ミュージカル作品紹介(第79回) | ||
南 十 字 星 | ||
■劇 団 ザ・ライフ・カムパニイ ■鑑 賞 日 平成11年5月22日(土) マチネ ■劇 場 名 六行会ホール(新馬場) ■料 金 全席自由�,500円(前売料金) ■脚本・作詞・演出 蕪木 陽青生 ■音 楽 すぎはら 文則 ■振 付 黒沢 輝夫 ■衣 裳 長谷川 みっく ■照 明 森下 泰 ■音 響 渋沢 栄三 ■美 術 平田 道則 ■製 作 林 阿未 ■舞台監督 北岸 和夫 ■制 作 宮下 陽子 |
||
キ ャ ス ト | ||
ホセファ (たにむら玲子) エスコーダ (越前 卓久) 秋月中尉 (おおしたよし勝) 川田少尉 (大山ツヨシ) モニカ (みやした陽子) アリザ (麻井 ユキ) ほか多数 |
||
ス ト ー リ ー | ||
日本軍がフィリピンへ侵攻し、あっという間にマッカーサー率いる駐留米軍を駆逐した。彼らはフィリピン国軍と米軍の捕虜10万人に炎天下での行進を強制して虐待を重ねた。フィリピンでガールスカウト・女性協会全国連合会を組織し、赤十字本部の認定も受けたホセファ・エスコーダは、見かねて捕虜に救援の手を差し伸べた。 日本軍はホセファや、その夫・エスコーダに協力を求めたが、拒絶されるとただちに弾圧を始めて投獄。国内ではパルチザンが跳梁し、米軍再上陸の噂も聞こえてくる。しかし厳しい拷問に絶え、不十分な食事しか与えられないホセファは・・・ |
||
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ◎ | 導入部が唐突だったこともあり背景が掴みにくいですが、シンプルなものに仕上がっていました。もう少しホセファの見せ場があるといい感じを受けましたが・・・時間の制約から難しいでしょうか。「小さい頃に夢をみたの」がクドい感じだったので調整を期待します。 |
キャスト | ◎ | 歌唱力と演技力はよく鍛えてある感じのするキャストでした。設定の問題もあると思いますが、地味な俳優が多く個性が感じられませんでした。 |
ナンバー | ○ | 「ブーゲンビリアの花のよう」は美しいナンバーでした。テーマの「南十字星」もまずまずでした。メロディは美しいものですが、やや抑揚に欠け単調に感じました。 |
ステージ | ◎ | ステージ後方に低い階段が設けてあるだけの超シンプルなものです。あとは竹組みのちょっとした吊り下げと、4脚の椅子、牢獄を示す柵、小道具の銃という程度でした。衣裳も全体に地味でした。意識的なものでしょうね。 |
演 技 力 | ○ | 演技力はあるのですが、シナリオの問題か俳優の問題か、奥行きの感じられない演技でした。もっと感情を込めた演技を見せて欲しいですね。声は素晴らしいですが、表情や仕草の作りに不足を感じました。 |
歌 唱 力 | ○ | 女優に限って言えば声楽の基礎に忠実な発声をしています。しかしどのナンバーも高音で高らかな歌い、誰もが一様な厚みのない歌い・・・でサラサラ流れていくような詰まらない仕上がりでした。パート分けや、ナンバー毎での歌い分け、感情移入などを求めます。 |
ダ ン ス | ○ | オリジナルなものですが、揃うようで揃わない微妙なチグハグさを感じました。また模式的なものが多く、いま少しイメージが伝わってきません。 |
総合評価 | ○ | 老舗の劇団である割には実力不足を感じます。テーマの選択は良く、キャストもそれなりに優秀であるようなので、演出とナンバーのレベルアップに期待します。「ひめゆり」と比べてしまうのは酷ですが、やや高い買い物に感じました。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
||
ア ク セ ス | ||
ザ・ライフ・カムパニイ 事務所/横浜市港北区日吉1−25−8 Tel:0 |
||