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ミュージカル作品紹介(第218回)
歌舞伎ミュージカル 真夏の夜の夢
■劇  団 劇団鳥獣戯画
■鑑 賞 日 平成13年4月28日(土) ソワレ
■劇 場 名 本多劇場(下北沢)
■料  金 全席指定�,000円(前売料金)

■脚本・演出・振付 知念正文  ■音  楽 雨宮 賢明
■舞台美術 孫福 剛久     ■マスクデザイン 田村 登留
■殺  陣 小黒 政美     ■三味線指導 杵屋 邦寿
■照  明 池亀 誠一郎    ■音  響 知恵理丸☆加藤
■衣  裳 石丸 有里子    ■舞台監督 野島 信三
■制  作 菊堂 晃,今野 美津子
キ ャ ス ト
竜田姫/手折花姫(あざち 守)   山の神/殿様  (若尾 哲平)
あまんじゃく  (石丸有里子)   河童/大家 (ちねんまさふみ)
山姥/お種   (大沼美和子)   かわうそ/熊八 (亀田 雪人)
九尾の狐/師匠 (小野作斗見)   天狗/浪人   (倉田 秀人)
蜘蛛の精/お八重(樋口 春香)   蜻蛉の精/竜之介(小野 真一)
蛾の精/お宮  (遠藤ひとみ)   木の精/雷蔵  (飯山 弘章)
                               ほか
ス ト ー リ ー
 シェークスピアの名作「真夏の夜の夢」を日本武家時代にアレンジした、コミカル劇。ハーミヤにお宮、ライサンダーに雷蔵、ヘレナにお八重、ディミトリアスに竜之介、タイタニアに竜田姫、オーベロンに山の神というキャスティング。
コ メ ン ト
シナリオ 休憩なしでは、やや長いシナリオでした。名作のパロディでありますが、会話は練られてあり、見せ場も多い仕上がりでした。人間と妖怪を全員1人二役というのも面白く、捻り具合も利いていました。ラストの長屋衆の芝居は、いささか演出過剰で、蛇足気味でした。
キャスト 演技力が高く、鍛えられている印象を受けました。軽く細かい動作も、よく極められていました。ダンス力もまずまずですが、歌唱はいささか落ちる感じです。
ナンバー ダンスナンバーに良いものがありましたが、コーラスナンバーはあまり印象に残りませんでした。前半には、男声に女声を重ねるなど良いコーラスもあったものの、後半はドタバタで冴えませんでした。長屋衆のコーラスが比較的面白かったです。
ステージ 無数の小袖・打ち掛けを吊り下げて、森を表現した奇抜な舞台でした。人間の衣裳もキャラクターに合わせた柄・色合いを選んでいるようでした。妖怪の被り物なども手が込んでいます。山神と竜田姫を高台に上げてクルクル移動させる演出も派手でありました。音響はやや入りすぎ、照明は極端に暗かったので、メリハリを加減して欲しいです。
演 技 力
総じて演技の巧い役者を集めています。加えて、よく息が合っており、演出家の指導が行き届いているようです。その演出家である、知念の大家としての演技が目を惹きました。老人らしい仕草をよく表しており、若々しい動きを見せる河童と対照的でした。
若尾の堂々とした演技は貫禄があり、飄けた芝居ぶりに笑いを誘います。あぜちの不気味な芝居口調は、怪しく面白いものでした。石丸の軽い身のこなし、絶妙の間が良かったです。やや演技過剰で存在が浮いてもいましたが。
歌 唱 力 歌唱で際立ったキャストがありませんでした。
ダ ン ス モーションが比較的揃っています。足回りの動きは派手ですが、大人しいダンスがほとんどでした。側転などをこなすキャストは多いですが、リズミカルで大きい動きが欲しいです。フィナーレは、「花の」と称するほどの迫力が感じられませんでした。
総合評価 この劇団の真価にやっと触れた感じがします。知念氏演出作品は確かに素晴らしいです。演技は申し分ありませんが、ダンスと歌唱の強化を図って頂きたいと思います。演劇界は絶不況にありますが、だからこそ質的充実を重視して欲しいです。
今回は寒いギャグが目立ったためか、観客のノリに欠けたようです。拍手も不足でした。次回作の予告編を演じてみせるのも斬新ですが、観に行きたく無くなるような予感です。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
劇団鳥獣戯画
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