ミュージカル作品紹介(第291回) |
キス・ミー・ケイト |
■劇 団 東宝ミュージカル ■鑑 賞 日 平成14年7月13日(土) ソワレ ■劇 場 名 帝国劇場(二重橋前) ■料 金 全席指定 S席11,300円(JCB貸切料金) ■原 作 オン・ミュージカル「KISS ME, KATE」 作曲・作詞:Bella and Samuel Spewack(ベラ&サミュエル・スプワック) 脚 本:Cole Porter(コール・ポーター) ■翻 訳 丹野 郁弓,小田島 雄志 ■訳 詞 なかにし 礼 ■演 出 吉川 徹 ■振 付 セルジオ・トゥルヒーヨ ■装 置 和田 平介 ■照 明 服部 仁 ■音 響 大坪 正仁 ■衣 裳 宇野 善子 ■音楽監督 甲斐 正人 ■歌唱指導 岡崎 亮子 ■製 作 宮崎 紀夫 |
キ ャ ス ト |
リリ (一路 真輝) フレッド (今井 清隆) ビル (赤坂 晃) ロイス (伊織 直加) ギャングA (太川 陽介) ギャングB (伊吹 吾郎) ハッティー (春風ひとみ) ポール (本間 憲一) ハリ− (林 アキラ) ハウエル (沢木 順) ほか多数 |
ス ト ー リ ー |
ボルチモアのフォード劇場。フレッドが主演・主宰するミュージカルの開演直前。ヒロインは、元妻リリ。焼き餅焼きだが、今でも悪からず思っているらしい。ふとした手違いから、新人女優ロイスに粉を掛けたのがバレ・・リリはヘソを曲げてしまう。 折しも、開幕。作品は、シェークスピア名作「じゃじゃ馬ならし」のミュージカル版。リリ演じるケイトは、フレッド演じるペトルーチオと舞台で大げんか。つかみ合いの喧嘩の挙げ句に・・フレッドによる折檻まで。幕が下りて、大混乱となる。 人違いからギャングA&Bに付け馬されるものの、リリを脅迫して公演続行を促すフレッド。リリの愛人の将軍ハウエルが押し掛け、楽屋裏はますます混迷する。果たして、二人の仲と公演の行方は・・? |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ | シェークスピア名作を、劇中劇として一解釈を与えた作品です。男尊女卑・女性虐待との批判を、噛み合わない元夫婦に演じさせて中和するという変わり種です。時代設定がやや古く、小難しいセリフ回しが難解です。 |
キャスト | ◎ | 東宝の良質キャストですが、ミスマッチな印象が強いです。クセの強い作品だけに、本作を咀嚼した上でキャストを組み直すのが良いのでは、と感じました。 |
ナンバー | ○ | 少しレトロなナンバーが並んでいます。翻訳の問題があるのかリズム感が悪く、シンガーとのバランスも悪い印象でした。 |
ステージ | ◎ | 舞台中舞台・楽屋裏・ホールなど凝った作りが多くありました。手を掛けすぎている感もありました。 ケイト役の青ドレスは、宣伝にも使われるほど印象が強いです。他の衣裳にも手が掛かっていますが、舞台同様にゴテゴテ感がありました。 |
演 技 力 | ☆ | 一路は、我が儘なお転婆ぶりを発揮し、所作・セリフ回しともにハイテンションでした。今井も、負けずに暴れ回り、面白いコンビネーションを見せます。 伊織・沢木・赤坂は、存在感が薄くなりがちで、せっかくのシーンを生かし切れていないようでした。主役に喰われたことも一因と思われますが。太川の陽気で飄けた芝居が、ひと味有りました。 |
歌 唱 力 | ○ | ナンバーに課題があるため、歌唱全体が霞んでいました。一路・今井は、持ち前の歌唱力を無駄に費やしていたようでした。惜しいです。 |
ダ ン ス | ○ | ダンスは、無意味なリピートのあるナンバーばかりで、物足りません。本間のタップが見られる「クソ暑い」は、ストーリーから外れており、蛇足的でした。 |
総合評価 | ◎ | ブロードウェイではリメイク版が上演されていたものの、テロ事件直後に閉鎖するほど客入りが低迷していたようです。作品に対する評価は高いとのことですが、東宝輸入の娯楽性が高い作品群の中では、低評価な作品になると思います。ナンバーとキャストには改善の余地がありそうですが。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
東宝ミュージカル | ||