ミュージカル作品紹介(第144回) | ||
夜明けのポルカ | ||
■劇 団 未来楽団 ■鑑 賞 日 平成12年3月5日(日) ソワレ ■劇 場 名 die pratze(神楽坂) ■料 金 全席自由�,300円(前売料金) ■作 長田 育恵 ■演 出 井上 央子 ■照 明 岩下 由治 ■音 響 菊池 秀樹,小笠原 鈴 ■舞台監督 赤坂 有紀子 ■音楽監督 小林 徹也,橋本 武 ■振 付 右近 紘子,遠藤 優 ■大 道 具 秋山 雅史 ■小 道 具 岸 さおり,遠藤 優 ■制 作 安部 明子,右近 紘子,関 雅予 |
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キ ャ ス ト | ||
操 (右近 紘子) 文香 (安部 明子) 栄介 (伊藤 豊) 正宗 (大内 智) 新橋 (本多いづみ) 桑 (宮 由子) シャボ (漆畑 理絵) 冬木 (辻 総一郎) はつ子 (遠藤 優) ほか |
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ス ト ー リ ー | ||
終戦直後、東京で新劇を手掛けていたまま失踪した夫・正宗を見つけるため、単身上京してきた文香。闇市を彷徨いていたところで、操に助けられた。帰らぬ恋人を待ちつづけるという操は、かつて正宗が脚本を書いた「夜明けのポルカ」を演じた女優だった。操が守り続ける金星座に、文香も居候して正宗の帰りを待つことに・・・。 いい加減な調査を続ける自称・人捜し屋の栄介が登場。文香の願いを聞き入れた栄介は、正宗探しをロハで引き受けることになった。また戦災孤児の新橋たちも劇場に訪れるようになり、冬木率いる旅芸人の一座も滞在するのだった。劇場ばかりか、操たちの心にも、新しい風が吹き込まれるようだ。そして、正宗が帰ってきたのだったが・・・。 |
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コ メ ン ト | ||
シナリオ | ○ | やはり戦後を描くのは難しいのでしょうか。いろいろ苦労してあったようですが、結局よく分からないストーリーでした。操では見え見えの伏線かと思うと、新橋や正宗はスッキリしない展開を見せ、文香というキャラクターも活かせていない印象でした。 |
キャスト | ◎ | 面白いキャスティングだと思います。メインもサブも真剣で、演技力があります。キャストの性格付けがはっきりしない登場人物が多かったように感じました。れん・草子・好子の意味づけは? |
ナンバー | ○ | ショートものが多く、さらにリプライズも多かったのが残念です。わざわざ名曲を3つも挿入歌に使った割には、今ひとつでした。メロディは綺麗だと思いますし、バイオリン・ベース・アコーディオンの生演奏というのも洒落ていましたが・・・惜しいです。 「腕の中で」と「夜明けが来る日・リプライズ」がまずまず。 |
ステージ | ☆ | 左手奥に劇場ステージに擬した段差があった程度のシンプルなものでした。小道具も古めかしい椅子や木箱などで、時代がかった良い雰囲気でした。服の破れ・汚れやボタンまで緻密に作られた、戦災孤児の衣裳が秀逸でした。ステージングに掛かる時代考証は、素晴らしいです。 |
演 技 力 | ☆ | 右近のサバサバとして小気味いい演技が映えました。安部のハキハキした演技も良いですが、少し作りすぎて浮いた感じでした。本多と漆畑の男の子役も面白いものでした。 男優では、伊藤のとぼけた役回りが面白かったのですが、あとは辻ぐらいでしょうか。 |
歌 唱 力 | ◎ | 安部はソロで二回綺麗な声を披露していましたが、裏声で一部がかすれたのが残念です。右近は少しもの足らず、もう少し実感の籠もった唱いになって欲しかったです。長田はソロを取りながらも、調子が外れすぎでした。演技力並みに歌唱力も揃えて貰えれば、完成度の高い作品に仕上がるのでは、と思います。 |
ダ ン ス | ○ | 特筆すべき点はありません。 |
総合評価 | ◎ | 小劇場系ならではの熱意が伝わってくる作品でした。シナリオとナンバーがもう少し充実してくれると、さらに良かったのですが。何しろ1,300円という破格値でしたので多くは望みません。 東京でも1,2を争うであろうボロ劇場ですが、味わいがあります。とくに時代物を演じるには最良だと思います。楽演に成りましたが、劇場のキャパを超えた80名近くのお客様でした。この実績をもとに、もう少し大きな劇場で次回作を披露して欲しいです。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
未来楽団 事務所/Tel: |
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