第46回「ナンバーリストを下さい」を書いてから、２年半が経ちます。残念ながら、ＴＭＭは昨月に解散されましたが、劇団四季もコーラスシティもナンバーリストを紹介してくれるようになりました。ミスタースリムも歌詞付きのリストを配布してくれています。

なかでも劇団四季の変わり様が、素晴らしいです。これまで情報の出し惜しみが目立っていたように思いますが、公式ホームページの立ち上げ以降、積極的な情報発信をしています。キャストリストの公開、裏話の提供、そして会報やプログラムの充実です。中でもプログラムの内容が大幅に充実しています。

御用評論家による中身の薄いコラムが減少し、ようやく価格に見合う内容へとプログラムが充実してきています。背景の紹介、批評を綯い交ぜた評論、そしてナンバーリストの掲載があります。先日に地方公演中のキャッツやオペラ座の怪人のプログラムも入手しましたが、数年前とは比較にならない充実ぶりです。

想像するに、プログラムの内容充実に対するお客様の意見のフィードバックが掛かっているのでしょう。ホームページでも批評・批判を冷静に受け止めているようですし、情報提供に対する手応えも感じていると思われます。若手の躍進効果も大きいのでしょうか。当サイトにとっては、嬉しい限りです。

それでも多くは、未だナンバーリストの掲載をしていません。単発の公演であれば、必ずしもナンバーリストに意味がないかも知れませんが、ダンスナンバー・ソングナンバー共に、作品の重要な情報ですので、是非是非提供して頂きたいと思います。とくに何を表現したかったのか不明なナンバーも、タイトルが分かれば分かることがあります（本質から外れますが）。

観客の耳に残るナンバーは、是非とも持ち帰って貰うべきだと思います。持ち帰るとは、つまりフレーズを覚えて帰って貰うことですが・・その意味でも歌詞があると一層良いでしょう。単発作品であればあるだけ、長く観客の心に残ることが幸せでしょう。せっかく作り上げたオリジナル作品です。その場限りで終わるのでなく、可能な限り持ち帰って頂きましょう。

そういう意味では、とくに出来の良いナンバー、印象づけたいナンバーのみ、歌詞を掲載して欲しいです。全てのナンバーの歌詞を羅列していることもありますが、メインテーマとかフィナーレとかに絞って、掲載して欲しいです。そういえば、四季のファミリー物などでは歌詞が配布されて観客を唱わせようとする作品があります。観客は恥ずかしがって唱いませんが・・大合唱が起こるようなナンバーでチャレンジして欲しいです。

ナンバーリストは、キャストリストと並ぶ作品紹介の大きな要素です。一つでも多くの作品について、ナンバーリストが紹介されると良いですね。

• 本コラムを掲載したばかりですが、コーラス・シティではＢ５版両面に全ナンバーの歌詞をプリントした別紙を用意してくれました（2001.11.17）