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ミュージカル作品紹介(第138回)
魔法使いサリー
■劇  団 劇団スターキャスト
■鑑 賞 日 平成12年1月15日(土) マチネ
■劇 場 名 東京芸術劇場・中ホール(池袋)
■料  金 全席指定 S席6,300円(前売料金)

■原  案 アニメ「魔法使いサリー」(横山光輝・作)
■脚本・演出・作詞 星 要市
■作曲・舞台監督・歌唱指導 彭 信隆
■イリュージョン プリンセス・テンコー(二代目引田天功)
■振  付 中村 陽子      ■照  明 丸山 邦彦
■美  術 河井 妙子      ■衣  裳 菊池 真澄
■音  響 志和屋 邦治     ■舞台監督 矢島 健
■監  修 那須 裕介
■制  作 阿久津 弘子,宮野 愛弓,千本木 恵美,穐田 徹也
キ ャ ス ト
サリー    (福井裕佳梨)   ナオト    (日下 守章)
松戸博士 (いまむらのりお)   大魔王・パパ (西山 栄治)
魔将軍    (星  要市)   オババ    (高橋 花子)
シーマ・ママ (岩村 果央)   シオン   (一ノ瀬めぐみ)
カブ     (木村 優希)   ポロン    (櫻井 陽子)
佐智恵    (小河原尚子)   美香     (高野 早彩)
よし子    (森  若菜)   すみれ    (北条 えん)
カエル王子  (福田 朋子)             ほか多数
ス ト ー リ ー
 マッドサイエンティスト松戸博士は、人間達を自由に操る装置を研究していた。完成を目前にしていたが、愛息ナオトを事故で失ってしまう。一層研究にのめり込む博士は、実験中の事故で闇の魔将軍達を召還してしまった。魔将軍達は、博士の研究に協力を申し出たが・・・自分たちを辺境に封印した魔界の大魔王への報復を狙っていたのだった。
 大魔王の娘サリーは、魔界の女王となる修行のため人間界で楽しい学生生活を始めていた。しかし魔将軍の罠に誘い出され、謎の青年に出会う。彼はナオトの頭脳を使ったアンドロイドで、サリーに深入りせぬよう警告を与えるのだった。
 サリーとの音信が途絶えた魔界では、魔将軍に騙された大魔王達が力を奪われてしまっていた。宇宙衛星を操り人間全てを支配しようとする魔将軍の野望を、サリーは阻止できるのだろうか・・・
コ メ ン ト
シナリオ シーンシーンは纏まっていると思いますが、時系列がバラバラで時間軸が素直でないのが大問題です。とくに子供向けとして、難解すぎるのではないでしょうか。結論は「正義が必ず勝つ」なんですが・・・。
またナオトの行動が不可解ですが、結局最後まで何が何やら・・・という印象でした。
キャスト メイン・サブにはオーディションほかで上手い俳優を登用しています。またアンサンブルに大量の女子中高生を採用していましたが、比較的練習を積ませてあるようでした。
ナンバー 全体的に抑揚を欠き、平べったいナンバーが目立ちました。歌い手の問題も絡むようですが、聴かせるというレベルには遠かったのが、残念です。
フィナーレ「サリーへの歌・リプライズ」もコーラス曲としては良いものですが、調和が取れていませんでした・
ステージ シンプルな構成でした。博士の研究室がゴテゴテしすぎで、サリーの家も造りすぎでしたが、バランスを欠いたということで、悪い出来ではありませんでした。またコスチュームは凝ったデザインでしたが、魔将軍達の実写系と、サリー一家のアニメ系では、違和感がありすぎました。
テンコーの指導だというマジックはなかなか面白いもので、空飛ぶ箒なんて洒落ています。音響はキャストの声を度々拾い損なう聞き苦しかったです。
演 技 力 いまむらが一番目立ちました。マッドサイエンティストも、優しいパパも、卑屈なオヤヂも、よく演じ分けられていました。も悪役ぶりが素晴らしかったですが、いささか演技過剰でしょう。小学4年生で初舞台だという木村も味のある堂々とした演技でした。
女優では一ノ瀬の貫禄がありました。小河原の憎々しげな演技も良かったと思います。
歌 唱 力 ナンバーの拙さというのも感じましたが、コーラスでも揃わないのは練習不足なのかどうか。演技力ほどに引き立つ存在が見当たりませんでした。
ダ ン ス ダンスではジャニーズ出身の日下が見事です。リズム感よく、ポーズのメリハリも申し分ありません。一ノ瀬の立ち回りがまずまずでした。アンサンブルのダンスは数でモノを言わせた迫力がありますが、頭一つ抜けてくるダンサーはありませんでした。
総合評価 全体としてシナリオとナンバーの力不足が目立ちます。キーワードとして、テンコー・サリー・東映・女子中高生・日下福井一ノ瀬と盛り沢山ですが、バラバラの感は否めません。キーワードも上手な活かし方があると思いますが、まとめ切れていませんね。なにより子供に分かりにくい内容というのが、周囲で聞かれた声でした。
作品の仕上がりから見て、S席4,000円当たりが見当ではないでしょうか。
読 者 の
ご 意 見

さくら(P.N.)様のコメントを、抜粋して紹介します
■フットライトのみで表情が見えないぞ、と何度か思った。
■演出の星氏がキャストであるということに問題があるのではないか。
■ダンスナンバーは沢山の人数で迫力を出すという計算はわかるが、まとまっていなければダメだろう。ただ沢山のキャストを乗せたという素人さを感じた。
■使いたいシーンを少しずつ摘み摘み並べたというような欲張りな感じがする。観ている方は退屈してしまう。子供達も集中力に欠けていたように思う。
■福井は、サリー役がマッチし印象に残った。バトンも見応えがあった。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
劇団スターキャスト
 事務局/神奈川県川崎市高津区下作延582-302 Tel:
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