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ミュージカル作品紹介(第304回)
フ ル ・ モ ン テ ィ
■鑑 賞 日 平成14年8月17日(土) マチネ
■劇 場 名 東京国際フォーラム・ホールC(有楽町)
■料  金 全席指定�,000円(前売料金)

■原  作 オン・ミュージカル「THE FULL MONTY
 脚  本:Terrence McNally(テレンス・マクナリー)
 作詞・作曲:David Yazbek(デヴィッド・ヤズベック)
 演  出:Jack O'Brien(ジャック・オブライエン)
 振  付:Jerry Mitchell(ジェリー・ミッチェル)
 美  術:John Arnone  衣  裳:Robert Morgen
 照  明:Howell Binkley  編  曲:Zane Mark
 音  響:Tom Clark,Nevin Steinberg
 舞台監督:Kimberly Fisk
■監  修 吉井 久美子 ■字幕翻訳 川本 Y子
■技術監督 眞野 純 ■舞台監督 藤崎 遊
キ ャ ス ト
ジェリー(Christian Anderson) パム(Whitney Allen)
デイブ(Michael J.Todaro) ジョージー(Jennifer Naimo)
ハロルド(Dale Hensley) ヴィッキー(Heidi Blickenstaff)
ホース(Clevant Derricks) マルコム(Geoffrey Nauffts)
イーサン(Christopher J.Hanke) ネイサン(Bret Fox)
ダンサー(Aaron Lohr)
etc.
ス ト ー リ ー
 離婚した妻パムに、息子ネイサンの親権を取り上げられる寸前のジェリー。街に吹き荒れる不況のため失業し、悶々とした日々を送っている。ダイエット失敗を繰り返し、妻ジョージの愛情が薄れたと感じる親友デイブとともに、ストリップ劇場に忍び込む。そこで演じられるマッチョなステージ、狂喜乱舞する妻たちを目の当たりにし、自分たちもストリップで一攫千金を狙おうと決心した!
 排ガス自殺を図っていたマルコム、自分までリストラされた元上司ハロルド、老齢の黒人ダンサーホース、歌もダンスもできないイーサンを巻き込んで、メンバーを結成。劇場を一日借り切る約束をし、連日の特訓を開始する。その目論見を聞き、あきれる妻、尊敬し協力する息子。
 やけくそで「フル・モンティ(素っ裸)」になると宣言し、それが評判になる。ときには、警察の留置所に放り込まれることにもなり・・。
そして、素人ダンサーによるショーが幕開ける。
コ メ ン ト
シナリオ 老人や黒人を含む失業者達がストリップで一攫千金を狙う軽妙なストーリーです。突飛な発想が前評判を裏切らず、楽しい作品です。しかし、映画を一度観た観客には、シーン展開が忠実すぎて面白さが半減します。
キャスト 映画版の出演俳優に比べると、総じて格好良い俳優を揃えています(映画版もショーでは様になりますが、貧相さが際立ちました)。奥様役も少し若い女優を当てているようです。
ナンバー ソロに良いナンバーがありましたが、付け合わせという印象でインパクトが弱いです。
ステージ 多数のセットが必要であり、小道具も手間が掛かっている印象です。衣裳や照明はまずまずですが、ブロードウェイ作品としては冴えないです。
演 技 力 ブロードウェイキャストということで演技は巧いです。表情や仕草も自然で、ストーリーに引き込んでくれる魅力があります。しかし、初々しさが損なわれていて、少しばかり興ざめという感じもしました。
歌 唱 力 レット・イット・ゴー」は、大きな劇場で謳うと寂寥感が漂います。ナンバーのインパクト不足もあるため、印象に残る歌唱はありませんでした。
ダ ン ス 冒頭のダンサーによるストリップダンスは、破壊力があります。後はラストまで、ダンスレッスンがずるずると続きます。
警官の制服で脱ぎ始めるラストナンバー「レット・イット・ゴー」は、リズムに合わせたストリップダンスです。しかし、観客のノリの悪さもあったものか、映えませんでした。
総合評価 レット・イット・ゴー」のダンスシーンをイメージしたポスターで宣伝していましたが、大部分はストリップに出演しようとする素人たちの心情を描くために使われています。風変わりなサクセスストーリーで、等身大の魅力を感じさせてくれます。
映画版はカメラに後ろ向きでフル・モンティですが、芝居は明転で誤魔化すために・・作品の話題性が半減です。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス

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