンサーの力強いダンスもありました。 |
総合評価 | ◎ | 前作に比べるとシナリオが整い、作品全体のバランスも良くなっています。演技派のベテラン俳優を揃えてあり、落ち着いて見られる作品でもありました。 三宅島復興のチャリティー公演ということですが、シナリオとの相関性は全くなく、公演回数も少ないことが気になりました。客入りはまずまずながら、「ぴあ売り」の前方センター席に空席が多かったことが惜しまれます。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
||
ア ク セ ス | ||
劇団A Musical Note 事務所/志木市柏町6−27−20−206 Tel: |
||