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ミュージカル作品紹介(第133回)
火 の 酉 の 街
■劇  団 ミュージカル劇団DREAM
■鑑 賞 日 平成11年12月18日(土) ソワレ
      平成11年12月19日(日) マチネ
■劇 場 名 かめありリリオホール(亀有)
■料  金 全席全日自由�,000円(前売料金)

■原  案 石村 淳二
■脚本・演出 藤本 洋       音楽監督・作曲 安藤 由布樹
■振  付 原 津加沙       演技指導 矢野 宣
■歌唱指導 渡辺 昌子       殺  陣 谷代 美保子
■音  響 長澤 康夫       舞台美術 前野 秀雄
■照  明 高野 勝征       ■衣  裳 谷垣 育子
舞台監督 福嶋 勤
協  賛 亀有地区商店街協議会,亀有銀座商店街振興組合
キ ャ ス ト
周平     (秋田 高知)   亮      (早石 伸之)
文子     (前田えりな)   勇      (篠原  豊)
美沙     (小山さくら)   晃・清水   (渡部 充紀)
真理     (伊藤裕美子)   福田     (伊澤 真理)
諏訪・油売り (川崎 耕平)   はるみママ  (小林 郁子)
野沢     (今井 理恵)   前田     (佐藤 文子)
高島     (藤堂 圭太)   女子高生・主婦(内海紗奈江)
3人娘    (池田 佳江,斎藤 栄実,坂本 美穂)     
刑事     (安井 智宏)   女子高生ほか (廣富あおい)
                             ほか
ス ト ー リ ー
 神主・巫女真理の父娘が取り仕切る「火の酉神社」を核にした朝日町の下町商店街が舞台である。商店街では、街を活性化させるために、大道芸人を使った話題作りに取り組むことを考える。若手の積極的な提案で盛り上がりも見せ、瓦版屋福田も一役買っている。
 周平の八百屋はお客重視で有名、娘文子も働き者で商店街の華だ。神社で露店を出したことで暴力団員に睨まれるが、警察の協力で撃退し、何故か神社のお力との噂に。。。息子は地場銀行に務めるが、同じ商店街の高島からも融資資金を引き揚げる銀行のあり方に強い疑念を抱くようになった。周平一家をキーにした人間模様が拡がっていく。
コ メ ン ト
シナリオ 近頃低迷気味の地場商店街に一石を投じる・・・であろう作品です。協賛を取り付けた亀有商店街からノウハウを仕入れたものか、比較的地に足の付いたシナリオであると感じました。
各シーンがぶつ切り気味で、展開の不自然さは目立ちましたが、初日よりも二日目の方が格段に改善されていたので、以下二日目をベースに書きました。
キャスト メンバーの入れ替わりがあったようですが、昨年作よりも格段に実力を付けてきた印象です。とくに芝居に度胸が着き、演技に張りがあることや、自分たちで作っているという自信が溢れてきている感じです。
ナンバー 心のままに」「フィナーレ」が良かったです。神輿も登場する「藤祭り」、客席通路に展開する「チェンジ・イヤー」、商店街ラップの「朝日much」も気に入りました。
サンバ調は好きなんですが、ちょっと物足りなかったです。一幕はレトロ調のものが目立ち、元気が不足気味でした・・・。
ステージ ステージは、黒カーテン(紗幕、中引きというそうです)で仕切った前中後の三段構成で、場面展開を見せていました。後の部分は客席から遠すぎる感じでした。スモークは必要性がなかったと思います。
大道具はシンプルです。八百屋のセットだけ細々と野菜を並べてゴテゴテした印象でした。集会所のセットは、窓らしきモノとドアが安手に過ぎて、バランスが悪い出来でした。
衣裳は「火の酉舞」のものが☆。「藤祭り」の法被は協賛から提供されていました。
演 技 力 秋田が一番印象に残りました。江戸弁を駆使したオジサンらしさが研究されていました。前田の元気な立ち回りも冴え、ストーリー上欠くことができない女優ですね。相方のノリもありますが、間を上手に測ってもいました。渡部のオトボケが入った神主は面白く、押し出しの強い伊藤との名コンビで映えました。そういえば渡部は暴力団の兄貴でもあったのですね、すっかり別人(笑)。
早石が一幕の頼りない銀行員から、二幕で強い自己を持ってくる演技が見事です。自信を強めてくるのがよく分かります。またメインのキャストに共通することですが、抑揚を付けた力強い科白回しが良いですね。川崎の啖呵売は、もっと元気があると雰囲気が出たと思います。脇の女性とバックのエコーは無駄かも。川崎演じる上司諏訪役は、これも別人(笑)。
商店街の古手3人組と、3人娘は少し霞みがち・・・もう少し自己主張を強めても良かったように感じました。警察は2日目で改善していましたが、まだ捕り物としてパッとしなかったです。
歌 唱 力 前田小山が良い声で歌っていました。秋田も「藤祭り」で渋い声を絞っていました。早石は綺麗に歌うことを意識したのか、科白同様の張りが見られず、ちょっと惜しい印象でした。感情の入るナンバーだったので、地声で力一杯歌っても良かったのでは?
ソロは全体に元気が不足気味で、デュオはまずまず。コーラスは「伝えよう伝えよう」で影コーラスが目立ちすぎたことを除いて素晴らしかったです。「藤祭り」の囃し声は何と言っていたのでしょう?
ダ ン ス いろいろな出し物もあって、それなりに楽しいダンスが多かったです。概ねダンスの水準は揃っており、集団で踊ってもバラツキが少ないことが☆です。「買っておくれよ・リプライズ」と「藤祭り」がとくに印象的です。「朝日much」はドタバタに過ぎましたか・・・。
ダンスの切れと冴えでは前田が目立ち、得物を振り回しての大立ち回りも良かったです(殺陣としては少し変かな)。小山は昨年作より自然さが出ていたようです。伊澤も集団の中で引き立ちます。男性陣では秋田の頑張りが目立ちました。二人組の獅子舞も素晴らしかったのですが、踊り手は誰なのでしょう(不明)?
総合評価 前田が大活躍でした。NYで留学経験があるそうで、ダンス・芝居・歌にバランス良く実力を発揮していました。ほとんどが20代の若手と言うことでパワーがありますが、少し軽いノリになるのが難しいところでしょうか。次回作がさらに成長してくれることに期待します。ビデオができれば、ご案内をください。
2日目は少し改善されていましたが、ステージをもう少し広く使って欲しいです。いやむしろ、もう少し小さいステージの方が映えるのでしょうね。客席数とのバランスがあると思いますが、後方席から見るとかなり迫力不足が目立ってしまうと感じます。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
本公演は8枚のチケットをプレゼントしました。
ア ク セ ス
ミュージカル劇団DREAM
 事務局/東京都府中市宮西町3−16−2−302   Tel:0
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