前回へ  ホームへ  次回へ
ミュージカル作品紹介(第137回)
ジーザス・クライスト=スーパースター
〜 エルサレム・バージョン 〜
■劇  団 劇団四季
■鑑 賞 日 平成11年12月26日(日) ソワレ
■劇 場 名 森のホール21・大ホール(八柱)
■料  金 全席指定 S席9,450円(会員割引料金)

■原  作 オン・ブロードウェイ「Jeses Christ Superstar
 脚本・作詞:ティム・ライス
 作  曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
■演  出 浅利 慶太      ■訳  詞 岩谷 時子
■美  術 金森 馨       ■振  付 山田 卓
■照  明 沢田 祐二      ■舞台監督 佐々木 久寿
キ ャ ス ト
ジーザス   (柳瀬 大輔)   使徒ユダ   (芝  清道)
マリア    (保坂 知寿)   大司祭カヤパ (佐川 守正)
アンナス   (青木  朗)   使徒シモン  (古島  肇)
使徒ペテロ  (林  和男)   総督ピラト  (谷  淳三)
司祭     (松下 武史,川地 啓友,岡本 隆生)     
ヘロデ王   (半場俊一郎)             ほか多数
ス ト ー リ ー
 ジーザスの最後の7日間を描いた作品。ヘロデ王が統治するユダヤ王国は、実質的にローマ総督ピラトの支配下にあった。さらに首都エルサレムでは、大司祭カヤパ達が権力を振るっている。人々は圧政に苦しみスーパースターの登場を待ち望んでいた。ナザレ村の大工の子ジーザスは、数々の奇跡を起こすと信じられ、自らも神の子(クライスト)と称していた。12人の使徒やマリア達に囲まれ、彼の教団は多くの民衆の支持を集めるようになる。
 為政者達はジーザスの人気の高まりを危惧し、処分のチャンスを狙っていた。そこへジーザスの先行きに不安を覚えた使徒ユダが密告に訪れる。ジーザスはユダの密告に気付きつつ、自ら孤立感に苛まれ、1人荒野に在ったときに逮捕・連行された。裁判の結果、ジーザスは十字架の磔刑が決まる・・・。
コ メ ン ト
シナリオ 100分ほどの中で、テンポ良くストーリーが展開します。シナリオ自体は聖書の記述に従っており、結末を裏切られることがありません。
キャスト 千秋楽公演ということで、ベストなキャスティングだったのではないかと思います。アンサンブルの性格付けは意識されていないのですが、集団としての動きが良く、纏まりも良いです。しかし、何か物足りないです。
ナンバー 良いナンバーが多いと思いますが、柳瀬の声が掠れて元気不足だったのが難点です。ジーザスソロも良いナンバーなのかも知れませんが・・・。
テーマ「スーパースター」はロック調の良いナンバーです(少しイメージが違う)。「私はイエスが分からない」「ゲッセマネの園」がお奨めです。個人的には「ジーザスの神殿」がお気に入りです。
ステージ
すり鉢を真ん中で割ったような、三方斜面のステージです。荒野をイメージしたもので、縁近くの岩なども含めてリアルに荒野が再現されています。
シーンは全てこのステージ上で展開され、ライトアップで軽妙な切り替えをしていました。とにかくライトワークが上手いものの、大ホールでは少し光量不足です。兵士や民衆の衣裳が、いい雰囲気です。
演 技 力 柳瀬の異常者風の雰囲気が素晴らしいです。プログラムでは目がイッていますが、遠目にもそう見える感じです。また磔刑で息絶えるシーンは、半裸の胸部と腹部を波打たせて死に絶えるグロテスクさで、見事です。はいささかオーバーな演技が目立ちますが、よくユダに成りきっている印象です。
為政者役はいずれも衣裳が違うという以上には個性が無く、誰が誰やら・・・と感じてしまいました。保坂演じるマリアもあまり目立たない印象です。
歌 唱 力 は、天井を突き抜けるような張りのある声。ホレボレします。テーマ曲では完全なロック歌手(笑)で何でここまでロックなのかな、と感じます。柳瀬は重い声ですが、掠れ気味で聞き苦しく、裏声も耳障りが良くない印象です。楽演だからなのかどうなのか分かりません。保坂は、ソロで綺麗な高音を出し切ります。そう良いナンバーでもないと感じますが、歌声に魅了される感じです。佐川は、李香蘭の裁判長ままの声(笑)。
ダ ン ス 柳瀬を囲んでの群舞が躍動感の伝わる良いダンスです。あとはヘロデ王の侍女達のダンスぐらいでしょうか・・・残りは印象が薄いです。
総合評価 完成度は高いと思います。このキャスティングなので、お得だとも思いますが、少しバランスが悪いように感じました。ウェバー作品にしては、ナンバーがしっかり整っていて、演出にケレン味もないのです(出世作ですから)。しかし、物足りなさが残ります。
たぶんロックミュージカルの看板を押し出しすぎて、作品に無理を掛けているからだと見ていますが、はっきりしません。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
劇団四季
 事務所/横浜市青葉区あざみ野1−24−7  Tel:
前回へ  ホームへ  次回へ