ミュージカル作品紹介(第219回) | ||
フー・セイブ・マイ・マインド | ||
■劇 団 舞台企画タキオン ■鑑 賞 日 平成13年4月7日(土) マチネ ■劇 場 名 ブディストホール(築地) ■料 金 全席自由�,000円(前売料金) ■原 案 ミュージカル?「WHO SAVE MY MIND」 脚 本:Thomas Barker 音 楽:Prema J.Citadel ■脚色・演出 小林 毅 ■振 付 高井 義則 ■照 明 三田 弘明 ■音響協力 高瀬 勉 ■制 作 佐竹 悠 |
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キ ャ ス ト | ||
チャーリー (阿部 佳久) ダイナー (宗田 舞子) ラウダー (原 丈二) パープル (清水 祥恵) エリーゼ (田中 博美) ケーン (斉藤 芳) ダディー (有馬 定臣) |
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ス ト ー リ ー | ||
王子チャーリーは、兵役を理由に恋人パープルを置き去りにした。退役後に、少し変わり者の保母ダイナーを迎えたものの、人妻となったパープルとの交際を続けている。側近ラウダーや女王エリーゼが諫めるのだが、聞き入れない。 孤独なダイナーは、医師ケーンや自惚れ屋ダディーらに愛想を振りまいている。それはそれで許せないチャーリーは・・・ |
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コ メ ン ト | ||
シナリオ | △ | 原作でこれほど酷く無いだろうと思いますが、断片的で脈絡のない展開でした。つまらない会話や冗長なシーンに時間を費やしたかと思えば、いきなり話が飛んでしまうため、強い戸惑いを感じました。 チャーリーとダイナーはどこで結婚したのか、ダディーはパープルの相手では無かったのか、不明です。エリーゼの登場も唐突で、必要性がはっきりしませんでした。 |
キャスト | ◎ | 演技は巧いです。ストレートプレイ向きな俳優が揃っています。しかし、シナリオの不味さがあって、十分に活かされていません。ダンスはほどほどですが、歌唱はサッパリでした。 |
ナンバー | ○ | 全曲の歌詞がプログラムに掲載されてありました。メロディはそう悪くないと思いますが、翻訳されたらしい歌詞が韻を踏んでおらず、感動がありません。歌い手の心情を伝えるために、音韻を大事にして欲しいと思います。 |
ステージ | ○ | シンプルですが、チケット代から比べると随分と安手な印象です。真正面に登退場用のお立ち台があり、ハの字に原色ペンキ塗りの木製ベンチ、その両外に鉄骨組みとカーテンがありました。何かを象徴しているのかも知れませんが、無い方がスッキリするぐらいのセットです。 |
演 技 力 | ☆ | 原は、やや暑苦しい演技ですが、気迫を感じる真剣な立ち回りでした。声音は作りすぎです。有馬も暑苦しい演技ですが、空回りが目立ちます。斉藤は医師役が良く、人待ちする表情や仕草が絶妙でした。阿部は落ち着きある演技ですが、空々しさが漂っていました。シナリオの不味さによるものでしょう。 宗田は芝居初舞台とありましたが、強張ってぎこちない演技が気になりました。清水は良さがありましたが、出番が少なく惜しいです。田中は表情が硬いですが、作りは巧いです。 |
歌 唱 力 | ○ | 宗田と清水の声質が綺麗でしたが、声量に欠けるとともに、情感が足りませんでした。ナンバーの不出来にも理由があると思います。ソロは聞き苦しく、コーラスはマチマチで迫力を欠きました。 |
ダ ン ス | ○ | 軽いステップのものは何度かありましたが、印象に残りません。清水のターンは、軸足が安定すれば見応えが出ると感じました。 |
総合評価 | ◎ | ストレートプレイに徹すれば、あまり粗も目立たず、良い作品になると思います。キャストの質が良いので、脚本と演出がかなり頑張る必要があるでしょう。限りなく○に近い、◎評価です。 今回も小林氏の高慢さが鼻に付きました。正統に迎合しないが、異端にも徹しきれない半端なスタンスを感じます。前々作は酷評、前作は無評としましたが、自ら「絶賛」と評していました。アンケートの質問項目の全てに英文を併記しているのも、問題があるかと。学生劇でなく商業劇であるところを意識して頂きたいです。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
舞台企画タキオン 事務所/東京都世田谷区世田谷2−5−17 Tel: |
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