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ミュージカル作品紹介(第106回)
アイ・ハヴ・ア・ドリーム
■劇  団 ミュージカル座
■鑑 賞 日 平成11年8月26日(木) ソワレ
■劇 場 名 六行会ホール(新馬場)
■料  金 全席自由�,000円(前売・当日共通)

■作曲・音楽監督 山口 e也
■作詞・脚本・演出 ハマナカトオル
■美  術 松野 潤       ■照  明 和田 典夫
■音  響 稲垣 靜明      ■衣  裳 神場 靖江
■舞台監督 藤間 浩也
キ ャ ス ト
ジャネット  (吉岡小鼓音)   フィリス   (伊東 恵里)
マイク    (砂山 康之)   アネット   (松岡 美希)
ベス     (増田  愛)   アンジェラ  (川田真由美)
トム    (国友よしひろ)   スパイク   (竹本 敏彰)
リン     (狩俣 咲子)             ほか多数
ス ト ー リ ー
 ジャネットはアネットの経営する黒人商店に勤めている。女手一つで弟マイクを育ててきたが、マイクが白人による迫害に怒ってスパイク率いる不良グループに加わったのが心配だ。ジャネットの親友フィリスは80%以上白人の混血黒人で、婚約を披露して祝福された。しかし、相手が白人トムと知った仲間たちは浮かぬ顔だ。
 折しも黒人差別の激しい中、トムの実家が経営するバス会社で黒人女性が暴力を振るわれる事件が発生した。キング牧師の非暴力非服従思想に賛同した黒人たちは、バス会社のボイコット運動を展開し大騒動となる。トムは黒人迫害組織のKKKに加盟し対決の姿勢を示した。一方、KKKにリンチを受けたマイクは、心を入れ替えキングに従って運動に参加するようになる。傍観者だったジャネットも当事者に加わることになり・・・
コ メ ン ト
シナリオ
久々に出会った完成度の高いシナリオ作品です。黒人と白人の対立の歴史を、キャストの家族に起こった出来事として語らせ、一つ一つ事実を積み上げることで深みを増していく心憎い筋立てでした。アネットの女性店員、不良グループ、KKKの3グループに色分けした分かりやすいシーン展開も優れものです。
キャスト 今回の公演はA組でした。アンサンブルの個性付けが不十分でありますが、看板女優がしっかりリードし、中堅キャストがフォローしていたので、ほとんど気になりませんでした。
ナンバー コーラス曲「自由への行進」「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」が迫力のあるナンバーです。リプライズされる度にパワーアップしていきます。しかし残りのナンバーはいずれも冴えません。ソロ曲では「私にできること」がまずまずです。
ステージ
アネットの店は多すぎるほどの小道具が出現しますが、残りのシーンは限りなくシンプルなので、そのコントラストが映えます。黒人としての服装・アクセサリー・髪形がよく考証されていました。しかも何種類もの類型を提示したのは、大変な努力であったでしょう。
演 技 力 吉岡の力強い演技は健気さを強調して素晴らしいものでした。抑揚のある語り口調も優れています。伊東は今少し見せ場が少ないですが、頼りなげで一途な演技がまずまずでした。狩俣はやや気の抜けるシーンがありましたが、熱演していたように思います。男優では砂山が好演していましたが、四季出身という国友は半端な演技でした。
歌 唱 力 コーラスは力強さが全面に出て、聴かせるという感じではありませんでした。ソロでフォローして欲しいところでしたが、これもすぐにデュエットなどに変わって物足りない感じでした。吉岡は張りと伸びのあるアルト声ですが、二幕で活躍できないのが残念です。
ダ ン ス 一幕ではにぎやかで派手なダンスなどを見せますが、オーバーアクションが気になります。二幕でダンスが目立たなくなるのも残念です。シナリオの充実度が高い分だけ時間的制約が大きかったと言うことでしょうか。
総合評価 ミュージカル座の看板作品であるだけに迫力を感じました。シナリオの完成度が高いですが、ナンバーとダンスが若干霞むのが勿体ない感じです。ナンバーはソロの充実を、ダンスは2幕にも見せ場を作ってくれればなぁ、と感じます。またA組に比べるとB組のダブルキャスト公演が弱いとのこと。そろそろダブルキャスト体制を見直しても良いのでは?
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
ミュージカル座
 事務所/埼玉県浦和市常磐9−8−15   Tel:
 ファンクラブ新設入会金2,000円はとっても高いです。会員特典の詳細は不明
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