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ミュージカル作品紹介(第163回)
キ  レ  イ
〜 神様と待ち合わせした女 〜
■劇  団 大人計画
■鑑 賞 日 平成12年6月17日(土) ソワレ
■劇 場 名 シアターコクーン(渋谷)
■料  金 全席指定�,300円(JCB特別前売料金)

■作・演出 松尾 スズキ     ■音  楽 伊藤 ヨタロウ
■美  術 逆柱 いみり     ■振  付 八反田 リコ
■照  明 中山 安孝      ■衣  裳 田中 亜紀,戸田 京子
■音  響 山岸 和郎      ■舞台監督 青木 義博
■技術監督 眞野 純       ■ヘアメイク 四方田 公子
■映  像 奥 秀太郎      ■電  飾 奥田 イルミカ
■制  作 加藤 真規,竹本 宣彦,村上 仁之,町田 直子
■主  催 TBS,bunkamura
キ ャ ス ト
ケガレA   (奥菜  恵)   ミサ/ケガレB(南  果歩)
ハリコナA  (阿部サダヲ)   ハリコナB  (篠井 英介)
キネコ    (片桐はいり)   ジョージ   (松尾スズキ)
ダイズ丸   (古田 新太)   カスミ    (秋山菜津子)
カミ    (伊藤ヨタロウ)   マジシャン  (山本  密)
ジュッテン  (宮藤官九郎)             ほか多数
ス ト ー リ ー
 三つの勢力が激しく争うパラレルワールドの日本。そこでは人間の兵隊の補充として、同時に食料となるダイズ兵が戦っていた。キネコらはダイズ兵の遺体を回収して缶詰工場へ転売することで生計を立てていた。そこへ唐突に登場した風変わりな少女ケガレ。彼女は昔の記憶をすっかり失い、ハリコナらと遺体回収に励むのだった。やがて少しずつ過去の記憶が繋がってきて、10年間ある地下室で過ごしてきた長くて忌まわしい人質生活の記憶が甦ってくる。そして、カミの存在が・・・。
コ メ ン ト
シナリオ ストーリーは、過去と現在と未来が複雑に錯綜しており、かつ少しずつ時間軸がずれている分かりにくい展開です。しかし、随所に盛り込まれたコミカルな会話・不可解な展開・ノリの良いリズムが繰り広げられて、独特の世界が築かれています。
ベタギャグとコテギャグが多すぎるのが気になりますが、コメディとしては秀逸の部類に入るでしょう。また上演時間が3時間を超えるため、かなり疲れました。
キャスト
松尾率いる大人計画のメンバーが冴えています。客演の質も高く、各界で名の知られた名優が揃っている印象です。演技派が多い中で、なかなか歌もダンスも個性があります。
ナンバー ジャズ・ロック・タンゴ・ボサノバと多種多彩で、その随所にギャグが織り込まれているのが楽しいです。
キレイ」「いつか着替えたきがする」「事実は事実」が綺麗なナンバーです。「こだくさんが好き」「ここにいないあなたが好き」「宇宙は見えるところまでしかない」と面白いナンバーが目白押しです。
ステージ 戦後の闇市のような看板群が張り付けられたガラクタのセットがあり、手前にトロッコ用のレールなども付けられています。ゴテゴテした作りですが、変なバランスを感じました。衣裳はよく吟味してあって楽しいです。
演 技 力 片桐阿部篠井古田など面白く渋い演技を見せる俳優ばかりでした。非常に濃密な味があります。奥菜は自由奔放で豪快な演技を見せ、緻密な芝居・コミカルな芝居もナチュラルに演じていました。跳び蹴り、尻たたきゲームなどもあり楽しめました。は汚れ役を見事に演じていました。
歌 唱 力 奥菜の歌声は澄んだ美しい声でした。少し控えめな歌い方でしたが感情が籠められていました。も静かに綺麗な旋律を歌い切っていました。片桐も元気のあるボサノバで、多芸さを披露していました。
ダ ン ス 剽軽で楽しいダンスがありましたが、特筆するほどにはありません。
総合評価 作りが複雑で絡まり過ぎなので気になりましたが、全体としての完成度は高く、とことんコメディを追求しつつ、訴えかけるような圧迫感がありました。こういうミュージカルもあるのか・・・と考えさせられました。
オリジナルCDが発売されています。本作の面白さがギッシリ詰まっているので、楽しんでいます。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
大人計画
 事務所/東京都世田谷区松原1−46−9   Tel:
 URL/http://www9.big.or.jp/~otona/
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