ミュージカル作品紹介(第135回) | ||
ス ク ル ー ジ 〜 クリスマス・キャロル 〜 |
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■劇 団 劇団ひまわり ■鑑 賞 日 平成11年12月20日(月) ソワレ ■劇 場 名 東京芸術劇場・中ホール(池袋) ■料 金 全席指定 S席11,000円(前売料金) ■原 作 ミュージカル「Scrooge」 原 典:Charles Dickens 脚本・音楽・作詞:Leslie Bricusse 演出・振付:Tudor Davies 衣 裳:Sue Willmington ■翻訳・上演台本 劇団文芸演出部 ■訳 詞 岩谷 時子,北川 潤 ■美 術 妹尾 河童 ■照 明 吉井 澄雄 ■音楽・音楽監督 北川 潤 ■ヘアメイク 山田 操 ■舞台監督 元木 たけし ■監 修 砂岡 誠 ■制 作 三谷 夏子,田中 浩行,津田 敬子 |
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キ ャ ス ト | ||
スクルージ (市村 正親) クラチット (岸田 智史) クラチット夫人/過去のクリスマスの精霊 (日向 薫) ハリー/スクルージ青年時代 (戸井 勝海) イザベル/ヘレン (吉田 朋代) ジェンキンズ/ジャック・イン・ザ・ボックス (駒田はじめ) 現在のクリスマスの精霊 (北川 潤) マーレイ (渡辺 晃三) フィジウィッグ(福島 靖夫) ほか多数 |
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ス ト ー リ ー | ||
スクルージは偏屈の金貸し。クリスマス・イヴだというのに、あくせく金勘定に忙しい。甥ハリーがパーティーへの招待に来るが、追い返した。事務員クラチットは家族サービスに帰りたいというので、罵って帰した。自身は街へ出て、厳しい借金の取り立てに乗り出す始末で・・・イヴに沸く街の人々には、迷惑千万。 とにかく自宅に帰り着いたスクルージ。かつての相棒マーレイの亡霊が現れて、スクルージの性根を改めさせるため今夜3人の精霊が訪れる、と予告するのだった。過去の精霊が登場し、スクルージに少年時代・青年時代を見せる。現在の精霊が登場し、クラチット家とハリー家の晩餐を見せる。そして未来の精霊が・・・。 心を入れ替えて善人になったスクルージ。夜が明けたクリスマスを、いそいそと街に繰り出していく・・・。 |
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コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ | 3時間強は長すぎる作品です。少し盛り沢山なエピソードがあって、ようやく盛り上がる後半部で、観客の疲れが目立ちました。 |
キャスト | ◎ | 完璧に市村に依存したもので、出ずっぱりです。サブが2役ずつ兼ねているのも気になるところです。アンサンブルが群衆という位置づけですが、あまりにも統一感のない配置という印象です。 |
ナンバー | ◎ | 本作の看板ともいうべき「サンキュー・ベリー・マッチ」は文句無しに面白いです。とくにリプライズの振付がお奨めです。あとは「もう一度はじめるぞ」ぐらいが印象に残るでしょうか。 |
ステージ | ◎ | 事務所と自宅のセットが良い雰囲気です。セットは手が込んでいますが、繰り出し方が安っぽいので幻滅します。街のセットは遠近感を誤魔化した秀逸なものですが、これも必要性はあまり感じません。小道具はゴテゴテの印象と照明の当たり具合で、今ひとつ精細味に欠けました。 衣裳は考証してある感じですが、リアリティがありすぎて、ステージでは映えない感じです。もう少しシンプル化しても良いでしょう。 |
演 技 力 | ◎ | 市村は、説明するまでもなく名優です。つぶやき調の独り言、おちゃめな仕草、オーバーなリアクション、いずれも観客を楽しませる研究が感じられます。駒田や岸田も上手いですが、すっかり霞んでしまいます。主演に喰われている印象です。 |
歌 唱 力 | ○ | 「サンキュー・ベリー・マッチ」のコーラス以外では、今ひとつ。「クリスマス・キャロル」など聴かせるナンバーもありますが・・・。 |
ダ ン ス | ○ | 「サンキュー・ベリー・マッチ」を除くと、地味です。 |
総合評価 | ◎ | 芝居として市村1人が支えているのは、作品構成上の問題ですが、やはり厳しいです。サブが喰い過ぎてもいけないでしょうが、喰われ過ぎてもダメだと思うのです。一応は劇団公演ですから、もう少し見せ場があって欲しい感じです。 ナンバーの力不足も気になります。「サンキュー・ベリー・マッチ」は看板だけに素晴らしいですが、他のナンバーがすっかり霞んでいます。輸入物であることを割り引いても、東芸で11,000円はボッタクリです。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
劇団ひまわり | ||