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ミュージカル作品紹介(第234回)
ミス・サイゴン・オン・ブロードウェイ
■劇 場 名 BROADWAY劇場(NY)
■鑑 賞 日 平成12年8月9日(水) マチネ
■料  金 全席指定$ネ70ドル(最前列!)

■原  作 フレンチミュージカル「MISS SAIGON
 脚本・作詞� Boublil
 脚本・作曲� Schonberg
■演  出� Hytner ■監  修� Mackintosh
■作  詞� Maltby ■舞台監督� Alger
■美  術� Napier ■照  明� Hersey
■衣  裳� Neofitou, Suzy Bernzinger
■音  響� Bruce
キ ャ ス ト
The Engineer(Joseph A. Foronda) Kim(Melinda Chua)
Chris(Michael Flanigan) Tam(Gail A. Quintos)
Thuy(Edmund Nalzaro) John(Charles E. Wallace)
Ellen(Margaret Ann Gates)
etc.
ス ト ー リ ー
 米軍撤退間近のサイゴン。Engineerの経営するナイトクラブを訪れた米兵Chrisは、親友Johnの勧めでバー・ガールKimと一夜を共にした。純粋な彼女に惚れ込んだChrisは、翌日にベトナム流の結婚式を挙げたのだが、ベトコンの侵攻で本国へ撤退させられた。米兵との結婚を詰る許嫁Thuy、彼は村と家族を捨ててベトコン幹部に成っていた。Chrisの子Tamの存在に逆上したThuyを、Kimは殺してしまう。
 時は流れて・・KimはEngineerと共にバンコックへ逃れ、待ちに待った再会を迎える。しかし、ChrisがEllenと結婚していたことにショックを受けた、Kimは・・
コ メ ン ト
シナリオ 日本でも絶賛を受けたアジア系作品です。目まぐるしい場面展開で、観念的なシーンも多いために、必ずしも分かりやすいとは言えません。ナンバーとの和合性が高く、全体的に纏まっている良作です。
キャスト アジア系俳優が多く採用されている、異色キャストです。ロングラン作品であるだけに、キャストのレベルは高いです。
ナンバー The Confrontation」「Sun and Moon」「The Last Night of the World」「I'd Give My Life for you」など良いナンバーが沢山あります。「The American Dream」を英語で聴くと、ひと味違います。
日本で上演されるレビューショーでも定番となるナンバーが目白押しです。
ステージ 登場シーンが多いせいか、セットはシンプルに徹しています。電飾は派手に活用され、小道具も多いですが、シンプルさは変わりません。しかし作り込みは精緻で、エンジニアのボロ小屋、ダンサーの泊まり部屋など、見事です。ヘリコプターやホーチミン像の登場するシーンは、圧巻でした。
Kimの民族衣裳は、刺繍入りで美しいものでした。ダンサー達の衣裳は、時代らしさが良く出ています。照明の生かし方が巧く、陰影に富んだスペクタルな印象が強いです。
演 技 力 Chuaは、序盤のおどおどした処女のイメージから、終盤の力強い母親まで、大きく変化を遂げて見せます。Forondaは、アクが少し弱い印象でしたが、堂々とした貫禄がありました。Narzaloも颯爽とした軍人と、不気味な亡霊の演じ分けが見事でした。Flaniganは明朗で聞き取りやすい発声で、力強い目配りが魅力的でした。
歌 唱 力 Chuaは、情感の籠もった綺麗な声で唱います。しかしデュオになると、少し唱い負けている印象を受けました。Gatesは、低音から高音までテクニカルに聴かせます。Forondaは、汗を流して力強く唱いますが、叫ぶ感じで美しくありません。
ダ ン ス The American Dream」のダンスが定番です。
一幕最後のダンスシーンが壮観でした。ホーチミン像を前にして、筋骨隆々のダンサーが派手なアクションを見せ、市民による行進なども迫力を感じました。
総合評価 昨年12月にクローズしました。フランス発のアジア系作品として、異色な存在でした。Kimの可憐さ健気さが受けるそうで、ベトナム戦争をテーマにしながらも人気が高かったそうです。
Chuaは、小柄で美しい肢体を持ち、Kimのイメージによくマッチしていると思います。声が少し弱いのが残念でしたが、素晴らしい女優だと思います。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
BROARDWAY劇場(1681 Broadway at 53rd Street,NY)
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