ミュージカル作品紹介(第141回) | ||
MIRACLE | ||
■劇 団 イッツ・フォーリーズ ■鑑 賞 日 平成12年2月6日(日) ソワレ ■劇 場 名 東京芸術劇場・中ホール(池袋) ■料 金 全席指定 �,500円(前売料金) ■原 作 小説「MIRACLE」(辻仁成原作) ■演 出 菊池 准 ■脚本・作詞 高橋 亜子 ■振 付 大原 晶子 ■作曲・音楽監督 宮川 彬良 ■美 術 岩井 正弘 ■照 明 塚本 悟 ■音 響 松木 哲志 ■衣 裳 久保田 康子 ■歌唱指導 古賀 義弥 ■舞台監督 小谷 武 ■制 作 吉田 健二 ■監 修 土屋 友紀子 |
||
キ ャ ス ト | ||
シド (鶴見 辰吾) アル (小林 桂) ダダ (駒田はじめ) エラソーニ (井上 一馬) ミナ (横瀬 竜子) キキ (安藤 聖) 野菜売り (茂木 紗月) 老紳士/支配人(武田 茂) ディレクター (匠 耕作) ほか |
||
ス ト ー リ ー | ||
少年アルは、「雪が降ればママが帰ってくる」と父シドから聞かされていた。しかし毎年雪のシーズンに成れば南方の街へ出稼ぎに行くため、アルは未だ雪にもママにも出会えないでいた。シドは旧友の紹介でバーのピアニストに雇われたが、アル中が祟って何度もミスを重ねていた。そんなシドに好意を示すミナは、シドの名曲「MIRALE」を奏でて、アルに真実を告げるよう迫るのだった。 アルは、街で幽霊ダダとエラソーニに出会い、彼らとママ探しを始めるのだった。街の人々に迷惑を振りまいて、シドにも心配をさせるのだったが・・・かつて幽霊と行動を共にしていたという女の子キキと出会う。そこへ30年ぶりの寒波が訪れて、雪が降り始める。ママは、本当に帰ってくるのだろうか? |
||
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ | 流れはシンプルで分かりやすいですが、場面展開が急で、慌ただしいです。原作は幻想的で素晴らしい作品だと知人から聞きましたが、今ひとつ中途半端な印象を受けました。シドとアルの関係、キキの登場・・・もう少し工夫があると良いのでしょう。 |
キャスト | ◎ | アンサンブルは味のあるキャストが多いようです。しかし、メインにプロパーの団員が少ないっていうのは、劇団公演として物足りません。 |
ナンバー | ○ | 「KO・TO・RI」は素直で良いナンバーです。「雪の思い出」「祈り」とシドのパートも良かったです。テーマの「ミラクル」はちょっと物足りません。 |
ステージ | ◎ | 回転ステージを使った場面展開が多く、セットは概ねシンプルです。センターの階段状セットは、ステージの見通しが悪くなるばかりで、必要性をあまり感じませんでした。バックのライトと樹木の組合せは綺麗でした。 |
演 技 力 | ◎ | 鶴見は、くたびれた親父をよく表現していました。小林も上手いと思いますが、少年ぽい演技は大きな違和感を感じました。駒田、井上、匠はマイペースで好演していました。 フォーリーズの看板だという横瀬は、少し怠そうな演技で、やや残念な感じです。安藤は14歳の売れっ子子役だそうで、舞台度胸を発揮していました。 |
歌 唱 力 | ○ | 楽演ということもあったでしょうか、みんな疲れていました。安藤は明瞭な発声で溌剌としていますが、素直すぎました。横瀬も良い声だと感じましたが、ソロナンバーが映えず、今ひとつ。鶴見は渋みを出していたものの、パワー不足の印象でした。 年末から話題のジャズ・シンガーである小林は、すっかり声が掠れていました。子供っぽい声に拘っていただけかも知れませんが・・・地声だともっと綺麗なボイスが聴けたのでしょうか。残念です。 |
ダ ン ス | ○ | ダンスは全体に揃っていない感じで、「金色の夢」「ようこそ嘘の世界へ」では統一感がなく、個々では上手くても纏まりが感じられません。 |
総合評価 | ◎ | 元気不足という印象でした。楽演ということでカーテンコールは派手でしたが、何となくキャストに元気が感じられませんでした。初日からそうだったのかどうか分かりませんが、気怠さの伝わる作品です。 フォーリーズの新作で、これから公演レパートリーに加えていくとのことです。原作のイメージを損なうことなく、完成度の高い作品に仕上げていって欲しいと思います。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
||
ア ク セ ス | ||
イッツ・フォーリーズ 事務所/東京都港区六本木5−13−13フォンテーヌビル Tel: |
||