ミュージカル作品紹介（第１１９回）
カ　ル　メ　ン
■劇　　団　東宝ミュージカル ■鑑 賞 日　平成１１年１０月３０日（土）　マチネ ■劇 場 名　青山劇場（表参道） ■料　　金　全席指定�,800円（ＪＣＢ貸切公演料金） ■原　　作　歌劇「CARMEN」 　脚　　本：Prosper Merimee 　音　　楽：George Bizet ■脚　　本　堀越　真　　　　　　■訳　　詞　及川　眠子 ■演　　出　吉川　徹　　　　　　■音楽監督　甲斐　正人 ■声楽監督　北川　潤　　　　　　■装　　置　堀尾　幸男 ■照　　明　服部　基　　　　　　■衣　　裳　小瀬川　雅敏 ■音　　響　大坪　正仁　　　　　■アクション　渥美　博 ■制　　作　酒井　喜一郎，岡本　義次
キ　ャ　ス　ト
カルメン　　　（大地　真央）　　　ホセ　　　　　（錦織　一清） エスカミリオ　（石井　一孝）　　　ミカエラ　　　（鈴木ほのか） ダンカイロ　　（宮川　　浩）　　　スニガ　　　　（梅津　義孝） レメンダード　（福井　貴一）　　　フラスキータ　（岡田　　静） メルセデス　　（麻生かほ里）　　　パスティア　　（近藤　洋介） ラ・ロリョーナ（江波　杏子）　　　　　　　　　　　　　ほか多数
ス ト ー リ ー
自由気ままな生活、自由気ままな恋を楽しみたい、ジプシー女カルメン。怪しい雰囲気を醸し出す彼女に、セビリアの男たちは夢中だった。セビリアに着任した竜騎兵指揮官スニガは、拒絶された腹いせにカルメンを逮捕して、伍長ホセに監獄までの護衛を命じた。カルメンの色香に迷わされたホセは、彼女の逃亡を手助けして牢屋暮らしに。しかし、二人には本当の愛が芽生えたらしいのだった。 　カルメンが待つ酒屋（密輸組織のアジト）で、スニガを殺してしまったホセは、そのまま組織に入ってジプシー仲間になった。しかし罠に填められたた組織は壊滅させられ、カルメンの身代わりに負傷したホセは、セビリアに戻り棲んだ。つかの間の新婚気分を楽しみたいホセだったが、カルメンは自分を束縛するホセに距離を置き始める。そこへホセの許婚ミカエラと、カルメンと波長の合う闘牛士エスカミリオが登場する。
コ　メ　ン　ト
シナリオ	◎	どこまで原作に忠実なのか分かりませんが、構成・時間配分ともに良い仕上がりであると感じました。初演よりも大幅に手を加えたということなので、完成度が上がったものでしょうか。
キャスト	◎	メインキャストは、東宝ならではの豪華なキャスティングです。アンサンブルも大物はいませんが、結構レベルが高いようです。
ナンバー	○	ビゼーの名曲がズラリと並びます（当然ですが・・）。コーラスでは「自由の天地」「あたしが投げた花を・リプライズ」「闘牛士をたたえて」が良い感じでした。しかしソロは今ひとつです。
ステージ	◎	闘牛場をイメージした半円形の２階ステージが大半を占めます。セパレート式なので、適宜切り離し・回転など工夫して、場面展開を演出していました。洞窟・酒場のセットは手が掛かっている割に冴えませんね。
演 技 力	◎	大地が気怠そうに演じすぎたのが残念です。魔性の女は日頃の大地路線と違うのでしょうが、もう少し工夫して貰えると良かったです。錦織は序盤の純情青年から、中盤以降の不貞不貞しい自信過剰な男へ変化するのが良い感じです。石井の伊達男は、若干腰が引けている感じで虚勢がちでした。もう少し自信過剰な男を演じて魅せて欲しいです。
歌 唱 力	◎	大地が歌う「自由な小鳥」は、もっと名曲らしく聴かせて欲しいです。演技同様に少し気怠さを全面に出しすぎた印象でした。 コーラスは全体によく調和しており、纏まりのある印象でした。
ダ ン ス	◎	特にコメントすべき点はありません。
総合評価	◎	小さく纏まった作品という印象を受けました。原作の歌劇は観ていませんが、なかなか圧巻だという話で、比べてしまうのも酷ですが、ずいぶんと厚みに欠けてしまった出来映えです。 どうでも良いことですが、ビゼーの名曲を生演奏で聴けたのは、とても素晴らしいことでした。東宝は割高ですが、生演奏にこそ価値があります。
上記コメントはポン太の主観＆独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア　ク　セ　ス
東宝ミュージカル