ミュージカル作品紹介(第85回) | ||
Dear… | ||
■劇 団 Dear…実行委員会 ■鑑 賞 日 平成11年6月19日(土) マチネ ■劇 場 名 所沢市民文化センター マーキー(航空公園) ■料 金 全席自由�,500円(前売料金) ■作・演出 中村 未来歩 ■音 楽 金井 信 ■美 術 星埜 恵子 ■合唱指導 中村 由紀男 ■映 像 港 健二郎 ■振 付 石橋 寿恵子 ■照 明 三輪 哲郎 ■アクション 福本 浩己 ■音響・舞台監督 丸山 昌彦 ■演技指導 たつの 素子 |
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キ ャ ス ト | ||
川崎ひとみ (中村 真歩) 青木陽子 (山口 芳恵) 狭間敏夫 (赤沼 寛明) 中野順一 (派矢 涼平) 岩山健 (長澤 宏朗) 丸井義信 (堀 開三) 蛯名十四郎 (梅北 康史) 蛯名ともえ (吉原 麻波) 星野京子 (松岡 晶) ほか多数 |
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ス ト ー リ ー | ||
前年に東京を襲った直下型地震は、多大な被害を生み出した。政府の身勝手な政策が二次被害を拡大させる一方で、ある者たちは肥え太っていた。その一人である丸井が経営するデパートが新宿の焼け跡に出現した。そのデパートがオープンした当日、武装した狭間らが侵入して丸井以下の社員と買い物客ら30人を人質に取り、政府に対して3兆円という巨額の身代金を請求した。政府は即座に特殊部隊の投入を決定、部隊から中野中佐が失踪した事件とも関係があるというが・・・ | ||
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ | 近未来の政府の変節を見立てた興味深いシナリオです。人物設定や会話の組立に面白さが見られます。ただ、登場人物を複雑に絡めたわりには充分な説明が無く、多すぎる登場人物の纏まりが難しい感じでしょうか。 |
キャスト | ◎ | 演劇経験ありと紹介されているキャストは確かに水準を超えていますが、かなり素人なままのキャストも混じっていました。一方をメインに他方をアンサンブルに明確な色分けがあると良かったのですが、混在したままだったのでシナリオの冴えを霞ませていました。 |
ナンバー | ○ | フィナーレの「親愛なる人間へ」は良いナンバーでしたが、他のオリジナルは何となく冴えませんでした。歌詞に意志表現を優先するために、あまり音韻を考慮しなかったからではないか、と感じました。 |
ステージ | ☆ | 中央にエレベーターを模した開閉扉があり、その上方にに大型のTVスクリーンを設置したシンプルなステージでした。スクリーンにいろいろな映像を投影して場面転換や背景説明に活用した斬新な演出でした。デパートを表現するための小道具が多かったこと、客席の前方や両袖の使用で演出過剰だったことが惜しまれます。 |
演 技 力 | ◎ | 派矢はマイムが面白く、変わり身の速さも絶品で、集団の中での細かい仕草も楽しめました。狭間、松岡、吉原の真摯な取り組みが映えました。梅北も熱演でしたが、老人に徹し切れていなかったかなと感じました。 |
歌 唱 力 | ○ | ナンバーが冴えなかったこともあり、あまり歌唱力が発揮されるチャンスが少なかったようです。コーラスは雑味の残る感じで少しパート分けが欲しいところです。ソロでは吉原の声が一番良かったと思います。 |
ダ ン ス | ○ | 目立ったダンスは前半だけで、後半にも一つ欲しい(せめてフィナーレかカーテンコールぐらいで)ところです。ダンスはテンポに外れているキャストが多く、しかも振りが揃わないものでした。派手なダンスを採用する必要性は感じられませんでしたので、地味で踊りやすいダンスに徹するのも良いかも知れません。 |
総合評価 | ◎ | テーマとして震災や仮設住宅を扱っていました。映像の一部に阪神大震災のものも使われており、震災で身内を亡くした者の立場からすれば、あまりに安直な題材に使われていたことに怒りを覚えました。 しかし訴えたいことは理解できますから、あまりストレート過ぎない方法で、できる限り完成度を高めてから再演が続けられると良いですね。中村氏は25歳という若い演出家ですので、今後も技を磨いて頑張って下さることに期待します。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
Dear…実行委員会 事務局/新座市新堀1−12−10中村方 Tel:0424-95-5421 |
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