ミュージカル作品紹介(第101回) | ||
オズの魔法使い | ||
■鑑 賞 日 平成11年8月8日(日) マチネ ■劇 場 名 新宿コマ劇場(新宿) ■料 金 全席指定�,000円(JCB貸切料金) ■原 作 ミュージカル「オズの魔法使い」 脚 本:L・フランク・ボーム 音 楽:ハロルド・アーレン,E・Y・ハーバーグ ■翻訳・演出 鵜山 仁 ■原 訳 早川 保清 ■訳 詞 鮎川 めぐみ ■美 術 和田 平介 ■照 明 勝柴 次朗,八木 優和 ■振 付 前田 清実 ■音楽監督 甲斐 正人 ■衣 裳 原 まさみ ■効 果 佐藤 日出夫 ■歌唱指導 楊 淑美,河口 祐貴子 ■メーク 馮 啓孝 ■殺 陣 渥美 博司 ■プロデューサー 柴田 英雄,木村 慎 |
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キ ャ ス ト | ||
ドロシー (安達 祐実) オズの大魔王 (渡辺 文雄) カカシ (黒田アーサー) ライオン (渋谷 哲平) ブリキマン(大森うたえもん) 門番 (高品 剛) 北の国の魔女 (寿 ひずる) 西の国の魔女 (今 陽子) ほか多数 |
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ス ト ー リ ー | ||
伯父夫婦に育てられたドロシーは飼犬トトを庇って家出することにしたが、インチキ占い師に説得されて家に戻った。ところが家ごと竜巻に巻き込まれて、目覚めると虹の向こう側にあるオズの国へ飛ばされてしまった。北の国の良い魔女グリンダは、ドロシーに同情してオズの大魔王を訪ねるように勧めた。 黄色い煉瓦の道を通って大魔王を訪ねる途中で、脳味噌がなくて困っているカカシと、心がなくて困っているブリキマンと、勇気がなくて困っているライオンとに出会った。大魔王は彼らの願いも叶えてくれるだろうと、ドロシーは旅仲間に加えるのだった。しかしドロシーが西の国の悪い魔女の手下ウィンキー達に捕らえられ・・・。 |
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コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ | ファミリー向け「おとぎの国」で、背景設定がほのぼの笑えます。とくに旅の仲間に引き入れる三人組のキャラクターが面白く、その設定、セリフ、行動がなかなか計算されていて楽しいですね。全体に日本の低俗ギャグに合わせてあるのは、詰まらないです。 |
キャスト | ☆ | メインはいずれも名優揃いです。シナリオのイメージに良く合わせたキャスティングがされています。アンサンブルのうち、小人達を演じる子役達はいずれも10歳前後・・・そのたどたどしさは微笑ましいのですが、ちょっと問題を感じます。 |
ナンバー | ○ | 「虹の向こうへ」は良いナンバーですが、日本語で聞くとイマイチですね。「オズを探しに」「○○が欲しい」も面白いですが、あまり冴えません。 |
ステージ | ☆ ☆ |
実に大がかりなものです。三層の回転ステージや、ステージ上方を飛び交う気球、地面に埋没するカンザスの小屋、歩くと光る黄色い煉瓦道など、楽しくて豪華なステージングです。三人組の独特な衣裳の出来映えも素晴らしいですが、なかでもブリキマンは力作です。大魔王の表情を投影する顔型スクリーンは、少し調子に乗りすぎでした。 |
演 技 力 | ◎ | 安達は想像以上に演技派でしたが、表情が6パターンぐらいしかないのが難点でしょうか。嬉しいとか、困ったとかにバリエーションが欲しいです。黒田、大森と渋谷の三人組の成りきり演技も楽しいです。それっぽさを見事に演じていました。今は毒々しい魔女役がハマリ役で、笑える程度に怖い感じでした。アンサンブルでは、サルの妖怪ニコの演技が抜群で、手下のウィンキーたちもいい味を出していました。トト役はオーディション採用なのか賢い犬でした。 |
歌 唱 力 | ○ | 安達の歌は下手です。感情が籠もっておらず平面的、声量不足も問題です。再演までにレベルアップに期待したいです。三人組はほどほどですが、歌手デビューの経験がある渋谷の太めの声はなかなかです。 |
ダ ン ス | ◎ | どちらかと言えば単調気味ですが、比較的揃いキレのあるダンスでした。安達は努力の甲斐があって見栄えが良いです。ウィンキーのダンスが目立って優れていましたが、オズの国のダンスは同じキャストでも動きが重い感じでした。 |
総合評価 | ◎ | ファミリーミュージカルの名作ということで、水準以上の完成度を感じました。主演の安達は2年目の挑戦ということで、かなりレベルが上がっているように感じました。メインキャストもよくフォローしてあって、纏まりあるステージでした。文化庁の後援もうなずけます(笑)。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||