ミュージカル作品紹介(第107回) | ||
ラ・マンチャの男 | ||
■劇 団 東宝ミュージカル ■鑑 賞 日 平成11年9月4日(土) マチネ ■劇 場 名 青山劇場(表参道) ■料 金 全席指定�,500円(JCB貸切料金) ■原 作 オン・ブロードウェイ「ラ・マンチャの男」 脚 本:デール・ワッサーマン 音 楽:ミッチ・レイ 作 詞:ジョオ・ダリオン 演 出:アルバート・マーリ ■翻 訳 森 岩雄,高田 蓉子 ■訳 詞 福井 峻 ■振 付 坂上 道之助,森田 守恒,エディ・ロール ■演 出 中村 哮夫,エディ・ロール ■装 置 ハワード・ベイ,真木 小太郎,田中 直樹 ■照 明 吉井 澄雄 ■音楽監督 滝 弘太郎 ■製 作 宮崎 紀夫,岡本 義次 |
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キ ャ ス ト | ||
ドン・キホーテ(松本幸四郎) アルドンサ (鳳 蘭) サンチョ (佐藤 輝) 宿屋主人 (上條 恒彦) カラスコ博士 (浜畑 賢吉) アントニア (松 たか子) 神父 (石鍋多加史) 床屋 (駒田はじめ) 隊長 (大石 剛) ムーア人の娘 (萩原 季里) 家政婦 (荒井 洸子) ほか多数 |
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ス ト ー リ ー | ||
徴税吏だったセルバンテスは教会を差し押さえたことで宗教裁判に掛けられることになった。放り込まれた牢獄では、牢名主らによる別の裁判が行われることになった。セルバンテスは機転を利かせ、自ら演じるドン・キホーテという人物を主人公とする寸劇を演じ、囚人たちを説得しようと試みるのだった。囚人達も自分たちの役割を受け入れて、寸劇に参加するのだった。 気の狂ったキホーテは従者サンチョを連れて、怪物に見立てた風車と対決、城に見立てた宿屋へ押し掛け、姫に見立てたアルドンサに忠誠の対象を求める。宿屋のならず者達と対決するキホーテだが、その行動を心配した姪アントニアの許婚カラスコらが説得にやって来る。狂人と知りつつも純情なキホーテに恋したアントニアは・・・ |
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コ メ ン ト | ||
シナリオ | ○ | セルバンテスを主人公に据えたプロットは面白いですが、くどい展開です。ならず者とアルドンサのシーンは冗長に過ぎ、ムーア人のダンスも位置づけがはっきりしません。むしろ風車と対決するシーンなどを膨らませて欲しいです。 |
キャスト | ◎ | ベテラン所の集まったキャスティングですね。しかし、松本を客寄せに使った感じが拭えません。 |
ナンバー | ○ | 音入りが悪かったのかどうか不明ですが、全体に聞き取りにくいナンバーが多くて、冴えません。テーマの「見果てぬ夢」がまあまあという感じです。 |
ステージ | ◎ | 平常ステージの上にもう一段巨大なステージが構築されていました。手前に回り階段と出入り口があり、若干張り出しに成っていました。前方列からは、傾斜が大きいので見えにくいです。またステージ後上方から釣り階段が降りてきて、外界と牢獄の境界を象徴しています。衣裳は立派に時代考証されています。 |
演 技 力 | ◎ | 松本の舞台を圧倒する成りきり演技は、さすがに歌舞伎役者です。ただ足運びが歌舞伎風なのは気になります。鳳の野性味ある怪しい雰囲気は素晴らしいです。佐藤の従者もハマリ役で、オトボケ演技が映えます。上條は勿論貫禄を感じます。松は自己主張がかなり弱いので気付きませんでした。 |
歌 唱 力 | ○ | 松本は声量があり感情も込められていますが、声がくぐもり抑揚も欠けているのが難点でしょうか。鳳は終始ガラガラ声で、聞き苦しかったのが残念です。松は前評判ほどに声が澄んでいませんでした。 |
ダ ン ス | ○ | ムーア人のダンスはフラメンコ調ということでしたが、物足りませんでした。ならず者とアルドンサの格闘ダンスも長い割に意図が伝わってきませんでした。 |
総合評価 | ◎ | すでに初演から30年ですが、ずっと主演の松本は、多分にミュージカル向きでない問題を感じました。観客の大半は作品よりも松本を観に来ていますので、東宝の中でも割高なチケット代であっても、観客は満足されるようですね。 原作の縛りが大きいと思われますが、キャラクターの個性付けを修正したりしているので、シナリオにも少し手を入れて良いと思います。新世紀に向けて新趣向を! |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
東宝ミュージカル | ||