ミュージカル作品紹介(第143回) | ||
山彦ものがたり | ||
■劇 団 山彦の会 ■鑑 賞 日 平成12年2月26日(土) マチネ ■劇 場 名 東京芸術劇場・中ホール(池袋) ■料 金 全席指定�,000円(前売料金) ■作・演出 有吉 佐和子 ■作 曲 内藤 法美 ■演 出 小林 裕 ■振 付 出雲 蓉 ■作曲・音楽指導 山口 e也 ■照 明 伊藤 裕爽 ■舞台監督 赤崎 ひかる ■衣 裳 山彦の会衣装部 ■制 作 高木 憲作 ■企画・制作 片山 忠彦 |
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キ ャ ス ト | ||
女の子 (吉岡小鼓音) 天女/婆ほか (旺 なつき) 漁夫/爺ほか (岸田 智史) 兎ほか (宮内 理恵) 亀ほか (山崎 岳大) 男1/ポチほか(勅使瓦武志) 男2/猿ほか (福井 貴一) 狸/石臼ほか (服部 博行) 狐/蜂ほか (佐渡 寧子) 子供/栗ほか (難波 美妃) |
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ス ト ー リ ー | ||
子供の頃に遊んだ森へ、1人で遊びに来た女の子。昔いっしょに遊んだ山彦達を呼び出して、お伽噺の世界を次々に演じていくオムニバス。桃太郎、兎と亀、馬になった人間の話、カチカチ山、羽衣、浦島太郎、猿蟹合戦、花咲爺など、社会風刺も絡めつつ本当の物語とは違った筋書きで演じてみせる・・・。 | ||
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ○ | 10名の登場人物で、次々に寸劇を見せるという感じの作品です。ギャグと風刺が絡めてあるのは分かりますが、あまりにも沢山のエピソードが盛り込みすぎてあって、疲れます。無用に長かった「馬になった人間の話」は、主張点がよく見えませんでした。 |
キャスト | ◎ | 少数精鋭ということもあり、上手いキャストが揃っています。芝居はよく揃っていて、ダンスの質も高く、コーラスもまずまず、という感じです。 |
ナンバー | ○ | ナンバーリストがないので不明です。勝手に命名しますが、面白いという点では「乙姫のタンゴ」「私は天女」が良かったです。 |
ステージ | ☆ | 舞台の真ん中に切り株(?)のようなセットがありましたが、背景さえもない超シンプルです。バックのスクリーンには、森のイメージなどが投影されていました。小道具としては、カラフルな扇子が綺麗でした。シャボン玉の演出も美しいです。 |
演 技 力 | ☆ | 小道具の少なさを演技力でカバーしてあり、大いに見応えのある演技でした。旺の婆役、山崎の亀役、福井の猿役など、冴えのあるマイムが素晴らしいです。吉岡や岸田も好演していました。演技とは関係ありませんが、服部の石臼役や狸役はハマリ役です。 |
歌 唱 力 | ◎ | 旺のソロは、少し声に衰えを感じますが、張りのある良い声でした。吉岡はあまりナンバーに恵まれず、美声が聞けなかったのが残念です。全体に、コーラスが良かったと感じました。 |
ダ ン ス | ◎ | ダンスシーンは少ないのですが、一部の例外を除いて(笑)、上手に踊っていました。何よりも足が高く上がりますし、揃えるところでは揃っていました。 |
総合評価 | ◎ | 初演から25年目になるという本作品ですが、時代的にシナリオの問題を感じます。公害問題などを取り上げた作家・有吉の作品だけに、お伽噺に無理矢理に社会風刺を入れてしまっているのが、今の時代では浮いて見えます。奇想天外ミュージカルと紹介されていますが・・・好みの問題でしょうか。少なくとも、子供向きでは無いでしょうね。 1月に中国の北京・西安・上海・杭州で海外公演を実演してきたそうです。キャストの質が高いことは、肯けます。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
山彦の会 事務所/東京都渋谷区笹塚1−28−1 Tel: |
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