ミュージカル作品紹介(第131回) | ||
34丁目の奇跡 | ||
■鑑 賞 日 平成11年12月12日(日) マチネ ■劇 場 名 シアターアプル(新宿) ■料 金 全席指定�,500円(前売料金) ■原 作 ブロードウェイ「Miracle on 34th Street」 原 典:Valentine Davis 脚本・作詞・作曲:Meredith Willson ■演 出 吉川 徹 ■訳 詞 岩谷 時子 ■翻 訳 吉田 美枝,大塚 みゆき ■編曲・音楽監督 栗田 信生 ■美 術 島川 とおる ■振 付 前田 清実 ■衣 裳 宇野 善子 ■音楽監督 呉 富美 ■照 明 阿部 典夫 ■音 響 小幡 亨 ■ヘアメイク 馮 啓孝 ■舞台監督 粟飯原 和弘 ■大 道 具 小宮 みか ■小 道 具 布田 栄一 ■監 修 南部 靖之,中澤 希六,太田 千尋 |
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キ ャ ス ト | ||
クリス (細川 俊之) ドリス (土居 裕子) マーチン (佐藤 輝) フレッド (加納 竜) スーザン (佐藤 悠) メイシー (佐山 陽規) ソーヤー (中村 方隆) マービン (武岡 淳一) 検事ほか (川北 良介) ほか |
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ス ト ー リ ー | ||
クリスマス間近のNY34丁目の大手デパート。ドリスは自ら仕切るパレードで、サンタの代役を捜すことになった。偶然見つけた通行人でサンタそっくりのクリスをスカウトし、その後もデパートの看板に使うのだった。ところがデパートでは、クリスが不思議な感化力で博愛精神を広め、NYの話題をさらった。家庭でのドリスは、一児スーザンの母。離婚以来、娘を唯一の拠り所に頑張ってきた。隣に越してきた退役軍人フレッドが必要以上に娘に構うのが心配・・・。 社長メイシーもクリスを気に入り、歓迎パーティーまで企画した。ところが我が儘な精神鑑定医ソーヤーの陰謀で、クリスは精神病患者として施設へ送られた。自らがサンタクロースであると証言して譲らないが、自信を無くしてしまうクリス。フレッドが弁護人を、メイシーが証人を務めて、クリスを救いだそうとするのだったが・・・判事マーチンは政治家志向のカタブツ。 |
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コ メ ン ト | ||
シナリオ | ○ | 一幕のプロットがよく分からず、混乱気味でした。個々のシーンは面白いのですが、繋がりが今ひとつ欠け、場面展開も唐突です。ヒット映画を意識しすぎているのかも知れません。 ソーヤーの話、フレッドのポーカーなど少し削って、クリスと人々の出会いをもう少し自然に見せてくれると名作となるでしょうが・・・ブロードウェイではどうなのでしょうか。 |
キャスト | ☆ | 良いキャストが揃っていると思います。アンサンブルの質も高く、子役もなかなか素晴らしい演技派揃いでした。 |
ナンバー | ◎ | 全編で48曲もありますが、その分だけショートなものが多く残念です。曲は綺麗なものが多く楽しいですが、歌詞の翻訳に問題を感じました。とくに字余り気味だったのと、難しい言い回しを使いすぎの印象です。「愛、お願いよ」「腕組もう」が良かったです。 |
ステージ | ◎ | ステージ上に三分割された、段差付き可動式ステージが秀逸です。両脇のステージが交互または同時に出てきて、素早い場面展開を見せていました。その周囲を玩具入りのカラフルなボックスで作ったアーチがありましたが、電飾が暗く少し目障りな感じでした。衣裳は派手なものもありましたが、もう少し調和が取れれば良かったでしょうか。 |
演 技 力 | ☆ | 細川は俳優歴が長いだけに貫禄があります。日頃怖い役回りが多いためか、人の良い老人というのは意外です。「本当に変人なんじゃないか」という味があって素晴らしいです。加納は実に格好良いプレイボーイを演じていましたが、コミカルな演技も素晴らしいです。 土居は、見せ場が豊富でしたし、メインでないときもアレコレ面白い動きを見せて隙がありません。厳しいキャリウーマン、気の若いママ、思いこみ激しい未亡人、恋に焦がれる1人の女性・・・それぞれを短いステージで演じ分けるのは大変でしょう。ステージで大いに魅せてくれる素晴らしい女優です。何より顔も体も上手に作り、チャーミングです。 |
歌 唱 力 | ○ | 土居は少しやつれ気味でした。もっと声の出るところで出ておらず、楽演まで保たせるので精一杯だったでしょうか。美声を楽しみにしていただけに残念です。細川は声量がありますが、ところどころ調子が外れ気味でした。こちらも疲れが入っていたかな、と感じます。加納も渋いですが、聴かせるまでには力不足でしょうか。佐藤は通りの良い声で頑張っており、土居とのデュオも綺麗なハーモニーでした。 |
ダ ン ス | ○ | アンサンブルのダンスは動きが派手ですが、全体に纏まりが無く、散漫気味でした。衣裳の不揃いも足を引っ張っているかと思いますが、疲れもあるのでしょうか。土居のフラメンコ擬きもバランス感が悪い印象でした。 |
総合評価 | ◎ | ファミリーミュージカルにありがちなターゲットを絞りきれない演出、ブロードウェイ物にありがちな翻訳の不自然さ、いろいろ難点を感じました。二幕は大いに笑わせ、泣かせてくれるのですが、一幕での伏線が不自然で纏まりに欠けていました。 千秋楽公演の観劇に成りました。期待した舞台挨拶は、細川がボソッと話したきりでした。全国を巡ったためか、キャストが全員疲れ気味であったように感じました。チケットを取りながら、亀有の開幕公演を観に行けなかったのが残念です。今回は再演でしたが、再々演で一層のパワーアップがあることを期待します。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||